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2025/11/22

テクニクス EAS-8HH17Gとチャージカップルド・リニア・ディフィニション

 

今回はONKYO D-202Aのためにチャージカップルド・リニア・ディフィニション技術を組み込んだ外付けツィーターの製作です。

以前、ONKYO D-202Aのコンデンサを交換して高域の音抜けが良くなり喜んでいました。しかしフルデジタルチューナーT8+DACでFM放送を聴くと、まだ高音に物足りなさを感じます。FM放送の高域は15000Hzまでです。単にスピーカーの高域の音量不足なのでしょうか。

そこで少々強引ですが外付けツィーター追加を検討しました。スーパーツィーターの様な20kHz以上の空気感がほしいわけではありません。中高域のバランス補正が目的です。好みの音のバランスに仕上げられるか楽しみです。

ONKYO D-202Aのカタログを見ると40Hz~35000Hzと再生帯域は広いです。2.5cmのソフトドームツィーターは柔らかで繊細な高音です。もう少し華やかで見通しが良いスピード感のある音が希望です。

長期保管しているツィーターは少々古いテクニクスEAS-8HH17Gです。EAS-8HH17Gは1974年、4300円/台のツィーターです。8cm口径のホーン型になります。再生帯域は2000Hz~20000Hzです。2000Hz~10000Hzは特性がフラットで10000Hz~20000Hzはダラダラと下降しています。

事前に音色確認

ツィーターの音色やスピーカーとの相性を事前に確認します。

FM放送の音声帯域15000Hz以下という事からコンデンサは仮に1.5μFとしてクロスオーバーを設定します。コンデンサ容量は好みに合わせ調整にしてください。

音圧はD-202A:94dB、EAS-8HH17G:99dBです。本来はツィーターにアッテネーターが必要かと思いますが今回はコンデンサのみ-6dB/octです。

 D-202Aとは音質が異なるホーンツィーターなので少し不安です。ヒヤリングします。

高域がサラサラして明るい音です。D-202Aのツィーターとは全く音質が違いEAS-8HH17Gとのつながりが少し不自然で別々に鳴っているように聴こえます。やや高域よりのバランスですが気持ちよく響くので聞き疲れはありません。音にキレがあり情報量もいっきに増えています。

意外にこれで十分じゃないかと思えます。EAS-8HH17がD-202Aの高域を上書きしている感じです。高域はEAS-8HH17そのものの音ですが、思っていたよりうまく鳴ってくれたようです。

 2025.11.15 チャージカップルド・リニア・ディフィニション(Charge-Coupled Linear Definition)

外付けツィーターの音が良かったので気をよくしてもうひと工夫します。

ホーン型ツィーターとの相性が良いチャージカップルド・リニア・ディフィニションのネットワーク回路に変更します。JBLでは1990年代後半頃からハイエンド・スピーカーのネットワーク回路にチャージカップルド・リニア・ディフィニション技術を採用しています。

コンデンサにDCバイアスを加えることで逆圧電効果による雑音や歪の低減とゼロクロス歪を排除して音質の透明度と解像度を向上させるネットワーク回路技術です。(1993 JBL Model K2.S5500 Product Overviewを要約)

上の図ではバッテリー式と電池不要のセルフバイアス式の2種類のチャージカップルド・リニア・ディフィニションをネットワーク回路に組み込んでいます。コンデンサは通常の2倍の容量を直列に2個並べその中点にDCバイアスを加えます。

バッテリー式ではDCバイアスに006P 9Vアルカリ電池と抵抗2MΩを使います。電池不要のセルフバイアス式では入力信号を整流してDCバイアスを得るためダイオードと抵抗10kΩを接続します。

試作品なので2種類のチャージカップルド・リニア・ディフィニションをスイッチで切替できるようにします。JBLではダイオードに1N4935(200V、1A)を使っています。

