2024/11/02

ライントランスの製作

オーディオ用ライントランスの製作です。近頃、ライントランスが話題になることが多くなりました。デジタル・オーディオが普及した影響でしょうか。

管球王国のVol.107 2023 WINTERでは「ライントランス ヴィンテージ/現行15種の聴き比べ」でライントランスの記事が掲載されています。

 

もう一冊は無線と実験2021年10月号の「特集:ライントランスの研究 ライントランス12種類の試聴」にライントランスの記事が掲載されています。

これらの雑誌をを読み返していたらライントランスが欲しくなります。今回はUSB DACとアンプの間にライントランスを入れることを目指して製作します。我が家のPCオーディオはそこそこの音質だと思いますが音の粒子のつぶつぶ感が気になりだしました。これがデジタル臭さでしょうか。ライントランスで音に滑らかさと艶が出せないかと期待しています。

ゼネラルトランス販売のトランス購入を検討していましたが、上の写真のジャンク・トランスを購入しました。ライントランスは流す電流が少ないので小型のものでも良いですが、入力部分なので音質を重視するとある程度の大きさは必要です。価格面とトランスの大きさから古い測定器から取り外したトランスを購入しました。かなり大型トランス(約300g×2個)なので音に余裕がありそうな気がします。

このトランスは型番や回路が不明です。インピーダンスが600Ω:60Ω:60Ω、0.2~100kHzとしかわかりません。1,2番端子から信号レベルを入力して測定したところ上図のトランス回路だとわかりました。巻線比1:1ぐらいで製作したかったのですが、このトランスでは600Ω:180Ωで製作することにします。巻線比は1:0.55なのでレベルもやや低い程度で気にならない範囲かと思います。管球王国のヒヤリング環境では一次側:150Ω、二次側:600Ωです。はからずも似通ったインピーダンスで製作することになりました。

RCA端子の右横のスペースは、将来的にセレクターを設ける予定です。一次との二次のアースは切り離してグランドループを防止します。ライントランスの機能には音質改善だけでなくノイズ対策用アイソレータとしての役割も持たせました。全ての機器が正しくアースできていれば不要とは思いますが、せっかくトランスを使用するので完全にグランドループを切断してみました。

今回はUSB DACとアンプの間にライントランスを入れてヒヤリングします。ライントランスを通してもノイズはなく良好です。ヒヤリングでは一聴して粗さがとれた滑らかで優しい音に変化します。音全体が静かになった印象です。大人しく聴こえますが、よく聴くと高域はしっかり伸びています。低域はあきらかに量感が増え音全体の重心が下がって聴こえるようになります。低域が今まで以上に心地よく押し寄せるようです。だぶつく様な聴こえ方ではなく締まった低音で地鳴りの様な音も感じられる気持ちが良い音です。音に滑らかさと艶を期待していましたが、低音の量感が増して気持ちがいい音がするという予想外の結果が得られました。トランスが大型なので低域の質が良かったのかもしれません。

雑誌やネットの音質評価を参考にしましたが、実際に聞くと音のイメージがかなり変わります。ライントランスはアナログ的な音質に変えるエフェクターです。音質はトランスの性能に依存するのでどうしても高価になります。元の音源が高音質でないとライントランスでエッジのとれたつまらない音になるリスクもあります。トランスの音と言われても通常わかりません。事前に音質を確認できないので導入には躊躇します。ライントランスは価格と音質のリターンなどの導入リスクの板挟みで悩ましいです。成功すれば ライントランスにより今までと違った音の世界を見せてくれます。

2024.10.12

ライントランスのコア(11番端子)のアース接続を忘れたので配線しました。

2024/10/20

CROWN TR-690 6石トランジスターラジオ

 

CROWN TR-690 6石トランジスターラジオの紹介です。1960年頃の製品になります。今回のラジオは動作品なので修理作業はありません。

 

このラジオはクラウンのロゴマークや装飾ガラスも残っています。スピーカーカバーやパネルに傷もなく文字消えもない良好な状態です。

 

裏蓋を外した内部の様子です。ゲルマニウムトランジスタが6石確認できます。プリント基板を固定するネジの塗料が残っているので、プリント基板は取り外したことのない状態のようです。

 

