2026/07/23

ゲルマニウムラジオの基礎の基礎

1.概要

ゲルマニウムラジオとマグネチックレシーバー

マグネチックレシーバーを入手したのでゲルマニウムラジオに使用する予定です。ゲルマニウムラジオのアンテナや同調回路は繊細で非常に難しいです。そこは回避して検波方式と負荷の組み合わせに着目してマグネチックレシーバーを活かせないか検討しました。

本記事では、

クリスタルイヤホン/マグネチックレシーバー/トランスの検波方式の違い

・平均値検波と包絡線検波の音量差(約8〜10dB)

・ マグネチックレシーバーを使う際の“落とし穴”

 を体系的に整理しています。

2.クリスタルイヤホン(C)系

ご存知のとおり、クリスタルイヤホンはロシェル塩などの圧電素子で構成された高インピーダンスなコンデンサ(C)素子です。 クリスタルイヤホン自体が持っている静電容量(約1000pF〜3000pF)をコンデンサ(C)として検波方式を比べてみます。

(1)① C直結(抵抗なし)

① C直結(抵抗なし)回路図

ダイオード検波からクリスタルイヤホンに直結する回路の動作は、ダイオードを通ってイヤホン(C)に溜まった電荷の「逃げ道」がなくなります。

イヤホンに電荷が溜まりっぱなしになり、ダイオードの両端電圧が同等(または逆バイアス)になって「ダイオードが整流動作を停止」します。

その結果、音が出なくなってしまうか、極めて歪んだ小さな音になってしまいます。

例外的にラジオが鳴ることがあります。これは、クリスタルイヤホンのMΩクラスの内部抵抗に流れた漏れ電流により辛うじてラジオが鳴っている状態です。

(2)② C+負荷抵抗(包絡線検波)

イヤホンと並列に接続した負荷抵抗(47kΩ〜100kΩ)が、ダイオードの整流電流(直流)をアースへ逃がす経路(R)になります。

② C+負荷抵抗(包絡線検波)回路図

この イヤホン(C)並列の抵抗(R)が組み合わさることで、整流された高周波の「山(ピーク)」の電荷を抵抗(R)からジワジワと放電させ、振幅の変化(包絡線)になめらかに追従する波形=音声信号(AF)を作り出しています。

包絡線検波の波形
 この検波方式は包絡線検波と呼ばれています。

3.マグネチックレシーバー(L)系

(1)③ L直結(Cなし=平均値検波)

マグネチックレシーバーの内部には、細い電線を何千回も巻いた大きなインダクタンス(L成分)を持ったコイルが入っています。

L直結(Cなし=平均値検波)回路図


コイルには「電流の変化を拒み、一定に保とうとする(平滑化する)」という電気的性質があります。
  • ダイオードの出力: 高周波のON/OFF(プラスの半波の連続脈流)

  • コイルの反応: 高周波の激しい変化についていけず、脈流の電流の平均的な太さ(直流〜音声周波数成分)だけをなめらかに流そうとします。

つまり、コイル自身がチョークコイル(高周波阻止コイル)として働き、高周波成分をシャットアウトして「平均電流」だけを抽出します。

平均値検波の波形

この様な検波方式を平均値検波と呼んでいます。

平均値検波は波形のピーク値Vpの1/πのレベルになります。

(2)④ L+C(包絡線検波)

マグネチックレシーバーによる平均値検波に並列で高周波バイパスコンデンサ(1000pF〜4700pF)を入れることで包絡線検波になります。

LC(包絡線検波)回路図

包絡線検波の波形
包絡線検波は平均値検波に比べて、理論上および実際の回路動作でおおむね「2.5倍〜3倍(約 +8dB 〜 +10dB)」ほどのレベルが向上します。

4.インピーダンス変換トランス(L)系

マグネチックレシーバーの包絡線検波は興味深い内容です。マグネチックレシーバー(L)は、そのままインピーダンス変換トランス(L)に置き換えることができます。

市販されていた昔のゲルマニウムラジオキットや、インピーダンス変換トランス(ST-32やST-71など)を使ってローインピーダンスのクリスタルイヤホンや現代のイヤホンを鳴らす回路で、トランスの一次側(ダイオード側)にコンデンサが並列に入っているのをよく見かけます。

(1)⑤ トランス一次側Cなし(平均値検波)

⑤ トランス一次側Cなし(平均値検波)回路図

平均値検波の波形

平均値検波は波形のピーク値Vpの1/πのレベルになります。

(2)⑥ トランス一次側Cあり(包絡線検波)

⑥ トランス一次側Cあり(包絡線検波)回路図

包絡線検波の波形
トランス(L)だけだと平均値検波になって検波効率(音量)が落ちてしまうのを防ぎ、しっかりと包絡線検波を行わせるための高周波バイパスコンデンサ(C)です。
包絡線検波は平均値検波に比べて、理論上および実際の回路動作でおおむね「2.5倍〜3倍(約 +8dB 〜 +10dB)」ほどのレベルが向上します。