0.33Ωの抵抗(最終的には3.3Ωに調整)は、スピーカーとツィーターの音量差を整えるために入れています。あらかじめプリント基板上に仮配置しておき、最終的な値はヒヤリングで決める予定です。また、この抵抗にはレベル調整だけでなく、ネットワークのダンピングを適正化し、共振点付近のQを抑えて特性をなだらかにする効果があります。さらに、CCLDの動作とのバランスを取る役割も持っています。

※参考1:JBLのスピーカー機種名 ①バッテリー式は、K2 S5500、S3100mkⅡ、4348、4344mkⅡ、K2-S9800、DD66000、②セルフバイアス式は、4367,DD67000などです。

※参考2:チャージカップルド・リニア・ディフィニションとは関係ありませんが、バイパスコンデンサ0.01μFは高域の補正を行いレスポンスや透明感を改善します。

 1N4935(200V、1A):Amazonヘのリンク

上の写真が試作したネットワーク回路基板です。コンデンサには250V以上のESRの低いフィルムコンデンサが適しています。コンデンサは最終的に400V 3.2μF(2.2μF+1.0μF)で製作しました。(注:直列に入れる抵抗は実装前の状態)

ダイオードには耐電圧、耐電流以外に順方向電圧(VF)や漏れ電流(IR)が小さいファーストリカバリーダイオードが適している様です。

JBLはバッテリーにアルカリ電池006P 9Vを使用しています。抵抗2MΩにより約1μA(実測)の消費電流に抑制しています。電池は4年〜5年(1993 JBL Model K2.S5500 Product Overviewから抜粋)は使えるとのことです。バッテリー種別は内部抵抗が低いほどDCバイアス電源の安定性に優れていると推測します。

試作品なのでコンデンサを交換しやすいようにネットワーク回路基板は外付けにしました。2種類のチャージカップルド・リニア・ディフィニションはプリント基板のスライドスイッチで切替できます。2種類のチャージカップルド・リニア・ディフィニション搭載のツィーターをヒヤリングします。

① バッテリー式(アルカリ電池):チャージカップルド・リニア・ディフィニションをONにすると高音の伸び(広がり)と音の透明感が増します。音に広がりや繊細なニュアンアスを聴くことが出来ます。スピーカーが本来持っている音質はかわりませんが、チャージカップルド・リニア・ディフィニションによる微細信号の広がりの効果がはっきりと感じられました。

②セルフバイアス式(1N4935):バッテリー式よりは音質への効果は穏やかに効く感じです。バッテリー式の方が解像度や透明感があります。バッテリー式の後に聞くと少し音の粒子が丸くなったように聴こえます。

どちらの音質が優劣なのかは決められません。音の好みにより2つの方式から選択すべきかと思います。今回はセルブバイアス式の方が音の全体のバランスが取れて好ましいです。

チャージカップルド・リニア・ディフィニションの簡単な回路で本当に効果があることに驚きます。2種類の方式それぞれに音の性質に違いがあります。本来はチャージカップルド・リニア・ディフィニションの音を含めた設計が必要なのでしょう。コストはかかりますが十分な恩恵があります。

EAS-8HH17GはD-202Aの外付けツィーターとして十分満足できる音です。

しかし音の好みがあるので万人向けではありません。

チャージカップルド・リニア・ディフィニション技術を組み込んだツィーターのヒヤリングは興味深い体験です。コンデンサのゼロクロス歪を排除してパッシブ・スピーカーの音質向上を目指した着眼点がすばらしいです。

