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2026/07/12

電子ブロック SR-3A 50年越しの理解

1.概要

電子ブロックRS-3A(100回路)

電子ブロックRS-3A(100回路)は、電子ブロック機器製造株式会社製で1969年、5,700円で販売されたものです。 

2.レコードプレーヤーアンプ

(1)違和感 

昔、SR‑3Aで遊んでいた小学生の私が、唯一実験できなかった回路があります。 「3石レコードプレーヤーアンプ」です。当時の家庭にはレコードプレーヤーがない家も多く、私の家も例外ではありません。だからこそ、この回路だけは“触れられない未来”の象徴のように見えていました。そして「ラジオやテープレコーダーを接続するアンプでもいいのに何でわざわざレコードプレーヤーなんだろう」と疑問に思っていました。

そんな昔の疑問は時代と共にすっかり忘れて、SR-100回路集を見ていると「3石レコードプレーヤーアンプ」が目に止まりました。クリスタルピックアップのレコードブレーヤーのアンプです。

3石レコードプレーヤーアンプの実体図

レコードのRIAA補正の簡易版として、入力がハインピーダンスのアンプ回路だと思っていました。 しかし実体図を見ると入力インピーダンスは16.8kΩでそんなに高くありません。ハイインピーダンスで高域を落としてレコードを補正する単純な仕組みではないようです。何かおかしいです。

(2)RIAA特性

レコードのもつRIAA特性はイコラーザで補正しますが、以下の主な3つで定義されています。

・低域(50Hz以下):ブースト(+6dB/oct)

・中域(500Hz~2kHz):ほぼ平坦

・高域(2kHz以上):減衰(-6dB/oct)

この特性を前提にすると、電子ブロックの回路がどこまでレコード再生を意識していたのかが見えてきます。   

(3)電子ブロックの簡易イコライザー 

3石レコードプレーヤーアンプ回路図
回路集の回路図に抵抗やコンンデンサ、トランジスタの型番や数値を落とし込んでみました。

ベースとコレクタ間をよくみると、直接250kΩ、0.005μF+47kΩ+250kΩ、0.005μF+0.01μFの3種類の帰還になっていることがわかります。

電子ブロックの簡易イコライザー回路は、ベースとコレクタ間の帰還(NFB)経路が周波数によって以下のように読み替えることができます。

・低域(50Hz以下):0.005μF+47kΩ+250kΩ

・中域(500Hz~2kHz):直接250kΩ

・高域(2kHz以上):0.005μF+0.01μF

子供向け電子玩具に抵抗1本で済むハイインピーダンス回路で胡麻化さずに簡易イコライザーを搭載しています。子供には判らない内容なのに敢えて本格的な回路構成です。どれだけ真剣に電子ブロックを開発したのか、今になってわかりました。 

後のST-100では「レコードプレーヤーアンプ」は姿を消しています。メーカー側も子供の実験教材として無理があると判断したものと思います。また、SR-3Aは用途別のアンプですがST-100からは方式別のアンプとなり、電子玩具から電子教材へと変遷しています。

3.フラットな特性のアンプ

折角なのでチューナーやDACを接続して電子ブロックの素の音質を確認してみます。簡易イコライザーを外してフラットな周波数特性のアンプに組みなおします。

(1)RIAA補正(イコライザーあり)

RIAA補正(イコライザーあり)の基板

比較参考するためRIAA補正のあるレコードプレーヤーアンプを電子ブロックで組んだ基板の様子です。 SR-3Aにはピンジャックの部品もないため自作しました。

(2)フラットな特性(イコライザーなし) 

フラットな特性(イコライザーなし) の基板

DACやチューナーを接続するために、RIAA補正回路を外してフラットな特性のアンプに組みなおした様子です。

(3)ヒアリング

ヒアリング風景

・RIAA補正(イコライザーあり)

中低音がまったく出ない、ハイ上がりの音です。高音が耳について聞きづらい音です。当然ですが。

・フラットな特性(イコライザーなし) 

初段のトランジスタまわりの抵抗を変えて一番歪の少ない回路にしてみました。  

(条件) 