5. 検波方式理解への疑問

検波方式という概念は、日本のラジオ文化の中で体系的に定着してこなかった印象があります。これは単なる知識の不足ではなく、歴史的背景として必然だったと考えています。以下にその理由を整理します。

(1)鉱石ラジオ時代の強電界文化では、方式の違いが問題化しなかった

戦後の強電界環境では、鉱石ラジオは 平均値検波でも包絡線検波でも「鳴ればよい」 という実用性が最優先されていました。

そのため、検波方式の分類はラジオ文化として深く意識されず、 「とにかく受信できること」 が価値として継承され、現在に至っています。

(2)昭和の教材は実用技術中心で、方式名の体系化が行われなかった

昭和のラジオ雑誌や教科書を確認しても、 平均値検波・包絡線検波といった方式名はほとんど登場しません。

当時の教材は、

  • ダイオード検波

  • ダイアゴナルひずみ

  • AVC など、現象と調整技術を中心にした“実用技術者育成”の教育文化の中で作られていました。

一方、現代の大学教科書では通信工学の体系化が進み、 復調方式として平均値検波・包絡線検波が明確に分類されています。

この差は、 昭和の実践技術文化と、現代の国際標準に基づく理論体系との間にある教育文化のギャップ として理解できます。

(3)参考資料

いずれも実用技術者育成を目的とした教材であり、方式名の体系化は見られません。

  • 文部省認定 通信教育 ラジオ工学講座  『ラジオ工学教科書 第1部第1巻』 昭和23年

  • NHK 『ラジオFM技術教科書』 日本放送協会編 昭和46年  

6.マグネチックレシーバーを使う人への結論

本記事の目的は、検波方式の観点からマグネチックレシーバーの活用を整理することです。

理由:マグネチックレシーバーはコイル(L)なので、クリスタルイヤホンで使われていた並列抵抗をそのまま使うと平均値検波に戻り、音量が大きく低下します。

そのため、クリスタルイヤホンで包絡線検波(並列に抵抗あり)を行っていた回路にマグネチックレシーバーを接続する場合は、並列抵抗をコンデンサ(1000〜4700pF)に置き換える必要があります。

7.まとめ

検波方式の記事はいかがだったでしょうか。理論だけの少し堅い記事です。ゲルマニウムラジオの製作では、皆さんが微細な信号レベルを確保するのに苦労してラジオを組まれています。それにもかかわらず、平均値検波回路が散見されます。少しでもお役に立てればと思い包絡線検波を推奨する旨を本記事で書かせて頂きました。最後に7項「参考(実測6パターンの構成)に実測データを載せましたので参考にしてください。


以下は後日公開予定です。

8.参考(実測6パターンの構成)

本記事の内容と同じ並びの実測データです。 

(1)クリスタルイヤホン(C)系

 ① C直結(抵抗なし)

・ 回路図

・ 実機写真

測定結果(ほぼ検波停止/微小音)

 ② C+負荷抵抗(包絡線検波)

・ 回路図

・ 実機写真

測定結果(音量が確保される)

(2)マグネチックレシーバー(L)系

 ③ L直結(Cなし=平均値検波)

・ 回路図

・ 実機写真

測定結果(1/πレベル/音量小)

 ④ L+C(包絡線検波)

 ・ 回路図

・ 実機写真

測定結果(+8〜10dB向上)

(3)インピーダンス変換トランス(L)系

 ⑤ トランス一次側Cなし(平均値検波)

 ・回路図

・ 実機写真

測定結果(昔のキットでよくある)

 ⑥ トランス一次側Cあり(包絡線検波)

 ・回路図

・ 実機写真

測定結果(現代の理解に基づく改善)

2026/07/12

電子ブロック SR-3A 50年越しの理解

1.概要

電子ブロックSR-3A(100回路)

電子ブロックSR-3A(100回路)は、電子ブロック機器製造株式会社製で1969年、5,700円で販売されたものです。 

2.レコードプレーヤーアンプ

(1)違和感 

昔、SR‑3Aで遊んでいた小学生の私が、唯一実験できなかった回路があります。 「3石レコードプレーヤーアンプ」です。当時の家庭にはレコードプレーヤーがない家も多く、私の家も例外ではありません。だからこそ、この回路だけは“触れられない未来”の象徴のように見えていました。そして「ラジオやテープレコーダーを接続するアンプでもいいのに何でわざわざレコードプレーヤーなんだろう」と疑問に思っていました。

そんな昔の疑問は時代と共にすっかり忘れて、SR-100回路集を見ていると「3石レコードプレーヤーアンプ」が目に止まりました。クリスタルピックアップのレコードブレーヤーのアンプです。

3石レコードプレーヤーアンプの実体図

レコードのRIAA補正の簡易版として、入力がハインピーダンスのアンプ回路だと思っていました。 しかし実体図を見ると入力インピーダンスは16.8kΩでそんなに高くありません。ハイインピーダンスで高域を落としてレコードを補正する単純な仕組みではないようです。何かおかしいです。

(2)RIAA特性

レコードのもつRIAA特性はイコラーザで補正しますが、以下の主な3つで定義されています。

・低域(50Hz以下):ブースト(+6dB/oct)