音を決める要因全体から見れば影響は限定的ですが音質向上への確かな選択肢の一つです。ハイエンド・スピーカー以外のホームユース向けにも採用して欲しい技術です。

今回は高域に特化しましたが中低域にも効果があります。チャージカップルド・リニア・ディフィニション・ネットワーク回路の製作はスピーカー自作派にはお勧めです。

JBLのスピーカー技術の片鱗を感じるツィーターになりました。若い頃に聴こえていた音が蘇ります。

部品の入手先 

 1N4935(200V、1A):Amazonヘのリンク 

2026.1.8  測定と主観評価

チャージカップルド・リニア・ディフィニションのクロスオーバ歪などの測定データがほしいと思われることでしょう。本方式の効果は、コンデンサ誘電体の非線形やゼロクロス近傍の挙動といった微小信号領域に関わるもので、一般的なオシロスコープによる波形観測では差異を確認することは困難です。実際にオシロスコープで観測しましたが違いはわかりませんでした。 測定できるとしても THD/IMD −80 dB 以下です。聴くとわかるが測りにくい領域での話になります。そのため、今回の内容については主観のみの評価とさせていただきました。

2026.1.31 あとがき

このあとがきは、ブログを読み直しているうちに、ふと思い出したことです。

ツイーターを眺めているうちに、このツイーターには、まだ引き出されていない潜在能力があるのではないか、という気がしてきました。

外付けツイーターとして使うだけでは、結局のところ過去の焼き直しです。何とかして、このツイーターの能力を引き出せないものかと考えていました。

そんな折、オーディオ雑誌のリスニングルームの写真を眺めていると、大型スピーカーの上に、細長い乾電池のようなものが載っているのが目に入りました。

瞬間的に、JBL の CCLD(チャージカップルド・リニア・ディフィニション)を用いたネットワークではないかと思いました。これがひとつのヒントになりました。

テクニクスのツイーターを CCLD で鳴らしたら、どうなるのだろうか。

そう考え、技術資料や回路図を調べ尽くしたうえで製作に取りかかりました。

それが、このブログです。

2026.2.4   再調整

文中に、ツィーターとコンデンサの構成でのヒヤリングを事前の音色確認との項目名と一文を追記しました。

また、CCLD回路図で当初0.33Ωの抵抗は、最終的に3.3Ωに調整した旨と抵抗の役割を文中に追記しました。

2026.2.13  前提条件

ブログを読み返して実験の前提条件が抜けていましたので追記しました。

①再生機器

メディアプレーヤーはJPLAY FEMTOとAudirvana Origin(またはupplay)をDLNAコントロールポイントとしてKS(Kernel Streaming)で動作させています。ここで注意する点はJPLAY FEMTOをASIOで動作させてもCCLDの効果は感じられませんでした。KS(Kernel Streaming)での動作のときのみCCLDの効果を感じます。CCLDの効果を得るためにはジッタの少ない純度の高い条件で動作する構成が不可欠です。

②音源

何を聴いてもCCLDの効果を感じられるわけではありません。今回は八神純子さんの「もう忘れましょう」などのスローで音の粒子が多く広がるように感じる楽曲を使用しています。CCLDの効果が判りやすい楽曲です。

③事前確認 

 ONKYO D-202A(ソフトドームツィーター)とテクニクスEAS-8HH17(ホーンツィーター)は、通常あり得ない異なる構造のツィーター同士の組み合わせです。オーディオのセオリーを敢えて無視しています。この組み合わせの目的はホーンツィーターからのみCCLDが影響する音の粒子(空気感のつたない音の表現です)が感じられるかを確認するためです。CCLD導入後の音質評価の元の音になります。ソフトドームツィーターではCCLDなどの微細信号は出にくく、CCLDの微小で繊細な音が出るのがホーンツィーターです。CCLDのテストにはホーンツィーターにだけに着目すれば良いスピーカー構成としています。

④CCLD導入の効果

CCLD 導入効果の確認においては、音そのものの良し悪しを評価対象にはしていません。

私の聴覚上の解釈では、音の粒子(微細信号)の不揃いが均一化される(ザラつきの軽減)、粒子の細分化、背景(空間の雰囲気)の明瞭化、そして粒子の広がりが感じられます。
これらが揃うことで、音楽の伝わり方に独特の快感を覚えます。
あくまで主観的な評価ですので、最終的な判断はご自身で行ってください。
以上が本実験における前提条件です。

