2025/12/21

ナショル RQ-402 ゴールドメカA(エース)

ナショル RQ-402 ゴールドメカA(エース)の紹介です。1966年、18,700円のオープンリールテープレコーダーです。この製品も懐かしく家具調ステレオSE-6200Aと一緒に実家で購入しました。
同梱されていた回路図と説明書 

回路図は購入時に同梱されています。また「電波科学 1958-1 臨時増刊 テープレコーダーのすべて」にも回路図は掲載されています。

4号リール

4号リールが採用されています。何故、4号リールなのか不明ですがレコーダーを家庭用に小型化したかったのかと思います。中途半端な大きさの4号リールなので、近所の電気店では販売していないのでいつも小型の3号リールを使っていました。

キャプタンをみると4.75cm/sであることが判る
キャプタンスリーブ

9.5cm/s、4.75cm/sの2スピートに対応しています。キャプスタンのみは4.75cm/sです。0.8cmのキャプスタンスリーブを取り付ければ9.5cm/sで録再ができます。内部を覗いて見ます。開けた形跡があります。中央の長いスペーサネジで接続するプラスチックが破損してい蓋が閉まらない状態です。 

2電源切替用のリレー

AC100Vと乾電池(単2×6本)の2電源方式です。AC100Vを接続すると内蔵のリレーが動作して乾電池を切り離す仕組みです。そのため、RQ-402は常時1.8A流れる構造です。使わないときはACプラグはコンセントから抜いておいた方が良いです。

ACコンセントを接続したときの電流

劣化部品は全て交換します。 通電試験で1.8A流れて正常です。しかし、スピーカーから全く音がでません。ノイズすら聞こえない状態です。

蓋を開けた内部の様子

シグナルインジェクターをトランジスタの各段に順次入力してスピーカーから音が出るか確認します。初段トランジスタの2SC173(ローノイズ・タイプ)のコレクタ側のプリント配線が切断していました。切断箇所をハンダ付けして修理します。ようやくスピーカーから音がでるようになりました。

モーターとフライホイール

ゴムベルトが伸びて劣化しているので交換します。太さ2mmの丸ベルトです。

録音と再生は正常に動作します。モーターも動作します。

外部録音はAUX INから入力

マイクを接続して録音しようとしますが録音できません。ジャックの接触不良です。ジャックを研磨・清掃して録音できます。ただし、音は少しこもりぎみで良い音ではありません。AUX INと抵抗入りケーブルで接続してラジオを録音してみます。 長時間の動作確認をします。

モーターは円筒の固定金物から取り出す 
1時間程、録音をしていると何か異音がかすかに聞こえてきました。そのまま10分程度続けていると何かこすれるような大きな音が連続して発生します。モーターが回転するとモーター内部から音が出ます。

モーターを分解した様子
モーターを取り外して蓋を開けます。蓋に取り付けてあった絶縁テープが経年劣化で剥がれています。絶縁テープを取り除いてモーターを動作させると異音は出ません。蓋とモーターの電極の距離が近いのでテープで絶縁しています。同じ位置に新しい絶縁テープを張り修理します。 
セレン整流器をダイオードに交換
テープレコーダーを使っていなくてもトランスがやや熱くなっています。常時電流が流れる構造なのでセレン整流器の不良を疑います。テスターでセレン整流器を測定すると性能劣化しています。ダイオード2本に置き換えます。トランスの発熱は解消しました。

ヘッドイレーサー TDK AH-301

ヘッドイレーサー TDK AH-301でヘッドの消磁をします。AH-301はカセットテープでもオープンリールテープでも形状に関わらずワンタッチで消磁できて便利です。これで修理作業は終了です。

RQ-402は9.5cm/sで録音すれば意外と良い音がします。 しかし、再生時に音の揺れを感じます。モーターのトルクが弱っている様子です。スローな音楽を再生するとハッキリわかります。時間が経つほど音揺れがどうしても気になります。DCモーターの交換を検討します。