・中域(500Hz~2kHz):ほぼ平坦

・高域(2kHz以上):減衰(-6dB/oct)

この特性を前提にすると、電子ブロックの回路がどこまでレコード再生を意識していたのかが見えてきます。   

(3)電子ブロックの簡易イコライザー 

3石レコードプレーヤーアンプ回路図
回路集の回路図に抵抗やコンンデンサ、トランジスタの型番や数値を落とし込んでみました。

ベースとコレクタ間をよくみると、直接250kΩ、0.005μF+47kΩ+250kΩ、0.005μF+0.01μFの3種類の帰還になっていることがわかります。

電子ブロックの簡易イコライザー回路は、ベースとコレクタ間の帰還(NFB)経路が周波数によって以下のように読み替えることができます。

・低域(50Hz以下):0.005μF+47kΩ+250kΩ

・中域(500Hz~2kHz):直接250kΩ

・高域(2kHz以上):0.005μF+0.01μF

子供向け電子玩具に抵抗1本で済むハイインピーダンス回路で胡麻化さずに簡易イコライザーを搭載しています。子供には判らない内容なのに敢えて本格的な回路構成です。どれだけ真剣に電子ブロックを開発したのか、今になってわかりました。 

後のST-100では「レコードプレーヤーアンプ」は姿を消しています。メーカー側も子供の実験教材として無理があると判断したものと思います。また、SR-3Aは用途別のアンプですがST-100からは方式別のアンプとなり、電子玩具から電子教材へと変遷しています。

3.フラットな特性のアンプ

折角なのでチューナーやDACを接続して電子ブロックの素の音質を確認してみます。簡易イコライザーを外してフラットな周波数特性のアンプに組みなおします。

(1)RIAA補正(イコライザーあり)

RIAA補正(イコライザーあり)の基板

比較参考するためRIAA補正のあるレコードプレーヤーアンプを電子ブロックで組んだ基板の様子です。 SR-3Aにはピンジャックの部品もないため自作しました。

(2)フラットな特性(イコライザーなし) 

フラットな特性(イコライザーなし) の基板

DACやチューナーを接続するために、RIAA補正回路を外してフラットな特性のアンプに組みなおした様子です。

(3)ヒアリング

ヒアリング風景

・RIAA補正(イコライザーあり)

中低音がまったく出ない、ハイ上がりの音です。高音が耳について聞きづらい音です。当然ですが。

・フラットな特性(イコライザーなし) 

初段のトランジスタまわりの抵抗を変えて一番歪の少ない回路にしてみました。  

(条件) 

DAC(Topping DX3pro)から電子ブロックへの出力は-28dB 

初段の帰還抵抗は6.8kΩ

ベースとアース間は16.8kΩから47kΩへ変更

エミッタとアース間は10Ωから330Ωへ変更

中間トランスは反転させて出力段の利得を下げています 

2Wayスピーカーは8cmウーファー、2cmソフトドームツィーターでバスレフ構造

この条件で基板×2セットによるステレオでのヒアリングとします。

低音が全くでないハイ上がりの音がします。音がやせて聞こえ、洞窟に入ったようなエコー感があります。ハイ上がりの影響なのかノイズ感があります。

思っていたよりずっと音が悪いです。想像以上に良くないので原因がないか思案しました。

各部の定数を改めて見直してみます。初段トランジスタの出力側カップリングコンデンサは30μF、ボリュームの出力側には10μFです。しかし、ピンジャクからのカップリングコンデンサは0.05μFです。入口のカップリングコンデンサ0.05μFで低域を大幅にカットしてるのが原因です。

・カップリングコンデンサ 0.05μFから1μFへ変更

0.05μFを1μFに交換した様子
セラミックコンデンサ0.05μFを1μFのオーディオ用電解コンデンサに交換します。実装は電解コンデンサの足を直接基板に刺します。

明らかに中低音が大幅に増えて音のバランスが良くなります。奥行は深く定位も良好です。ノイズ感はなく、小型スピーカーによる音楽鑑賞でも十分なパワーがあります。気持ちよく音楽を聴くことが出来る音です。DACとの接続ですがクリアでハイスピードの音はでません。あくまで、ほどほどの帯域でバランスよく聴かせるアンプです。

不思議なのですが、このフラットアンプは昔のラジカセの音がします。何故かなつかしく、ほっとする音がします。 

・参考:回路定数変更一覧表 

回路定数変更一覧表
 4.まとめ 

SR‑3Aが発売された当時、電子技術は明るい未来を切り開く力を持つと誰もが信じていました。

テレビをつければ、漫画は鉄腕アトム、エイトマン、スーパージェッター、宇宙少年ソラン、海外ドラマは宇宙大作戦(スタートレック)、宇宙家族ロビンソン、サンダーバード、原子力潜水艦シービュー号、世相的には大阪万博、アポロ11号など未来科学や夢満載の環境でした。子供の私には、その未来の技術と夢の一部を電子ブロックに見たのかもしれません。自分が手にすることができる未来の技術と夢です。

