ナショナル RE-510 真空管FMチューナーです。1963年頃の製品で6,800円で販売されいました。現在でもオークションなどで年に何台か出品されているようです。大きさは幅272mm×高さ80mm×奥行149mmのコンパクトなモノラルFMチューナーです。
本体の底には、真空管配置図、ダイヤル駆動図があります。残念ながらこのチューナーには回路図は添付されていません。黒いプラスチックの頭のネジは破損しやすいので、必ず手で締めるようにします。ドライバーで締めると非常にもろいので破損させる恐れがあります。
RE-510の中を覗くとすごいほこりでいっぱいです。今まで一度も開けたことはない様子です。本体ケースの汚れやヤニを落とし内部の埃を丁寧に掃除します。真空管には12BA6×2、17EW8、2連バリコン、セレン整流器の構成となっています。チューナーのシャーシはケースから電気的に浮いた(絶縁)状態で固定されていました。
ケースから目盛り板が完全に外れていました。きれいに掃除してボンドで固定します。目盛りの裏板が汚れとサビが出ています。上の写真は再塗装して取り付けた様子です。
はじめに故障個所はないか入念に目視点検します。電源回路の電解コンデンサ端子からの液漏れで使えそうにありません。
一通り修理が終わったので、劣化部品以外に故障個所はないか通電してみます。0.23~0.24Aで安定し正常のようです。次にFMチューナーの動作確認をします。調整はカバーを外した状態でチューナー部の横から調整することができます。アンテナを接続して受信してみます。受信感度およびトラッキングを調整します。
これで修理は終了です。今回はFM放送の初期に製造された貴重なナショナル FMチューナーRE-510の修理でした。次回はFMチューナーRE-510とセットになるFMステレオアダプター RD-511の紹介および修理です。