VICTOR ビクター JA-S31 プリメインアンプの紹介です。 1975年、39,800円の製品です。当時、非常に人気があったJAシリーズのアンプです。パネルデザインを見ただけでビクターのアンプだとわかります。この当時のアンプは今ではあり得ないほど物量が投入された作りなので永く愛用して欲しい製品です。
背面パネルの様子です。
内部を覗いてみます。大容量電解コンデンサー×2個、ヒートシンクにパワーIC×2個のシンプルな構成です。下部のプリント基板、右からEQ回路、パワーアンプ、電源回路です。手前上のプリント基板はTONE回路になります。
上の写真はEQ回路です。右から左に信号が流れていく作りになっています。phonoを選択すると左右から激しいノイズが出ています。Tunerにするとノイズはありません。EQ回路の故障です。EQ回路からの出力をモニターするとLchにノイズ、Rchは正常です。
上の写真はEQ回路図の抜粋です。ノイズトレーサーで順にノイズを追っていきます。EQ回路の電解コンデンサC302からノイズがでています。Phono端子からの初段のカップリングコンデンサが不良です。C302コンデンサはオレンジ色で識別できるようになっています。1箇所の故障ですがせっかくなので劣化部品はすべて交換してリニューアルします。カップリングコンデンサの交換部品にはニチコンのファインゴールドを使用します。
ヒヤリングしてみます。EQ回路からのノイズは綺麗になくなりました。クリアで帯域も広く優等生的なバランスの良い音です。綺麗な音ですがもう少し奥行きや深みが欲しいアンプです。但し、そこまでの音をこの価格帯のアンプに求めるのは酷かもしれません。懐かしいデザインがとても魅力的です。今でも古さを感じさせない豪華で見映えする姿です。リビングでゆったりと音楽に浸りたくなるアンプの復活です。