オーディオ文化が成熟期を迎えた時代でもあり、電子ブロックに「3石レコードプレーヤーアンプ」が組み込まれたのは、技術者自身の情熱と時代の希望が重なった結果だったのでしょう。子供向け教材でありながら、本物の回路をそのまま縮小して渡そうとした――そんな自由と夢が許された時代でした。

電子ブロックは、未来を信じていた時代の空気そのものです。50年越しに理解できたのは、回路の仕組みではなく、 あの頃の日本が抱いていた“技術への憧れ”だったのかもしれません。 

5.電解コンデンサ・ブロックの作成 2026.7.13

カップリングコンデンサ1μFは電解コンデンサの足を基板に直接刺しています。見栄えが悪いので、ジャンクの余剰ブロックを使い作成してみました。

作成した1μF電解コンデンサ・ブロック
上の写真のように出来上がりました。

作成した1μFを基板に実装した様子

基板に1μFを実装するとスッキリした配線になります。1μF電解コンデンサ・ブロックは昔からあったような顔をして鎮座しています。 

6.50年越しのヒアリング 2026.7.17

クリスタルカートリッジが入手できました。これで電子ブロックでレコードが聞くことが出来ます。

クリスタルカートリッジNC-202

ナガオカ(長岡精機宝石工業株式会社)のNC-202を使用します。 リード線をカートリッジ側のコネクタに変更して、専用マウンタでカートリッジをシェルに取り付けました。

NC-202でレコードを聴く
クリスタルカートリッジはセラミックカートリッジに比べ繊細な音質で出力もやや高めです。電子ブロックで聴くレコードの音が楽しみです。

クリスタルカートリッジでヒアリング
・0.05μF+付属スピーカー

カップリングコンデンサはオリジナルの0.05μFと付属スピーカーでヒアリングします。

付属スピーカーは箱に入っていないため、音の厚みが出ずにハイあがりの音です。低音は出ています。何かエコーのような響きがあり音の奥行を感じさせます。この音は電子ブロックのラジオに通じ同じ音がします。 

・1μF+付属スピーカー

明らかに中低音に厚みが増して、音の重心が下がります。しかし、まだ高域よりの音であることに変わりはありません。何かエコーのような響きがあり音の奥行を感じさせます。全体の音がマイルドになっています。1μFのほうが音のバランスが良くなります。

・0.05μF+2Wayスピーカー 

ハイあがりの音ですが高域の音の抜けが良く開放感があります。それなりに中低音も出ています。エコーのような響きは少ないですが奥行は良好です。

・1μF+2Wayスピーカー
高域があざやかな音質です。やや高域よりのバランスですが中低音もでています。 奥行もでています。1μFのほうが音のバランスが良くなります。

ノイズですが、レコードプレーヤーのモーターや電源ノイズなどが混入します。そのため、各基盤からアースをとって対策したところ良好になりました。 

0.05μF+付属スピーカーによるレコード音は電子ブロックのラジオの音と同じだったんです。「そうか、こんな音がしたんだ」が感想です。当時、レコードの音聴いていも違和感なかったかと思います。1μFを入れて音質を良くしてみましたが、電子ブロックは音質じゃなかったです。自分で作った回路の音が聞きたかったんだと気が付きました。

・参考(規格 :ナガオカ ステレオ クリスタルカートリッジNC-202 )

エレメント:クリスタル

周波数範囲:40~15,000c/s

感度:0.8V(1000c/s50mm/sec)

セパレーション:15dB(1000c/s)

チャンネルバランス:3dB(1000c/s)

コンプライアンス:0.7×10^-6cm/dyne

負荷抵抗:1~2MΩ

針圧:6gr

針先:ST.LP-0.7mil SP-3.0mil

取付寸法: EIA.JIS

2026/07/02

Windowsユーザーが構築できるLinux系ミュージックプレーヤーVolumio(ヴォルミオ )

1.概要 

Volumioの画面

Windowsユーザーでも迷わず構築できる、高機能・高音質なLinux系ミュージックプレーヤーVolumio(ヴォルミオ )の紹介です。

Volumioは、ただのミュージックプレーヤーではありません。自分の手で音楽空間を作り上げる楽しさ、Linuxがもたらす異次元の音、そして完成させたプレーヤーへの深い愛着・・・そのすべてを体験できるプレーヤーです。

自分で作り上げたミュージックプレーヤーが音を鳴らすとき、そこには既製品では得られない満足感があります。古いPCが音楽専用機として生まれ変わった姿は、まるで自分の生活の一部を作り上げたような喜びがあります。

Linuxは、透明で、揺らぎが少なく、静けさの中に芯がある音です。その世界に一度触れると、Windowsとはまったく違う音の景色が広がります。

Volumioは、Linux系オーディオへの体験への入口です。自分だけのプレーヤーを製作する楽しさと愛着、Linuxの音の世界、そして豊かな音楽のある空間を実現します。想像するだけで、Volumioを使ってみたくなるはずです。