2025.12.21 DCモーター交換とPWM制御基板の取り付け 

EG-530AD-9B CCW

PWM制御基板
9VDCモーターEG-530AD-9B CCWに交換します。オリジナルの改造になるのであまりお勧めできません。SONY TC-100Fと同じようにPWM制御基板を使用します。今回は9VDCモーターとトルクも大きいのでPWM制御基板1枚で修理できると思います。
PWM制御基板を実装
動作確認をします。DCモーターの交換により音の揺れはなくなり安定した動作となります。また、DCモーター単体では速度が速すぎるためPWM制御基板で回転数を調整すれば快適に再生することができます。懸念していた早送り巻き戻しの動作も良好でした。

回転数調整用ボリュームツマミ
回転数調整用ボリュームは本体左上隅に配置します。 PWM制御基板のボリューム操作には敏感に反応するため調整が難しいです。ボリュームには多回転ダイヤルを使用する必要がありそうです。後日、多回転ダイヤルを実装する予定です。

日曜日の朝のラジオはロイ・ジェームズの辛口な曲紹介の不二家歌謡ベストテンです。よく録音していました。部品交換したので当時と同じ音がします。1970年頃になるとカセットテープレコーダーが普及してRQ-402はすぐに使わなくなりました。録音や再生する度にガチャン・ガチャンとダイヤルを回す音が懐かしいです。一瞬で過ぎ去った昭和家電のひとつです。しかし深く記憶に残るそんな製品です。
 
2025.12.24 多回転ダイヤルの追加 
回転速度をスムーズに微調整できるように多回転ダイヤルを追加します。10回転ボリュームも併せて変更も考えましたが中止しました、多回転ダイヤルが適度に重いので微調整できることがわりボリュームは不要でした。また、多回転ダイヤルにはロック機構がついており調整位置で固定できズレる心配もありません。
真横みたダイヤル
多回転ダイヤルの高さ23mm、RQ-402の上蓋の内側の高さ21mmです。ダイヤルの背が高すぎて上蓋がしまりません。ダイヤルの黒い下側のプラスチックを削って高さ調整します。
上から見たダイヤル
回転数を調整するときダイヤルが適度に重く調整しやすいです。ダイヤルをロックすれば回転数は狂いません。ただし昔のテープレコーダーに多回転ダイヤルが付いた姿は何だか違和感があります。もっと地味でRQ-402のデザインに溶け込むようなダイヤルが欲しかったです。それだけが気になった点です。音揺れもなく回転数も微調整できるようになり快適な操作感のテープレコーダーに仕上がりました。 
 
2024.12.25 電源コードの長さ調整
RQ-402は電源コードの収納スペースが狭くギュウギュウで格納するのに 苦労します。昔から不満でした。電源コードを少々短くして格納しやすくしました。快適です。

Pionner パイオニア F-003 FMステレオチューナー

シルバーの前面パネル
背面パネル

Pionner パイオニア F-003 FMステレオチューナーの紹介です。1979年、42,000円のFM専用チューナーです。 タッチセンサーターボロック方式による心地よいチューニングが特徴のチューナーです。昔、F-005を使っていましたがF-003でも操作感は同じで快適です。

AUDIO別冊ステレオコンポ回路図集(表紙)

F-003回路図

昭和53年7月 電波新聞社 AUDIO別冊 世界の銘器 ステレオコンポ回路図集にF-003の回路図が掲載されています。 

内部はF-005に比べると簡素になっています。pioneer独自のICが採用されています。このICは入手困難です。入手できても高額かもしくは代替基板になります。要注意のICです。

FM専用機らしく5連バリコン が採用されています。

簡単な動作確認をします。受信できますがレベルメーターとセンターメーターの動きがバラバラで不自然です。ステレオランプも点灯しません。タッチセンサーターボロックも動作しません。

交換した劣化部品

劣化部品は全て交換します。

電解コンデンサ セット(500個)へのリンク

再度、動作確認をします。無調整ですが正常に動作するようになりました。メーター、ステレオランプ、タッチセンサーターボロックも正常です。電解コンデンサの劣化による動作不良が原因だった模様です。あっさり修理が終わり拍子抜けです。故障箇所はないので再調整します。