ポリバリコンはMITSUMI PVC-2Zの小型2連です。カーボン抵抗が使われているので古さを感じます。トランジスタのサビも少なく内部の状態も良好です。


横からの写真です。ダイヤルとボリュームが平行になった珍しい構造です。ダイヤルとバリコンはギアで連動させているのでしょうか。誰も触った形跡がないので取外して構造の確認は遠慮しました。

当時の取扱説明書には配線図が掲載されています。 

ラジオと配線図を比較してみると、2SA101×2(配線図)⇒2SA12×2(実装)です。

ラジオと配線図を比較してみると、2SB171(配線図)⇒2SB75(実装)です。写真はありませんが、2SA102(配線図)⇒2SA15(実装)、2SB172×2(配線図)⇒2SB77×2(実装)です。

ゲルマニウムダイオードは、配線図1N34A⇒1S80が実装されています。配線図より古いトランジスタやダイオードが使われています。ラジオと元箱の年代が異なります。ラジオ本体はトランジスタの古さから初期の貴重な製品です。

ラジオの元箱です。元箱もきれな状態です。

元箱の蓋を開けた状態です。茶色のラジオカバーは欠品です。元箱内部の梱包はオリジナルではありません。イヤホンと茶色のイヤホンケースは残っていました。

裏面の写真を忘れていました。

取扱説明書です。

以上が今回ご紹介した内容です。鮮やかな赤に装飾を施したラジオです。1960年頃のポケットラジオの雰囲気が少しでも伝わったでしょうか。

2024/09/14

TuneBrowserのUPnP動作とFLACタグ情報

TuneBrowserJPLAY FEMTOのKS(カーネルストリーミング)の組み合わせで再生出来るようになりました。しかし、FLACファイルが再生できない場合があります。TuneBrowserのUPnPでFLACファイルを正常に再生させるためのFLACタグ情報の最適化についての紹介です。TuneBrowser

2017年頃からTuneBrowserを使っています。アルバムジャケットの表示が秀逸で大容量の楽曲にも対応しているので気に入って使っていました。それ以前はWindows Media Playerのジャケット表示方法が気に入っていたので使っていました。Windows Media Playerは楽曲数が多くなると読み込み処理に時間がかかりすぎるためTuneBrowser乗り換えました。また当時のWindows Media Playerは音質面でも行き詰っていて限界だったと思います。

TuneBrowser5.6.0のUPnP動作

 

希望としてはTuneBrowserでJPLAY FEMTOのKS(カーネルストリーミング)をコントロールするのが理想です。操作感と音質面および価格面で満足できる組み合わせです。TuneBrowser5.2.0からUPnP Renderer機能を搭載するようになっています。早速試してみました。TuneBrowserでUPnP:JPLAY FEMTOを選択しますが、KS(カーネルストリーミング)での再生がNGです。MP3ファイルは一部動きますがFLACは全くダメでした。もともとの開発仕様はUPnPでDLNAではないとのことです。ダメ元でバージョンアップの度にJPLAY FEMTOとの接続を確認して徐々に動作が改善されますがNG状態が続きます。

TuneBrowser5.6.0先行版で正常に再生動作するFLACファイルのアルバムがあることに気づきました。アルバムの一つで再生は正常で完璧に動作します。一方、同じFLACファイルでも再生がNGも存在します。不具合は①読み込むが停止して再生しない、②再生しないで次の曲に次々スキップする、などの現象です。NGのFLACファイルはAudirvanaUpplayでは正常に再生できます。また、CDからリッピングしたFLACファイルもNGであることから、FLACのタグ情報に原因があるかもしれないと推測しました。対策としてMp3tagタグエディタでFLACタグを正常に修復できることがわかりました。

FLACタグ情報の最適化

FLACタグ情報を正常化させるためMp3tagによる”FLACタグ情報の最適化”の方法を紹介します。この機能はMp3tagの上部メニューには表示がありません。FLACファイルを読み込んだときだけ右クリック・メニュー表示する隠れた機能です。上の写真のようにFLACやMP3を混在して選択すると右クリックでメニュー表示しませんので注意が必要です。

 
以下の手順でFLACタグの最適化を実施します。
①Mp3tagでFLACファイルのみ読み込みます。
②最適化したいFLACファイルを選択します。
③選択したFLACファイルを右クリックします。
 上の写真のように”ユーティル(U)"がメニュー表示されます。
④ユーティル(U)を選択すると" FLACのデータ構造を最適化"が表示されるので選択します。
 