DAC(Topping DX3pro)から電子ブロックへの出力は-28dB 

初段の帰還抵抗は6.8kΩ

ベースとアース間は16.8kΩから47kΩへ変更

エミッタとアース間は10Ωから330Ωへ変更

中間トランスは反転させて出力段の利得を下げています 

2Wayスピーカーは8cmウーファー、2cmソフトドームツィーターでバスレフ構造

この条件で基板×2セットによるステレオでのヒアリングとします。

低音が全くでないハイ上がりの音がします。音がやせて聞こえ、洞窟に入ったようなエコー感があります。ハイ上がりの影響なのかノイズ感があります。

思っていたよりずっと音が悪いです。想像以上に良くないので原因がないか思案しました。

各部の定数を改めて見直してみます。初段トランジスタの出力側カップリングコンデンサは30μF、ボリュームの出力側には10μFです。しかし、ピンジャクからのカップリングコンデンサは0.05μFです。入口のカップリングコンデンサ0.05μFで低域を大幅にカットしてるのが原因です。

・カップリングコンデンサ 0.05μFから1μFへ変更

0.05μFを1μFに交換した様子
セラミックコンデンサ0.05μFを1μFのオーディオ用電解コンデンサに交換します。実装は電解コンデンサの足を直接基板に刺します。

明らかに中低音が大幅に増えて音のバランスが良くなります。奥行は深く定位も良好です。ノイズ感はなく、小型スピーカーによる音楽鑑賞でも十分なパワーがあります。気持ちよく音楽を聴くことが出来る音です。DACとの接続ですがクリアでハイスピードの音はでません。あくまで、ほどほどの帯域でバランスよく聴かせるアンプです。

不思議なのですが、このフラットアンプは昔のラジカセの音がします。何故かなつかしく、ほっとする音がします。 

・参考:回路定数変更一覧表 

回路定数変更一覧表
 4.まとめ 

SR‑3Aが発売された当時、電子技術は明るい未来を切り開く力を持つと誰もが信じていました。

テレビをつければ、漫画は鉄腕アトム、エイトマン、スーパージェッター、宇宙少年ソラン、海外ドラマは宇宙大作戦(スタートレック)、宇宙家族ロビンソン、サンダーバード、原子力潜水艦シービュー号、世相的には大阪万博、アポロ11号など未来科学や夢満載の環境でした。子供の私には、その未来の技術と夢の一部を電子ブロックに見たのかもしれません。自分が手にすることができる未来の技術と夢です。

オーディオ文化が成熟期を迎えた時代でもあり、電子ブロックに「3石レコードプレーヤーアンプ」が組み込まれたのは、技術者自身の情熱と時代の希望が重なった結果だったのでしょう。子供向け教材でありながら、本物の回路をそのまま縮小して渡そうとした――そんな自由と夢が許された時代でした。

電子ブロックは、未来を信じていた時代の空気そのものです。50年越しに理解できたのは、回路の仕組みではなく、 あの頃の日本が抱いていた“技術への憧れ”だったのかもしれません。 

5.電解コンデンサ・ブロックの作成 2026.7.13

カップリングコンデンサ1μFは電解コンデンサの足を基板に直接刺しています。見栄えが悪いので、ジャンクの余剰ブロックを使い作成してみました。

作成した1μF電解コンデンサ・ブロック
上の写真のように出来上がりました。

作成した1μFを基板に実装した様子

基板に1μFを実装するとスッキリした配線になります。1μF電解コンデンサ・ブロックは昔からあったような顔をして鎮座しています。 

6.50年越しのヒアリング 2026.7.17

クリスタルカートリッジが入手できました。これで電子ブロックでレコードが聞くことが出来ます。

クリスタルカートリッジNC-202

ナガオカ(長岡精機宝石工業株式会社)のNC-202を使用します。 リード線をカートリッジ側のコネクタに変更して、専用マウンタでカートリッジをシェルに取り付けました。

NC-202でレコードを聴く
クリスタルカートリッジはセラミックカートリッジに比べ繊細な音質で出力もやや高めです。電子ブロックで聴くレコードの音が楽しみです。

クリスタルカートリッジでヒアリング
・0.05μF+付属スピーカー

カップリングコンデンサはオリジナルの0.05μFと付属スピーカーでヒアリングします。

付属スピーカーは箱に入っていないため、音の厚みが出ずにハイあがりの音です。低音はてでいます。何かエコーのような響きがあり音の奥行を感じさせます。この音は電子ブロックのラジオに通じ同じ音がします。 

・1μF+付属スピーカー

明らかに中低音に厚みが増して、音の重心が下がります。しかし、まだ高域よりの音であることに変わりはありません。何かエコーのような響きがあり音の奥行を感じさせます。全体の音がマイルドになっています。1μFのほうが音のバランスが良くなります。

・0.05μF+2Wayスピーカー 

ハイあがりの音ですが高域の音の抜けが良く開放感があります。それなりに中低音も出ています。エコーのような響きは少ないですが奥行は良好です。

・1μF+2Wayスピーカー
高域があざやかな音質です。やや高域よりのバランスですが中低音もでています。 奥行もでています。1μFのほうが音のバランスが良くなります。