Volumioの特徴は、①導入の容易さ、②低コスト、③高音質、④高機能、⑤構築の柔軟性、⑥Daphileとの比較の以下の6点に整理できます。

1-1. Linux知識が不要

VolumioはLinuxを意識させない設計で、Windowsに慣れた操作感のまま自然に扱えます。

・Windowsアプリのインストーラー(balenaEtcher)で構築

起動後はUI画面から初期設定するだけでLinuxのコマンド操作は一切不要

1-2. 低コスト

古いPCが“高性能ミュージックプレーヤー”として蘇ります。

・Volumio OSは無料で利用可能

・Linuxの動作は軽く古いx86 PCでも十分な性能を発揮

1-3. 高音質

Windowsにはない揺らぎの少ない透明感ある音を提供します。

・Linuxはバックグラウンド処理が少なくCPU負荷が安定

・USB Audio Classの信号経路が短く、純度の高いデジタル処理

・割り込み処理が安定し、ジッターが少ない

・汎用PCの電源・冷却・ノイズ対策がそのまま活きる

1-4.高機能(機能性・拡張性) 

・日本語UIによる快適な操作

TIDAL / Qobuz / Spotify Connec

DLNA / UPnP / AirPlay

マルチルーム

詳しくは、12.Volumio仕様一覧を参照してください。 

1-5.導入のしやすさ

・お試しで利用したいときはUSBブート。

WindowsPCの内部をいじらずにUSBメモリ上でVolumioを利用できます。

・本格的な音楽専用PCを構築するにはPCブート。

USBブートと同様に簡単に構築でき難易度はかわりません。 

・短時間で構築が可能。

USBブートは実際に1時間程度で構築できました。

1-6.VolumioとDaphile比較

もう一つ、同じように簡単に構築できるLinux系ミュージックプレーヤーDaphileがあります。VolumioとDaphileを比較して、自ら構築するたのしさ、自分に合わせた多様な音楽生活を実現出来ることからVolumioを紹介しています。

・Volumio

日本語UIの快適な操作性や機能性・拡張性を提供することで、多様な音のある生活スタイルに合わせて自ら構築するミュージックプレーヤーです。 Volumioは自ら構築し音楽を快適に楽しむためのミュージックプレーヤーとしての位置づけです。

Daphile

音質重視の機能に特化することで高音質を実現しています。ただし、音質以外のWeb UI(英語)などの利便性や拡張性は限られています。Daphileは音質重視型のミュージックプレーヤーの位置づけです。 

2.事前準備

Volumioを構築するにあたり、下記のものを準備します。 

2-1.構築に必要なもの 

・x86PC(CPU:1GHz以上、RAM:推奨 1GB以上)

・USBメモリ(8GB以上) 

・Volumio OS

Linux OSおよびVolumioミュージックプレーヤーを含んだOSイメージファイルです。

このURLから、PC (X86/X64)を選択してダウンロードします。

 https://volumio.com/get-started/ 

・balenaEtcher

OSイメージをSDカードやUSBドライブに安全かつ簡単に書き込むWindowsソフトです。

このURLからダウンロードします。

 https://etcher.balena.io/ 

2-2.周辺機器

・USB DAC

・音源ファイル(外付けHDDなど)

3. 構築手順①:ブート用USBメモリの作成

Volumioの構築にはUSBブートとPCブートの2つの利用形態を選べます。最初はブート用USBメモリの作成手順について説明します。 

3-1.概要 

USBブートはWindowsPCにインストールしないでUSB起動でVolumioを利用する形態です。インストール作業でWindows内部を汚すことなく、既存PCをそのままVolumioミュージックプレーヤーとして使用することができます。最初にVolumioがどんなミュージックプレーヤーなのか試してみたいときに便利なブート方法です。音質面ではPCブートに劣りますが、USBブートでもWindows系とは全く異なる静寂性や透明感を一瞬で確認することができます。

3-2. ブート用USBメモリの作成

・balenaEtcherのインストール

https://etcher.balena.io/  

ダウンロードしたbalenaEtcherを作業用WindowsPCにインストールします。 

・balenaEtcherを起動しさせ、左側の青いボタン"Flash from file"を押します。

balenaEtcherの初期画面

・次に、imgファイルの選択画面で、事前にダウンロードして解凍したVolumioのimgファイルを選択します。

imgファイルの選択画面

・正常にimgファイルの読込ができると、中央の青いボタン"select target"に遷移します。

select targetの画面

・"select target"の青いボタンを押して、書き込みするデバイスを選択します。

USBメモリを選択する画面
・該当する書き込みするデバイス、今回はUSBメモリにチェックを入れ"select1"の青いボタンを押します。 

”Flash!”の青いボタンの画面

・正常にUSBメモリが認識されると”Flash!”の青いボタンの画面に遷移します。

USBメモリへの書き込み画面

・”Flash!”の青いボタンを押してUSBメモリへのVolumioの書き込みを実行します。

USBメモリへの書き込みが正常に終了した画面

・正常に書き込みが終了すれば、Volumioのブート用USBメモリの完成です。 

4.構築手順②:Volumioの構築(USBブート編)

ブート用USBメモリを使いPC起動と設定によりVolumio構築ついて説明します。この作業によりVolumioは使用できるようになります。尚、PCはHP EliteDesk 800 G5 DMを例に説明しています。

