2023/11/11

ONKYO オンキョー D-202A

 

ONKYO オンキョー D-202Aの紹介です。1975年、1本32,000円の製品です。2台目ですが中古品のジャンクを購入しました。皆さんの修理実績を参考に復活させたいと思います。

中古品なので、上の写真のようにエッジが経年劣化でボロボロです。エッジを修理します。
上の写真の道具でエッジを張り替えます。Amazonでボンド335円、コスメティックスポイト 注射器型310円、スピーカーエッジ(2個)632円を購入します。

六角ボルトを外して、スピーカーを横に寝せてウーハーを取り出します。

スピーカーの後からボルトが出ているため、ガムテープの上にスピーカーを乗せます。スピーカーが真上を向いて作業がやり易いです。

カッターでエッジの外側をカットしてフレームから切り離します。

手でエッジを慎重に剥がします。
スピーカーコーンの裏に7〜8mmのエッジが残ります。劣化してボロボロなので私は爪で剥がしました。
スピーカーコーンからエッジを剥がし終わった状態です。
次にウーハーのコーン周りに残ったボンドを剥がします。最後に金属フレームのエッジを剥がして終了です。
新しいエッジを現物合わせしてみます。エッジの外側が1mm程度フレームからはみ出します。このまま作業すると、接着面が浮いたり、エッジが変形して音への影響があります。
ハサミでエッジの外側を1mm程度切りとり金属フレームにあわせます。切りすぎると接着面が狭くなってしまうので注意が必要です。
いよいよ接着ボンドの出番です。ウーハーコーンの裏側のエッジとの接触面にボンドを塗ります。次にエッジをはめ込みます。エッジとウーハーの位置を確認しながら接着させます。少し乾かすとウーハーとエッジの接合面にスキマが出来てきます。上の写真の様に接着剤でスキマを埋めて補強します。接着剤が乾かないうちに次の作業を進めると中心がズレるので翌日に修理を再開します。
上の写真は翌日のスピーカーです。まだ、接着剤に白い箇所が見られますが作業できる程度には乾いた模様です。金属フレームとエッジを接着します。
接着してから2日間程寝かせると、ボンドが乾いて透明になります。ボンドが乾いたらスピーカーをエンクロージャーに戻して完成です。

ヒヤリングします。鳴らし始めは低音はでないため違和感があります。エージングが進むにつれて音のバランスが復活します。最低でも2〜3日はエージングした方が良いです。D202Aはサイズからは想像できない量感と奥行のある音を聴かせてくれます。ソフトドームツィーターにより高音を品良く色付けしてくれます。未だに人気のある名機であることがわかります。ボーカルなどがグッと全面に出てくる特徴があるスピーカーです。しかし少し出過ぎのようにも感じられます。また表現が適切かわかりませんが、ヨーロッパなどのスピーカーと聴き比べると音を強引に聞かせる様な少し泥臭さが感じられます。スピーカーの品格とも言える音作り対する感覚です。しかし、豊かな音楽を聴かせてくれる名品であることには変わりません。2台目のD202Aも永く愛用する事になると思います。