TOSHIBA 東芝 SX-160 レシーバーアンプの紹介です。1971年頃の製品です。主力製品の家具調ステレオ・ボストンとは別に手軽にステレオを楽しめるQMシステムセパレーツのアンプ部分になります。SX-160はレコードプレーヤとスピーカーでセットで約4~5万円の価格帯だと思います。シルバーの前面パネル上に茶色のメタリックでラインを入れた印象的なデザインです。グリーンに輝くダイヤル目盛り、統一されたツマミを整然と並べて落ち着いた雰囲気の佇まいです。低価格帯ですが完成度を感じるレシーバーです。
背面パネルの様子です。スピーカー端子がRCA、テーブ端子がDINを採用しています。RCAのスピーカーケーブルや端子は今でもAMAZONなどで入手できます。リアスピーカーはネジ端子になっています。セレクタ表示に4chの文字があるので、リアスピーカーは極性を反転させフロントを合わせて4つのスピーカーでサラウンドを楽しんでくださいとの意味かと思います。
木製のカバーを外します。底板はパーチクルボードで、その上に部品を固定する構造です。左のプリント基板は電源、パワーアンプとTONE回路、左はAM/FMチューナー回路になります。動作を確認をします。チューニング時にダイヤルが空転してダイヤル針が移動できません。ダイヤルスケールのランプ切れとFMは受信できますがノイズがひどいです。STEREOランプは点灯しません。
全体に部品の劣化が進んでいますので交換します。ランプを交換し、糸掛けは張り直して空転は解消です。次に初段FET2SK19を2SK192aに交換してノイズはなくなりました。STEREOランプはコイルの調整で点灯するようになります。
セパレーションを調整しようと思いますが、調整できそうなボリュームが見つかりません。TOSHIBAの類似製品の回路図をみますが同じようにセパレーション調整用のボリュームは見当たりません。そこでマトリクス回路の傍にあるコイル2個を回したところセパレーションが変化することに気づきました。この2個のコイルで調整します。調整により約20dB程確保することができました。
ヒヤリングします。チューニングメーターがないのでSTEREOランプが一番明るくなるところにダイヤルを調整します。選局がズレるとノイズがでやすくなります。音の帯域はやや狭く感じますがバランスは良いです。高域はやや弱く、中低音が充実しています。ラウドネスONにした状態で聴いた方が奥行や量感を感じられます。夜のパネルは照明が美しくいい雰囲気です。ネアカな音ですがバランスも良く手軽に音楽を楽しめる良いレシーバーです。