4-1.BIOS設定

ブートUSBメモリを使用するため以下の事前にBIOS設定をします。 

・USBブートで起動させるためにはセキュアブートを無効化

セキュアブートの無効化の画面
詳細設定>セキュアブートの構成>

”レガシーサポートの無効化およびセキュアブートの有効化” から

”レガシーサポートの有効化およびセキュアブートの無効化”  に変更します。 

・起動順位をUSBメモリを最上位に設定。

4-2.Volumioの初期設定

ブート用USBメモリでVolumioを立ち上げて初期設定をします。

起動させる前に、USB DACや音源メディア(外付けHDDなど)をPCに接続しておきます。

mini-PCをブートUSBで起動
(1)ブートUSBからの起動

ブート用USBメモリを差し込みPCを起動させればVolumioが自動的に立ち上がります。

Linux(Volumio OS)の起動する画面

(2)システム設定

ブートUSBで起動したPCには、Volumioのシステム設定画面が立ち上がります。 以下のとおり順次システム設定を進めることでVolumioは完成します。

 ・言語

最初は言語の設定画面から開始します。言語>日本語、タイムゾーン>Japanを選択します。 

言語の設定画面
 ・ログイン

Volumioは「基本的な再生機能」だけならログイン不要で使えます。ただし、プラグインのインストールやMyVolumioのクラウド機能を使う場合はログインが必要です。

ログインの画面

・名前

名前(ホスト名)の設定画面では、”機器に一意の名前を付けてください”と表示されるので名前(ホスト名)を入力します。

名前(ホスト名)の設定画面

・出力

”オーディオ出力を選択してください”との画面から、出力機器の"DX3 Pro"を選択します。 

出力の設定画面

 ・ネットワーク

接続したいWiFiネットワークを選択します。

SSIDを選択>パスワードを入力>接続ボタンを押すとWiFiが接続されます。

ネットワークの設定画面

・音楽ソース

Start Free Trialがデフォルトで設定されています。 そのままのStart Free Trialとして次へのボタンを押します。

音楽ソースの設定画面
 ・完了 

全ての設定が終了すると、 

”おめでとうございます””Volumioの設定が完了し、再生の準備ができました”

とのコメントの完了画面が表示されます。

完了の画面

完了までの設定が終われば、それ以降Volumioをご利用になれます。 

5. 構築手順③:Volumioの構築(内蔵SSDブート編)

内蔵SSDブート(PCブート)はVolumioの音楽専用PCを構築します。

この章ではPC内を初期化しても良い汎用PCx86をご用意ください。 

USBブートでVolumioを起動させて、システム設定>ディスクにインストールの画面からmini-PC内蔵SSDを選択してインストールを実行します。

ディスクにインストールの画面

インストール中の画面
 
インストール完了の画面

 内蔵SSDへのインストールが完了したら、再起動ボタンを押します。USBメモリを抜きVolumioが起動するのを待ちます。

システム設定の最初の画面
 システム設定の入力画面が立ち上がります。ブログ内の4-2.Volumioの初期設定>(2)システム設定を参考してシステム設定を完了させます。 

これで内蔵SSDブート版のVolumioの完成です。

6.参考:ブログ内のPC仕様

Volumioは古いPCでも十分に動作しますが、このブログで紹介するPC仕様は、私が(1)は音楽専用PCとして最低限必要と思う条件、(2)は古いPC(再利用)の仕様です。

(1)HP EliteDesk 800 G5 DM

HP EliteDesk 800 G5 DM

音楽専用PCとして、下記のとおりハード選定などに凝って音質と利便性を改善しています。 

・低消費電力CPU(Intel Core i3-9100T) 

一定で少ない消費電力と発熱、C-state処理の素直さを重視。音楽再生ではCPU負荷が低く、これ以上の高性能CPU(i5/i7)にしても改善は限定的です。

HDD 500GBの実装

・2.5インチHDDからM2規格SSDへの交換

発熱と消費電力が下がり、筐体内の空気の流れも改善します。

・RAM:4GBまたは8GB

スワップを抑えてUSB転送を安定させるため4GBから8GBに増量します。ただし、8GB以上増やしても効果は限定的かと思います。 

冷却ファンの下にRAMを実装

・WiFi

mini-PCにWiFiカードを増設して利便性の向上させます。しかし音質面ではWiFiがノイズ源となってしまうデメリットがあります。必要のない時はOFFにして運用します。

SSD128GBへの交換と無線LANカードの追加
 ・冷却ファン

本当はファンレスが良かったのですがファン有です。ファンの音への影響は、ファンの動作が電源を変動させて音の安定感が揺らいでしまいます。

(2)HP EliteBook 8470b

2012年発売のHP EliteBook 8470b、第3世代Intel CPU、RAM 8GB、SSD500GB のWindows7のかなり古いノートPCを再利用します。Volumioは楽々と動作します。しかもPC本体、メモリ、SSDまたはHDDのみで構築できます。最初はご自宅の不要なったPCを活用すればいいかと思います。 

