2025/07/12

ゲルマニウムラジオ用アクティブ・アンテナの製作

ゲルマニウムラジオ用アクティブ・アンテナをご紹介します。近頃はゲルマニウムラジオや鉱石ラジオを製作する機会が多くなりました。自宅は電波環境が悪く、かなりしっかりした鉱石ラジオ用のアンテナとアースが必要です。ラシオを製作するたびにアンテナとアースを用意するのが面倒なので、テスト用アクティブ・アンテナを製作してみました。

上の構成により電波の弱い地域でもゲルマニウムラジオが聞けるようにしたいと思います。 この構成は真空管時代の古典ラジオの高周波増幅+検波器の回路構成と同じ発想かもしれません。

今回は手元にあるループアンテナ(TECSUN AN-200)を使います。AN-200は場所を取らずどこでも持ち運べます。しかし自宅ではTECSUN AN-200だけでは電波が弱くゲルマニウムラジオや鉱石ラジオで受信することが出来ませんでした。

 
高周波増幅(ブースター)には「ループアンテナ100kHz-30kHz中波短波用ブースター基板」を使います。安価なキット製品ですが十分に使えそうなので早速注文します。

送られて来たブースターキットはビニール袋に上の写真の部品が入っているだけです。説明書はありません。販売ページのプリント基板の部品配置の写真を参考に組みたてます。

組み立てたプリント基板はカードケースに入れて、ループアンテナ入力にはミニジャック、ゲルマニウムラジオのアンテナへの出力にはRCA端子を付加しました。元々あるループアンテナ接続用ネジはそのまま残しておきます。

ゲルマニウムラジオには電子ブロックSRを使用し、電波強度の確認用に50μAの電流計を追加してあります。結線はAN-200とアンテナブースターをピンジャックで接続し、アンテナブースターの出力をゲルマニウムラジオのアンテナとアースにワニグチで接続します。

アンテナブースターのボリュームは最大にします。AN-200にはポリバリコンが内蔵されておりループアンテナにアンテナチューナーの機能も搭載されています。AN-200のツマミを左いっぱいでAM放送の下限、右いっぱいでAM放送の上限と想定して、受信したい放送局のおおよその位置にツマミを調整しておきます。最後にゲルマニウムラジオで放送局を受信します。受信できたらAN-200とラジオの双方で最大の音量になるように調整すれば終了です。

受信音量が最大のとき、電流計を見ると上の写真では12μAと読むことができます。弱電界地域ですが立派に受信できていることがわかります。ただし、電流計の数値が最大でもアンテナブースターでは雑音も同時に増幅されるのでラジオ放送の音が大きな時に読み取ります。電流計の振れ幅はゲルマニウムラジオの抵抗値もしくはブースターのボリュームを変更することで増減させることができるので、お住まいの電波強度に合わせて変更してください。

 

ループアンテナ用ブースターとAN-200の組合せによる簡単な工作です。弱電界地域でのゲルマニウムラジオ・テスト用アンテナとして十分な性能です。弱電界地域でゲルマニウムラジオや鉱石ラジオ、鉱石検波器などの工作を断念せざるを得なかった方には特にお勧めかと思います。