調整後にヒヤリングします。重心が低くメリハリのある音がします。高域は程よく伸びており聞きやすい音です。S/Nも良いです。タッチセンサーターボロック方式により神経質にならずに簡単にチューニングできて快適な操作感です。

F-005よりシンプルで再調整しやすい機種です。音の好みは別としてタッチセンサーターボロック方式が欲しいのであればF-003の方がお勧めかと思います。今では見られない大型の筐体のチューナーです。鮮やかなシルバーと明るい照明のデザインが印象的です。全く古さを感じさせなFM専用チューナーが復活しました。

2025/12/17

Technics テクニクス ST-8080(80T) FM/AMチューナー

前面パネル
背面パネル

Technics テクニクス ST-8080(80T)FM/AMチューナーの紹介です。1976年、50,000円のチューナーです。

70年代のオーディオ機器が一番記憶に残っています。その当時の名機が一同に掲載されていた雑誌があります。昭和53年(1978年)電波新聞社 AUDIO別冊「世界の銘器 ステレオ・コンポ回路図集」です。貴重な回路図集です。

S-8080回路図

テクニクス ST-8080も回路図が掲載されています。懐かしいチューナーです。アナログチューナーは何台もあるのですが殆ど使わず保管してます。整理のため引っ張りだしました。

今では想像できない大型で重量級のチューナーです。このシリーズの製品はテクニクス独自の黒いパネルデザインで統一されています。このチューナーは明るい大型のダイヤルスケールと大きなメーターのシンプルなデザインで、黒を基調としたフレームにダイヤルスケールの照明が洗練された雰囲気を漂わせます。

ダイヤルノブの感触は高級感溢れます。オーディオ機器を自らの手で操作する楽しさを教えてくれる製品です。リモコン操作では味わえない魅力があります。

フロントエンドにはFM:4連バリコン 、AM:2連バリコンです。このクラスでFM:4連バリコン は頑張っています。個人的にはFM専用機でも良かったです。AMがあることで中途半端な位置付けのチューナーになって残念です。AMラジオ放送が盛況な時代なのでAMを捨て切れなかったのかもしれません。

この頃になるとチューナーの各機能毎のIC化が急速に普及します。各メーカーからはIC化により高性能で安定した動作のチューナーの銘器が誕生しています。

裏側は大きなフライホイールとダイヤルスケール照明用の大きな銀色の金属板が見えます。

前面パネルを取り外した様子

裏側から見ると鋳物であることがわかる

ダイヤルスケールのガラス内部が汚れているので分解して清掃です。前面パネルを取り外します。 驚いたことに前面パネルは鋳物で形成されています。重いはずです。分厚いガラスを鋳物のパネルにどうやってはめ込んだのかも謎です。針金と布を使いガラス内部の隅々まで清掃すると元の美しくしさが復活します。ダイヤルノブはコンパウンドで磨くとつややかな光沢と手触りが戻ります。ダイヤルノブとフライホイールの軸を固定するリングが錆びています。見えない箇所ですが錆びを落として再塗装します。

RCA端子のクリーニング

RCA端子は古いM5ナットドラーバーで清掃すると綺麗に仕上がります。

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プリント基板の部品には劣化は見られないのでこのままで大丈夫そうです。久しぶりに電源を入れます。正常に受信しました。ヒヤリングします。帯域は広く奥行きもあり落ち着いたバランスの取れた音がします。mpx hi-blendをONにすると帯域は狭く感じますがノイズ感は激減します。そして決して刺激的な音がしません。OFFにすると一気に帯域が広がりますが軽いノイズ感を伴います。このクラスになると段違いに音が良くなっているのが実感できます。長期保管していましたが動作に不具合もなく正常でした。

最近はS/Nの良いフルデジタルチューナーしか使っていません。アナログチューナーは置き場所もなく整理することになります。アナログチューナーを手放す時代が来るとは思ってもみませんでした。思い出のある機器を手放すのに少し寂しさを感じます。