ヒヤリングの難易度が高い作業であり、音の入口から出口まで繊細な情報を失わないよう、システム全体の構築には十分な注意を払うことをお勧めします。

CCLD は単なるネットワーク技術ではなく、微細信号を救い出すための JBL の“狂気に満ちた執念”が生んだ開発・製品化であることをご理解いただければ幸いです。

最後に、この実験は、アナログオーディオが持つ空気感や場の雰囲気を、デジタルオーディオの世界でも再現することを目指したものです。
CCLD は本来アナログオーディオで用いられる技術ですが、今回はそれをデジタル再生に応用するための試行錯誤の記録でもあります。

本稿の内容は、再現性や普遍性を保証するものではありません。
自作オーディオは自己責任で行ってください。 

関連ブログ 

ヘッドホン・ジャック専用パッシブ・スピーカーの製作(JBL CCLDの世界) 

Topping DX3Pro(推奨値とは異なる実装の改善) 

音の粒子の世界を別のアプローチで実現したブログです。
あわせて参考にしていただければ幸いです。

2024/12/01

ヘッドホン・ジャック専用パッシブ・スピーカーの製作(JBL CCLDの世界)

1980年頃、夜間に小音量で音楽を楽しむためのマイクロスピーカーが密かなブームでした。代表的なスピーカーにはテクニクス:SB-F01やLo-D:HS-01などがあります。当時、深夜のFM放送ジェット・ストリームを聴くのにピッタリの製品でした。

今回は、YUPITERU:SP-5Hのジャンク品を入手しました。このマイクロスピーカーを流用してテクニクス:SB-F01風の音に改造してみたいと思います。

上の写真のYUPITERU:SP-5Hは形状やスペックが全く同じであることからLo-D:HS-01のOEM製品(たぶん1981年、10,000円の製品)ではないかと思います。ジャンク品は故障していて左右スピーカーからの音は出ませんでした。

上の写真が分解した様子です。出力3Wのフルレンジ50mm口径のスピーカーが目を引きます。22Ωのハイインピーダンスはイヤホンジャックのインピーダンスに合わせるためです。スピーカーBOXは鉄製の枠組みでスピーカーを防磁しています。スピーカーBOXはアルミ製の丈夫な作りで幅68x高さ88x奥行58mm、重量は550gと大きさの割には重たいです。

イヤホンジャック用入力の22Ω:3W、スピーカー端子入力の100Ω:70Wと2系統の入力端子を持っています。スピーカー端子の穴は小さく太いケーブルは接続できません。イヤホンジャック端子を接続するとスピーカー端子側は切断される仕組みです。

スピーカーのコイルからの銅線で編んだ引き出し線が劣化して断線しています。前オーナーさんがハンダ修理した形跡が残っています。引き出し線全体が錆びてボロボロで修理はできそうにありません。まだ使えそうなスピーカーBOXが惜しいです。3W・22Ωのスピーカーは入手不可能で代用品はありません。50mm・8Ωなら入手できますが、それでは普通のミニ・スピーカーと同じでSP-5Hの個性もなくなり改悪です。

そこでテクニクス:SB-F01をヒントにSP-5Hにヘッドホン用スピーカーを搭載してみることにしました。なお、Technics SB-F01 はヘッドホン端子からの駆動を前提としたスピーカーで、今回製作するスピーカーの構成はその系譜にあります。

BOSE QuietComforeの交換用スピーカー(中国製の正規品ではなく互換品だと思います)32Ω・20mWを使用します。このスピーカーと交換してテクニクス:SB-F01風の音になるか試してみたいと思います。

BOSE QuietComforeの交換用スピーカー:Amazonヘノリンク 

YUPITERU:SP-5Hは50mmスピーカーです。交換用スピーカーは40mmで口径補正用のバッフルが必要です。はんだ線のボビンを利用してバッフル2個を製作します。バッフルの内径は40mmよりほんのわずか小さくします。バッフルをネジとボンドで固定します。