7.ヒアリング

4つのPC構成パターンでのヒアリングを実施しました。 また、下表にヒアリング結果をまとめました。

ヒアリング結果まとめ

7-1.HP EliteBook 8470b(USBブート)

2012年発売のHP EliteBook 8470b(第3世代Intel CPU、RAM 8GB、SSD500GB)の古いノートPCをUSBブート、外付けHDD、Topping DX3Proの構成でヒアリングします。

良くも悪くもきれいでバランス良い音です。低音は締まり、透明感や高域の伸びもほどほど、奥行もあり定位も良いです。しかし、何か全体的に音が押さえつけられたような解放感がない印象の音です。音が心に少しも響かないつまらない音です。Windows系にはないクリアさがありますが、無味無臭になりやすいLinux特有の質感が思ったより悪く感じました。

7-2.HP EliteDesk 800 G5 DM(USBブート)

HP EliteDesk 800 G5 DM (Intel Core i3-9100T、RAM 4GB、SSD128GB)のminiPCをUSBブート、外付けHDD、Topping DX3Proの構成でヒアリングします。

きれいな音で奥行も感じられ、中域の潤いも少し出います。 普通に聞いていられる音です。しかし、何か少し息苦しいような緊張感があり、やはり解放感がほしいです。

HP EliteBook 8470bと比べると遥かに改善しています。音楽ソースの元の音がダイレクトに反映されるため、古い楽曲は音全体の曇りが識別できる様になります。Windows系では単調になりがちな楽曲でも分解能は高く1音1音が明瞭に表現されます。高域のきらめきが少し出てきて、ベールを被ったような感じは少し和らいでいます。

30分程度、聴き込むことでプリメインアンプLV-103の影響でしょうか音に余韻と潤いが出てきました。意外ですが真空管アンプとの組み合わせは適度なゆらぎや潤いを与えるので良いのかもしれません。全体にベールを被った音には、楽曲が元々もっている曇りとLinux系システム固有の曇りの2つがあるようです。後者はシステム改善で曇りを解消できるかと思います。

7-3.HP EliteDesk 800 G5 DM(内蔵SSDブート)

HP EliteDesk 800 G5 DM (Intel Core i3-9100T、RAM 4GB、SSD128GB)のminiPCを内蔵SSDブート(PCブート)、外付けHDD、Topping DX3Proの構成でヒアリングします。

(1)RAM:4GB

解像度は高く1音1音明瞭に聞こえます。音のバランスは上下に一番バランス良く伸びています。当然、クリアなのでノイズ感は全くありません。ごく薄い曇りのような膜の様はものはやはり残っています。息苦しさは感じられませんので改善されています。高域のきらめきや胸に響く様な低域はでません。LV-103で30分たつと、音に潤いが出て音に深みが生まれます。この効果はシステムの向上とリンクしているようです。

(2)RAM:8GB

8GBのRAMが届いたので、4GBと交換してヒアリングします。 LV-103は1時間ほどエージングしてあります。

今まで薄く張った曇り(目の様な)は、完全に消えていはいませんが気にならない程度まで改善しています。奥行まで見通せるような空間を感じ音が深いです。高域の繊細さにキラメキ、余韻やざわめきが付加されています。これは聞いていて気持ちの良い音です。音楽への没入感が得られます。Windowsが少し尖ったキラメキと迫力の美しさならLinuxはクリアでなめらかな音の美しさを感じます。

RAMは8GBでの利用を推奨します。 Volumioの設定やBIOSはデフォルトのままでのハード構成変更だけのヒアリング結果です。Volumioの音の素性がすばらしく良いので、更に音質の向上が期待できることがわかりました。

ヒヤリングとは関係ありませんが、多量の楽曲データを最初に読み込むのに1万曲で約3分程度がかかりましたので参考にしてください。

(3)RAM:12GB(8GB+4GB) 2026.7.5追記

RAMを8GBから12GBに増量してみました。薄い曇りは少し和らぎます。なんとも言えない、息苦しいような嫌な空気間感は完全になくなりました。

(4)バッファサイズ 4MB⇒12MB 2026.7.5追記

再生設定>一般再生オプション>バッファサイズ

バッファサイズを4MBから12MBへ変更しました。この設定は音質に大きな影響を与えます。薄い霧状の膜がきれいになくなり、音全体が明瞭に聴くことができます。よく聴き込むとほんの僅か奥行きのある霧の様なものが残っています。しかし、音質は今までで一番良い状態になります。ここまでがVolumioの音の基礎作りで、この音をスタートラインとして、音質向上と自分の好みの音作りを目指します。

8.WindowsとLinux:音作りの異なる思想

ヒアリングにより音作りの違いや目指すべき方向性が見えてきます。WindowsとLinuxではOSの挙動の違いが、そのまま音に影響を与えるため、180度異なる考え方で音質調整をする必要があります。