ノイズですが、レコードプレーヤーのモーターや電源ノイズなどが混入します。そのため、各基盤からアースをとって対策したところ良好になりました。 

0.05μF+付属スピーカーによるレコード音は電子ブロックのラジオの音と同じだったんです。「そうか、こんな音がしたんだ」が感想です。当時、レコードの音聴いていも違和感なかったかと思います。1μFを入れて音質を良くしてみましたが、電子ブロックは音質じゃなかったです。自分で作った回路の音が聞きたかったんだと気が付きました。

・参考(規格 :ナガオカ ステレオ クリスタルカートリッジNC-202 )

エレメント:クリスタル

周波数範囲:40~15,000c/s

感度:0.8V(1000c/s50mm/sec)

セパレーション:15dB(1000c/s)

チャンネルバランス:3dB(1000c/s)

コンプライアンス:0.7×10^-6cm/dyne

負荷抵抗:1~2MΩ

針圧:6gr

針先:ST.LP-0.7mil SP-3.0mil

取付寸法: EIA.JIS

2024/11/04

後編:電子ブロックSRとFMステレオパーツ

電子ブロックSRとFMステレオパーツの紹介です。前回はFMラジオ用IC TDA7000をチューナーブロックに組み込んでFMパーツを製作しました。しかし、FMラジオはモノラルです。FM放送はやはりステレオで聞きたいです。今回は電子ブロックSRと組み合わせて使えるFMステレオパーツを製作します。子供のころは夢だった電子ブロックSRによるFMステレオ放送の再生です。

FMラジオ用IC TDA7000:Amazonへのリンク 

FMラジオをステレオで聞くために、いろいろ検討しましたがアナログ回路の小型化が難しく自作を諦めてDSPラジオ・キットを組み込むことにしました。候補としては、上の写真のEQKIT(左側)とHEX3653(右側)のDSP FMラジオ・キットの2つです。

 DSPラジオ・キットHEX3653:Amazonへのリンク

この2つのキットのプリント基板の大きさなら電子ブロックSRの電池ブロックに搭載できるかもしれません。プリント基板の大きさを比較すると、EQKIT(左側)は縦30mm×横55mm、HEX3653(右側)縦28mm×横55mmの大きさいです。電池ブロックは、縦26mm×横58mmなので入りません。プリント基板のパターンを見るとEQKITはプリント基板の隅までギッシリ配線していますが、HEX3653は数ミリの余裕があります。

HEX3653のプリント基板をヤスリで削って実装できるか試してみます。限界まで削ったところ、ギリギリ電池ブロックの一番奥に実装できるようになりました。

電池ブロックに穴あけをします。タクトスイッチ用の穴あけです。HEX3653のタクトスイッチのボタンは5mmの高さがありプリント基板を奥に実装できれば直接スイッチを押すことでができます。プリント基板を固定するためのネジ穴を2つ確保しました。

電池ブロックの上からタクトスイッチを押せるようにするため、背の高い部品(イヤホンジャック、電解コンデンサ、トランジスタ、セレクタピン)はプリント基板の表面には実装しません。また、発光ダイオードを小型のものに変更しました。

プリント基板の裏面には、イヤホンジャック、電解コンデンサ、トランジスタ、セレクタピンを実装します。この状態で電池をつなぎイヤホンで動作確認をします。やや受信感度が弱いですが動作は良好でした。

電池ブロックにプリント基板を入れて配線します。 電子ブロックなので006P(9V)で動作するように3.3Vの簡単な定電圧回路(ツェナーダイードと抵抗)を組み込みます。参考までに、このラジオ基板は、1.8V~3.6V、26mAで動作します。 

完成したFMステレオパーツです。

完成したFMステレオパーツをクリスタルイヤホンで試聴します。電源をONするとホワイトノイズが聞こえます。SEEKボタンを押すとチッチッ・・・と選局する音が聞こえます。FM放送の受信も良好で動作も安定しています。外部アンテナを接続しましたが300Ωより75Ωの方が受信感度が高かったです。

FMステレオパーツと電子ブロックのアンプを接続するとラジオが受信できたり出来なかったりと状態が不安定になります。FMステレオパーツのアンテナ線材をスズメッキ線で最短ルートに変更することでて受信状態が改善しました。