最後にスピーカーはボンドでカチカチになるようにバッフルと接着します。半日から1日程度、ボンドが乾くのを待ちます。最後に配線すればYUPITERU:SP-5H(改)の完成です。

出来上がったスピーカーの入力対応はヘッドホン・ジャック出力のみとします。ヘッドホン用スピーカーなので最大出力は30mW程度です。アンプのスピーカー端子と接続しないのは、ちょっとしたノイズや衝撃音でスピーカーが破損するのを回避するためです。

今回はUSB DAC:Topping DX3proのヘッドホン・ジャック出力(最大1500mW)と接続してヒヤリングします。非常に繊細な音質です。一音一音の分解性能は高く中高域が美しく響きます。弦楽器の響きが特に美しいです。音の定位も明確で奥行きなどの空間表現にも優れています。当然、包み込むような低音はでませんし、音のスケール感は小さくなります。少し高音の粗さが気になります。夜間のリスニング用ニアスピーカーとしては十分な音量です。通常のスピーカーとは全く異なる音です。

本家のテクニクス:SB-F01と比較してヒヤリングしてみます。中高域がきめ細かいシルクタッチで上品な音質です。SB-F01はややおとなしいですが繊細で奥行のある音です。YUPITERU:SP-5H(改)はクリアで明るい音色で音が前面に出てきます。個人的にはSP-H5(改)の高音の伸びと透明感やメリハリのある音が好きです。陽気で元気の良いスピーカーに仕上がりました。

テクニクス:SB-F01は、いつの間にか忘れ去られた80年代のスピーカーです。「真夜中のささやき」のフレーズを思い出させるSP-5H(改)です。

ヘッドホン用スピーカーを搭載したスピーカー製作は参考になったでしょうか。高品質で小音量のニア・スピーカーは深夜に自分だけの特別な空間を提供してくれます。

2024.12.2  エージング(初期)

YUPITERU:SP-5H(改)は新品のスピーカーのためエージングが必要だった様です。高域の粗さがとれて優しくきめ細かい高音に変化しました。

2025.1.25  エージング(長期)

YUPITERU:SP-5H(改)は、使い込んでみると想像以上に良いスピーカーです。独特のクリアで澄み切った音は夜間のリスニングには欠かせないアイテムとなりました。 

2026.1.31 最後に

今回の製作ではヘンドホン用ユニットを使うなんて乱暴なことをすると思った方もいたかと思います。ブログに登場するテクニクス:SB-F01がまさにヘンドホン用ユニットを採用した製品です。また、SB-F01は商業的には成功した製品ではありませんが、オーディオ評論家の瀬川冬樹氏が使用していたことで知られています。このブログは、その前例を参考に製作したスピーカーの再現です。

2026.2.9  製作の意図

ニアフィールド専用スピーカーは30cm〜80cmぐらいの距離で聴くスピーカーです。低音はでませんが、立ち上がりのよい、クリアで定位の良い音が特徴です。

今回は、オープンエア型ヘッドホンの延長上にあるスピーカーを作ることです。

SB-F01はスピーカーボックスも大きく、ほんの僅かですがボックスの内容積とスピーカーとボックスの連結強度が音に影響していると感じられます。

今回のSP-5Hのボックスはより小さく内容積の空気の影響はほぼなさそうです。ボックスは分厚い金属ですから箱鳴りはありません。そして、スピーカーとボックスは高硬度のボンドで完全に固定することで余分な振動を排除します。これらのことは、ヘッドホンの製作と同じ考え方かと思います。

そして音質は、スピーカーが持つ本来の個性がダイレクトに伝わる構成となります。

以上、ニアフィールド専用スピーカーをどんな考え方で製作したをご説明させて頂きました。

2026.2.14  JBL CCLDの世界

このニアスピーカーの製作には、JBL CCLDに通じる目的があります。音の粒子の世界をスピーカーで実現することです。JPLAY FEMTOをKS(Kernel Streaming)で動作させて、USB DACからイヤホンやヘッドホンで聴くと音の粒子の世界を聴くことができます。このニアスピーカーはUSB DACに直接接続して音の粒子の世界を再生することを目的としたスピーカーです。