・Windows系

必要な微細信号などを欠落させないように不要な音やノイズを削ることで音の純度をあげて高音質化を図ります。

・Linux系 

音の純度が高すぎてそのままでは無味乾燥で聞くに堪えません。音にゆらぎや潤いなどを付加するため、周辺機器等から質の高いゆらぎやノイズをもらい高音質化を図る必要があります。例えるなら、純粋な水は飲むに堪えないが、適度なミネラルなどを加えることで美味となることに似ています。

ただし、どちらも原音は純度が高いことが前提になります。純度の高い音に対してWindows系は引き算の理論で高音質を目指し、Linux系は足し算の理論で高音質を目指す必要があります。 

Windows系は音のバランスがある程度完成されているの対して、Linux系はPCの構成や挙動が音にダイレクトに反映します。PC固有の音は未完成で自ら純度の高いバランスの取れた音に再構築しなければいけない難しさがあります。Volumioの音の完成度を1割とすると、残りの9割は自ら調整する余地があるように感じます。

9.構築時のトラブル一覧

Volumio構築時に遭遇したトラブルは以下の3件だけです。 

・balenaEtcherのVolumioイメージファイル読み込みエラー

 インストーラーbalenaEtcherのVolumioのイメージファイル読込に何度か失敗しました。数回、再度チャレンジしてようやく読み込むことができましたが原因は不明です。

・音源フォルダの3階層までしか認識しない

HDD内の3階層までのフォルダ下の音源(FLAC)しかVolumioが認識しませんでした。 大容量の楽曲が原因で、RAMやMPDのリソースが不足したと考えられます。以下の対策で良好な動作となりました。

対策:第1階層を複数フォルダに分割。また、第3階層まのでフォルダに音源ファイルを格納 。

・内蔵SSDが認識出来ない

HP EliteDesk 800 G5 DMにHDDからSSDに実装変更したときにSSDが認識できませんでした。BIOSを工場出荷時にリセットする事でSSDを認識できるようなりました。中古PCのためBIOSの設定が多数変更されていたのが原因です。

10.今後の改善

Volumio構築に伴い、今後改善すべき内容もみえてきたので以下に記載します。 

10-1音源を格納するストレージ

電源、メカ、USBの影響がないストレージへの移行が有効。現在の外付けHDD(USB接続)から以下の改善案を検討中。

・改善案

①HDDからSSDへの交換

②内蔵SSDへ移行

③妥協案:ストレージにHDDおよびUSBを使用せざる負えない場合の対策 。RAMディスクの機能がないため、MPDの最適化により改善。

10-2.BIOS設定

BIOS設定により、Volumioの音質を最適化します。実際にHP EliteDesk 800 G5 DMの設定で改善できる余地があります。

電源管理、USB、不要デバイス、ブート、熱・ファン

11.まとめ

Volumioは自身で音を作り込むミュージックプレーヤーです。音質はアマチュアの領域を超えたかなと思わせます。少しの条件で大きく音が変わる繊細な音質で調整はむずかしいです。しかしアマチュアの特権は何度でも失敗できるのが強みです。原音を濁さずに音のゆらぎを付加しながら自分だけの音をつくりあげてください。原音を誤って汚すと、どこかで音の袋小路に迷い込んでしまいます。その時はアマチュアの特権を発動して、最初からやり直せばいいだけです。VolumioはWindows系とは全く異なる音の世界に連れていってくれます。Windowsユーザーから隔離されて埋もれているには惜しいVolumioです。

12.Volumio仕様一覧

 VolumioはLinuxベースの高音質オーディオ専用OS で、 Raspberry Pi・x86 PC・専用機(Primo / Rivo)などで動作します。

(1)オーディオフォーマット

FLAC/WAV/AIFF/ALAC/MP3/AAC/Ogg Vorbis/Cueシート(CUE)

DSD(DSF/DFF)DSD256-SDS512は対応機器に依存 

(2) サンプリングレート / ビット

・PCM:最大 384kHz(OS仕様)

・専用機(Primo Plus / Rivo+)では PCM 768kHz / DSD512 に対応

・ビット深度:最大 32bit(USB出力時)

(3) ストリーミングサービス

Spotify(プラグイン / Connect)

TIDAL(日本未サービス)

・Qobuz

・Radio Paradise FLAC

・DLNA / UPnP / OpenHome

・Roon Ready(対応機種) 

(4) ネットワーク・入出力

・LAN / Wi-Fi(機器依存)

・Bluetooth(SBC)

・USB-DAC 出力(ALSA 経由)

・HDMI オーディオ出力 

・I2S(Raspberry Pi / Rivo+)

・CD再生・リッピング(USB-CDドライブ 

(5)ハードウェア

・CPU:1GHz 以上

・RAM:512MB 以上(推奨 1GB〜) 

・ストレージ:microSD / USB / SSD / HDD(ただしSSD推奨)

・ネットワーク:LAN または Wi-Fi 

(6)ストレージのフォーマット

SSDやHDDで使用可能なフォーマットは以下のとおりです。 

ext4/exFAT/FAT32/NTFS

(7)Volumio Premium(有料版)の追加機能

・AIプレイリスト(Supersearch)

・インフィニティプレイ(自動連続再生)

・マルチルーム同期

・CDリッピング(USB-CD)