FMステレオパーツのセパレーションを測定してみました。セパレーションは約10dBほどです。

次にFMステレオパーツでスピーカーを正常に鳴らす方法を2つご紹介します。HEX3653のインピーダンスは32Ωイヤホン用です。スピーカー(8Ω)を接続すれば小出力で鳴らすことができます。しかし32Ω定格に8Ω接続では4倍の電流が流れるため無理があり故障の原因になります。そのため、下記の2つのどちらかで対策する必要があります。

【接続方法①】FMステレオパーツの出力端子に68Ωを入れる方法です。HEX3653のインピーダンス32Ωより高い抵抗値ですが、この抵抗値以上でないとFMステレオパーツの電源がON/OFF出来ません。定電圧回路を組み込んだことが原因かと思います。低インピーダンス8Ωのスピーカー接続ありと接続なしによる消費電流の変動で給電電圧が動作範囲を超えたためです。

上の写真は、出力端子に68Ωを組み込んだ様子です。

上の写真は改良したFMステレオパーツに電子ブロックの8Ωスピーカーを接続した様子です。定格より低い8Ωスピーカーの接続や出力端子がショートしても故障することはありません。音はやや小さくなりますが十分な音量です。

 

【接続方法②】FMステレオパーツの出力をアンプに接続してスピーカーで聞く方法です。アンプ入力側でインピーダンスを整合させます。FMステレオパーツの出力端子に68Ωがなくても正常に動作します。今回は電子ブロックSRのレコードプレーヤー・スピーカー式アンプを2セット使用します。ただし、FMステレオパーツの出力レベルが大きすぎるため、3石アンプの初段のトランジスタ回路は省略して2石アンプに回路変更します。前回のTDA7000のFMパーツに使ったアンプより高性能で出力も大きくとれます。音質が良いので2Wayスピーカーを使用しました。

 

次に左右の入力とスピーカーの極性を合わせ、音量を揃えてヒヤリングします。高域が鮮やかに伸びた透明感のある音です。奥行きもありバランスも良好です。ノイズ感はなくクリアなFM放送です。パワーがあり音に余裕が感じられます。クラッシク音楽やジャズの放送を聴きましたが鑑賞に耐えうる音です。電子ブロックSRのアンプが良い音だとは知りませんでした。音だけ聴いたら電子ブロックだとはわかりません。

我が家にある電子ブロック×3セットを生かせないかとFMステレオパーツを製作しました。小型なDSPラジオの性能に驚きを隠せません。昔のFMラジオの製作とは隔世の感があります。また、電子ブロックで良い音が出せることに50年経ってようやく気づき、いい意味で刺激の多い製作でした。今回の電子ブロックSR用のFMステレオパーツ製作が皆様の参考になれば幸いです。

2024.11.3 トランジスタ故障

電子ブロックでアンプを組みましたが、サッーとホワイトノイズが混入します。増幅はするがノイズがでる故障です。トランジスタを1個交換したら良好です。AMラジオでは気が付かないノイズだったかもしれません。

2026.1.30 前編:電子ブロックSR用FMパーツの製作(TDA7000) 

前編:電子ブロックSR用FMパーツの製作(TDA7000)では、FM用IC TDM7000によるFMラジオを製作しています。電子ブロックSRの機能を拡張する製作記事です。合わせてお読みいただければと思います。

 

部品の入手先 

FMラジオ用IC TDA7000:Amazonへのリンク

DSPラジオ・キットHEX3653:Amazonへのリンク

2024/04/27

前編:電子ブロックSR用FMパーツの製作(TDA7000)

電子ブロックSR

 電子ブロック:SR用FMパーツ製作の紹介です。当時、買ってもらった電子ブロックはSR3A(1969年発売、100回路、5,700円)で夢中になって遊んでいました。その後発売された電子ブロックにはSTシリーズやEXシリーズがあります。その中でも心が引かれたのがFM放送を受信できるFMパーツです。FMパーツは1977年頃に3,000円で発売されましたが、知らずに購入できませんでした。FMパーツは今でもたまにネットで見かけますが10,000円以上の高値で取引されています。遅まきながらFMパーツを製作して、電子ブロックSR3AでFMラジオを聞けるようにしてみました。

TDA-7000

FMパーツ製作にはSR用のアンテナブロックをケースとして利用します。ケース内にポリバリコンを入れると残りのスペース2.0cm×4.5cmにプリント基板を入れて、そこにすべての部品を実装する必要があります。そのため今回はFMパーツの核になる部品としてTDA7000を使用します。1983年頃フィリップスより発売された18pinのFMラジオチップです。1チップでFMラジオを構成でき、動作電源電圧は2.7V~10.0Vで9Vの電子ブロックとの相性もよさそうです。