関連ブログ 

テクニクス EAS-8HH17Gとチャージカップルド・リニア・ディフィニション

Topping DX3Pro(推奨値とは異なる実装の改善)  

関連するブログ記事として参考にしてください。

2024/07/12

ONKYO D-202A ネットワーク用コンデンサー交換

ONKYO D-202A のネットワーク用コンデンサー交換の紹介です。1975年、1本32,000円の製品です。スピーカーのサイドエッジを交換して使っています。毎日、音楽を聴いていますが最近は今一つもの足りない音に聞こえます。高音で何か詰まったように音の伸びが足りないのが不満なところです。スーパーツィーターの追加もいいですが音全体のバランスをとるのが難しいです。ほんの僅か高音が欲しいだけですから余計に難しいです。そのため現状のスピーカーに手を加える方が早道だと思います。

 左:D-202Aのコンデンサ、右:PARC 4.7μF

ネットワーク用コンデンサーをPARC Audio 4.7μF/400Vのフィルムコンデンサーに交換することにします。PARC Audioは、愛知県にある(株)ドリームリクエーションのブランドです。スピーカー関係を主に製造、販売しているようです。黄色い 4.7μF/400Vのフィルムコンデンサーです。ホームページには「高品位な金属蒸着ポリプロピレンを採用したフィルムコンデンサー。しっかりとケースに封入固定をしており、クセの少ない素直な音色を実現しています」と掲載されています。外形サイズは、幅= 38mm、高さ= 28mm、奥行= 18mm、リード間隔= 31mmとかなり大きいです。

PARC Audio 4.7μF/400V:Amazonへのリンク 

早速、作業にかかります。ウーファーを取り外すと奥にネットワーク用のプリント基板が見えます。 作業しやすようにツィーターも取り外します。

ネットワークのプリント基板はプラスチックのスペーサー3か所で固定されます。プラスチックのスペーサの小さな爪をラジオペンチで抑えながらプリント基板を引っ張ると抜くことが出来ます。
ネットワークにつながる配線は短いのでスピーカー端子のナットを取り外します。ナットを内側から固定してスピーカー端子を回せば簡単に取り外せます。
ネットワーク基板には、コイル、コンデンサー、抵抗だけの簡単なものです。コンデンサーはブチルゴムが巻かれて防振対策しています。配線も同様に防振テープが巻かれて線鳴きを防止しています。今回はフィルムコンデンサーの交換だけです。コイル交換も考えましたがコストと効果を考えて今回は見送りです。フィルムコンデンサー×2個で1300円ぐらいなら手軽に交換できます。
右側の黄色いPARC Audio 4.7μF/400Vのフィルムコンデンサーに交換します。左の青いフィルムコンデンサーのどこを金属棒で叩いてもカチッと音がして空洞はなく中が充填されています。PARCを同様に金属棒で叩くと両側面と上面はカチッと音がしますが、前面と背面は鈍くポコッと音が違います。コンデンサー内部に一部空洞があるようです。コンデンサーの防振対策が弱いのかもしれません。同じPARC Audioで黒いフィルムコンデンサーは2重構造で防振対策してあるそうです。価格は2倍なのでどちらがいいか迷うところです。少なくとも黄色いフィルムコンデンサーはブチルゴムで防振対策する必要がありそうです。
取り外したフィルムコンデンサーの容量を測定してみます。4.7μFのところが4.9μFです。左右とも4.9μFです。経年劣化はないようです。

ネットワーク用のプリント基板には穴がたくさんあるのでコンデンサの大きさにあった位置で配線することができます。フィルムコンデンサーの底面はボンドで固定しました。後でコンデンサー全体をブチルゴムで防振対策をする予定です。

