2023/10/08

データ専用USBケーブル(外部電源付)

自作したデータ専用USBケーブルの紹介です。以前よりPCオーディオで使うデータ専用USBケーブルで音質改善をやりたいと思っていました。データ専用USBケーブルは株式会社エーワイさんのオリジナル発案品(公証人役場で認証済み)です。1本3500円で販売していますが普及が容易いよう実用新案、特許等はあえて取得しないそうです。”他社様が同じ仕様のケーブルを製造販売されることは自由です”とホームページで明記しています。オーディオ・ファンには大変ありがたい会社さんです。ELSOUND(エルサウンド)という個性的なオーディオ製品も開発・販売しています。

 
上の図は通常のUSBケーブルの配線図です。PC側:Aタイプ、DAC(Topping D3)側:Bタイプで接続することを想定しています。

製作するデータ専用USBケーブルの配線図です。1番端子のVCC(電源)ケーブルを配線しないUSBケーブルを作成します。金メッキのUSBコネクタとオヤイデ電気の切売りUSBケーブルを使います。詳しい製作の仕方はオヤイデ電気のホームページに掲載されています。

オヤイデ店舗オリジナルのUSBケーブル20.-28/26(自作用切り売りケーブル)ブラックと金メッキのUSBプラグ(Aタイプ、Bタイプ)です。

上の写真は製作したデータ専用USBケーブルです。

データ専用USBケーブルをテストしますが、まさかの失敗です。あれこれ調べ、Topping D3を外部電源で使用している時は、USB端子にVCC電源と-Data+Dataが同時に流れていないとUSB-DACの入力セレクタが動作しないようです。Topping D3はデータ専用USBケーブルが使えない機器です。

上の写真はデータ専用USBケーブル用の2種類の外部電源(左側は単三×4、右側はACアダプター)です。

段々、沼にハマっていきます。Topping D3でデータ専用USBケーブルを使いDACが動作するようにケーブルを改造します。Topping D3のUSB端子にPC給電ではなく、別の外部電源をつなぐことが出来る特殊なUSBケーブルを作成します。外部電源の候補は電池およびACアダプターです。昔使っていたオーロラサウンドのバスパワープロ2みたいになってしまいました。オーロラサウンドさんはUSBの電源線が音質に影響すること知って製品化したのだと思います。

上の図は製作するデータ専用USBケーブル(外部電源付)の構成図です。

上の図はデータ専用USBケーブル(外部電源付)にUSB-DAC(Topping D3)を接続したときの配線図です。USB-DAC自身の電源スイッチON/OFFでは電流0mAです。USB-DAC用電源供給を断にすると約31mA ながれるようです。
 

①データ専用USBケーブルに電池式(6V)の外部電源を接続した場合(USB-DAC電源供給ON):電圧は約6.1V、電流0mA です。

②データ専用USBケーブルに電池式(6V)の外部電源を接続した場合(USB-DAC電源供給断):電圧は約6.1V、電流31mA です。電池による外部電源は単三×4本(6V)で約31mA流れます。約2.6日間で電池を消費する計算です。

③データ専用USBケーブルにACアダプター式(6V)の外部電源を接続した場合(USB-DAC電源供給ON):電圧は約10V、電流0mA です。
④データ専用USBケーブルにACアダプター式(6V)の外部電源を接続した場合(USB-DAC電源供給断):電圧は約10V、電流31mA です。ACアダプターを使う外部電源を用いる場合は音質の良いトランス式を使います。
 
 データ専用USBケーブル(外部電源端子付)

新しく製作した外部電源端子付のデータ専用USBケーブルのテストとヒヤリングです。3種類のUSBケーブルを比較します。
 
①ノーマルのUSBケーブル
音質の比較用に同じ材質で製作したUSBケーブルです。スペアナにはわずかな違いがでています。1kHz以下のノイズがやや大きくなっています。テスト信号の高調波2kHzもやや大きい数値がでています。音質は②、③のデータ専用ケーブルに比べ、やや霞のかかったような音がします。少し音が丸くなり1音1音が少し不明瞭になって聞こえます。
②データ専用USBケーブル(外部電源付:電池式)
スペアナを見ると1kHz以下のノイズが①、③と比べ一番小さくなっています。2kHzの高調波も①と比べて小さいです。明瞭で透明感のある音がします。1音1音が分離して美しい響きです。全体にクリアな音で高域が特に気持ちいです。USBケーブル1本で本当に音質が改善されることに驚きます。
③データ専用USBケーブル(外部電源付:ACアダプター式)
スペアナを見ると1kHz以下のノイズが①、②の中間になります。2kHzの高調波は②と同じレベルです。音質は②よりクリアさがやや後退してほんの少し丸くしたような音質です。こちらの方が音に量感が感じられます。音の印象は悪くありません。
スペアナではわずかなデータの差異で明確な違いはわかりません。しかし音を聴くとデータ専用USBケーブルは確かに効果があるようです。私の古いTopping D3でさえ違いがわかります。手持ちのDACでは、外部電源を付加しないとデータ専用USBケーブルが使用できませんでした。製作したケーブルの外部電源はないほうが音がいいはずです。純粋にデータ専用USBケーブルだけで音楽を聴ければよりクリアな音だと思います。今回は緊急避難的なケーブル試作でしたが、データ専用USBケーブルの実力を感じる事ができました。製作したデータ専用USBケーブル(外部電源:ACアダプター)は我が家のオーディオ・セットに組み込まれています。PCオーディオで音楽を聴く楽しみがまた一つ増えたようです。
 
注意:今回、ご紹介したデータ専用USBケーブル(外部電源付)の使用は自己責任にてお願いします。また、PCオーディオにはJPLAY FEMTOをカーネルストリーミング(KS)で使用、FLAC音源、DACも古い製品ですが改造してある環境でヒヤリングしています。そのため、それなりの高音質の環境でないとUSBケーブルの違いはわからないかもしれません。