FMラジオIC TDA7000:Amazonへのリンク

製作に必要な部品一式
必要な部品を揃えてみました。TDA7000×1、SR用アンテナブロック(ダイヤル付き)、プリント基板(2.0cm×4.5cm)、AM/FMポリバリコン(2連×2)、電解コンデンサー(10μF×1,220μF×1)、抵抗(22kΩ×1、10kΩ×1)、セラミックコンデンサー×13、同調コイル×1、スペーサー×1、以上になります。

完成したFMパーツ

組み立ては2時間ほどの作業で完成します。上の写真が製作したSR用FMパーツになります。TDA7000が透けて見えて映える外観に仕上がりました。部品実装はギリギリのスペースでした。

横から見たFMパーツ 端子側
プリント基板は高さ2.0cmの範囲内にうまく収まっています。

横から見たFMパーツ内部の様子
FMポリバリコンは厚みが薄いFM専用2連を使いたかったのですが、厚みのあるAM/FM2連×2です。アンテナブロックの高さと同じ厚みでしたがなんとか実装できました。
横から見たFMパーツを裏返した様子

プリント基板を装着後に配線をして完成です。

純正アンテナブロックとFMパーツ

左が製作したSR用FMパーツです。右が純正品のSR用アンテナブロック(AM)です。

FMパーツの単体試験

FMパーツ単体に電源とアンテナをつなぐとクリスタルイヤホンで正常にFM放送を聞くことができました。

2石スピーカー式アンプの説明書ページ
FMパーツを電子ブロックの2石スピーカー式アンプに組み込んでみます。

FMパーツを2石スピーカー式アンプに組み込んだ様子

FM放送を受信できているようですが、スピーカーからの雑音も大きく音も不明瞭です。ダイヤル選局も不安定です。FMパーツ単体で受信は良好なので、電子ブロックの2石アンプの回路に問題がありそうです。

回路変更の拡大写真
電子ブロックで回路変更しやすい機種はスペースの制約がないSRシリーズです。1段目のトランジスタのエミッタに10μFと1MΩを入れて改善してみます。雑音がなくなりFM放送が選局しやすくなり、クリアな音質でFM放送を聞くことができます。
バリコン調整
このFMパーツで受信できる放送局は、80.0MHz:TOKYO FM、80.7MHz:NHK-FM、81.3MHz:J-WAVE、89.7MHz:InterFM897でした。78.0MHz:bayfmがダイヤルの範囲外で受信できません。ポリバリコンのトリマでトラッキングを調整します。チューニングダイヤルを左いっぱいに回して 78.0MHz:bayfmの受信が出来るようになりました。今回のFMパーツは78.0MHz~90.0MHzまでの受信範囲をカバーすることができたようです。

FMパーツの普段使いの様子
強電界地域のアンテナはリード線でも受信は可能かと思います。我家のような電波難民地域ではリード線では雑音が大きいので、有線放送のFMアンテナを接続しています。FMパーツの性能ですが受信感度や選局も良好で音もクリアに聞こえることに驚きます。長時間ラジオを聞いていても受信周波数のドリフトもなく安定しています。ただし、チューニングはシビアで少しでもズレると雑音が多くなります。音質は電波強度とアンプの性能がそのまま音の良し悪しとして反映されます。使用環境(上の写真)ですがPCの傍に電子ブロックを置いてみましたがノイズの影響は少ないです。2石アンプの音量は夜間のFM放送リスニングにちょうど良い大きさです。昔から欲しくて心残りだったFMパーツです。自作したことで今日ようやく完結しました。古い電子ブロックSR3AはFMパーツを付加したことで新たな魅力ある製品に復活したようです。
 
2024.5.1 
mute switchを付加しました。
FMパーツにmute switchを付加
 FMパーツの横に小型スライド・スイッチを取付けます。TDA7000の1番端子と接続した10kΩ抵抗とアース間をON/OFFすることでミュート機能を制御しています。
FMパーツにmute switchを付加

ミュートONにすると局間の雑音が入らなくなり選局が快適になりました。TDA7000を搭載したFMパーツにより、電子ブロックとは思えないすばらしい性能を体感することができます。
 
2026.1.30 後編:電子ブロックSR用のFMステレオ・ラジオ
後編:電子ブロックSR用のFMステレオ・ラジオのブログ公開しました。電子ブロックSR用のDSPラジオの製作です。FMステレオを電子ブロックSRで聞くことができます。アンプ回路も見直し音質も格段に良い音になりました。後編も合わせてお読みいただければと思います。
 
部品の入手先