プリント基板をもとの位置に戻しスペーサーに固定します。次にスピーカー端子のボルトとナットでネットワークの配線と接続します。最後にツイーターとウーファーを配線すれば終了です。

フィルムコンデンサーの交換作業は2時間もかかりません。部品代も安くお手軽なアップグレードかと思います。ヒヤリングします。フィルムコンデンサーの交換により高域がスッーと音が伸びるのがハッキリわります。最初は高音の粗さが少し気になりますが、しばらく聞いていると高音の暴れがなくなり落ち着きます。音全体の見晴らしが良くなりました。当初の目的は達成できたようです。オリジナルの音質を大幅に変更することもなく導入しやすいアップグレードかと思います。オーディオはほどほどで留めることが出来れば、苦労せずに楽しむことができると年齢を重ねてから知りました。

2023/11/11

ONKYO オンキョー D-202A(エッジの修理)

 

ONKYO オンキョー D-202Aの紹介です。1975年、1本32,000円の製品です。2台目ですが中古品のジャンクを購入しました。皆さんの修理実績を参考に復活させたいと思います。

中古品なので、上の写真のようにエッジが経年劣化でボロボロです。エッジを修理します。
上の写真の道具でエッジを張り替えます。Amazonで速乾ボンド、コスメティックスポイト 注射器型、6.5インチ スピーカーエッジ(2個)を購入します。

六角ボルトを外して、スピーカーを横に寝せてウーハーを取り出します。

スピーカーの後からボルトが出ているため、ガムテープの上にスピーカーを乗せます。スピーカーが真上を向いて作業がやり易いです。

カッターでエッジの外側をカットしてフレームから切り離します。

手でエッジを慎重に剥がします。
スピーカーコーンの裏に7〜8mmのエッジが残ります。劣化してボロボロなので私は爪で剥がしました。
スピーカーコーンからエッジを剥がし終わった状態です。
次にウーハーのコーン周りに残ったボンドを剥がします。最後に金属フレームのエッジを剥がして終了です。
新しいエッジを現物合わせしてみます。エッジの外側が1mm程度フレームからはみ出します。このまま作業すると、接着面が浮いたり、エッジが変形して音への影響があります。
ハサミでエッジの外側を1mm程度切りとり金属フレームにあわせます。切りすぎると接着面が狭くなってしまうので注意が必要です。
いよいよ接着ボンドの出番です。ウーハーコーンの裏側のエッジとの接触面にボンドを塗ります。次にエッジをはめ込みます。エッジとウーハーの位置を確認しながら接着させます。少し乾かすとウーハーとエッジの接合面にスキマが出来てきます。上の写真の様に接着剤でスキマを埋めて補強します。接着剤が乾かないうちに次の作業を進めると中心がズレるので翌日に修理を再開します。
上の写真は翌日のスピーカーです。まだ、接着剤に白い箇所が見られますが作業できる程度には乾いた模様です。金属フレームとエッジを接着します。
接着してから2日間程寝かせると、ボンドが乾いて透明になります。ボンドが乾いたらスピーカーをエンクロージャーに戻して完成です。

ヒヤリングします。鳴らし始めは低音はでないため違和感があります。エージングが進むにつれて音のバランスが復活します。最低でも2〜3日はエージングした方が良いです。D202Aはサイズからは想像できない量感と奥行のある音を聴かせてくれます。ソフトドームツィーターにより高音を品良く色付けしてくれます。未だに人気のある名機であることがわかります。ボーカルなどがグッと全面に出てくる特徴があるスピーカーです。しかし少し出過ぎのようにも感じられます。また表現が適切かわかりませんが、ヨーロッパなどのスピーカーと聴き比べると音を強引に聞かせる様な少し泥臭さが感じられます。スピーカーの品格とも言える音作り対する感覚です。しかし、豊かな音楽を聴かせてくれる名品であることには変わりません。2台目のD202Aも永く愛用する事になると思います。
 
部品の入手先