⑤"タグ情報を読込中"のダイアログが表示されます。
⑥タグ情報の読込が終わると、"タグデータの書込中"のダイアログが表示されます。
これでFLACファイルのタグ情報の最適化は完了です。TuneBrowser5.6.0とJPLAY FEMTOのKSは最適化されたFLACファイルで完璧に動作して再生します。今までの動作不良が嘘のように改善されます。
 
今回はJPLAY FEMTOのKS(カーネルストリーミング)による再生をTuneBrowser5.6.0でコントロールするときのFLACタグ情報・不具合対応についての説明でした。全てのFLACファイルが再生できない問題を解決できるとは思っていませんが、同じ不具合に悩まされている方々に参考にしていただければ幸いです。
 
2024.11.3 FLACで曲の先頭が音飛びする
音楽の再生中に曲の頭で音飛びが発生しました。連続再生で2曲目以降の全楽曲で頭から数秒間の音が飛んでしまいます。次の方法で対応できることがわかりました。" FLACのデータ構造を最適化"の後に、”フィールドすべてを保存”を実行させることで解決します。それぞれの書き込み領域で整合が必要なパラメータがあるのでしょうか?FLACタグ情報に問題があったことは確実ですが原因まではわかりませんでした。緊急措置的な音飛びの解決方法ですが参考にしてください。

2025.2.20 FLACタグに関する追加情報

FLACタグについての原因らしきものの追加情報です。全てが理解できてるわけではありませんが、説明をさせていただきます。FLACがID3v2タグで書かれていたのが原因かと思います。タグエディタMp3tagはFLACタグとしてVorbisCommentsに対応しています。Mp3tagのFLACタグの最適化機能によりID3v2タグ⇒VorbisCommentsに書き換えることが出来たようです。TuneBrowserはID3v2タグのFLACには対応していないとの結論になります。Mp3tagの開発者さんは、FLACタグが混在して使われている現状に対処するため最適化機能を付加したのだと思います。感謝しかありません。

2024/08/18

ナショナル SE-6200A(雅)

ナショナル SE-6200A 雅の紹介です。1966年、67,800円の家具調ステレオです。ステレオ電蓄とかセパレートステレオとも呼ばれています。上の写真は1967年のナショナル電化製品カタログからの抜粋です。思い出深く懐かしいステレオです。 

 

FMステレオ機能やOTL回路、MFBなど高級機らしい充実した機能を搭載した1960年代の大人のためのステレオです。

まずは背面の板を外します。左右は2wayのスピーカーです。中央には本体シャーシ、左側底板にはFMマルチ基板が配置されています。FMマルチ基板はトランジスタ式で型番は不明でした。背面の底板・角のMDFが湿気でボロボロになっています。破損が広がらないように茶色いコーキング材で仮補修します。

上部の蓋を開けるとレコードプレーヤーとAM/FMチューナー・パネルが見えます。20cmの小型ターテーブルですがLPレコードが収まる空間があります。当時はクリスタルPUで針圧は6gと高めの設定でターンテーブルは四隅のスプリングで浮かせた防振対策をする針飛び防止の構造です。チューナーパネルの右横のスペースにはLPレコードが収納できます。

 

本体シャーシは左横の4本の太いネジを外せば取り出せます。

 

 手前右4本が30MP27のOTLアンプです。奥がAMとFMのチューナー回路になります。

ハイインピーダンス・ツィーター6.5cm/250Ω/10W

 

ハイインピーダンス・ウーファー20cm/400Ω/10W

このステレオは30MP27×4のOTLアンプです。今では見られないトランスレスのハイインピーダンス・スピーカーを採用しています。SE-6200AはOTLアンプとハイインピーダンス・スピーカーの組合わせを搭載することによって高音質を目指しています。OTLアンプとトランスレスのハイインピーダンス・スピーカーを搭載した製品は他メーカーからは販売されていません(私の知る範囲では)。ナショナルの上位機種だけに採用されています。それがSE-6200Aの最大の特徴にもなっています。

もうひとつの特徴はMFB回路を採用していることです。当初、MFBスピーカーによるMFB方式と勘違いしていました。SE-6200AではOTL出力段の信号を小型トランス(上の写真の下側に2個並んだETD-24A28A)を経由して入力段へフィードバックする回路方式です。再生帯域の拡大(低音域の拡大)と歪低減の効果があるそうです。出力トランスからのフィードバック回路と同じ原理です。MFBによる音声調整はMOODスイッチのCLEAR(低音小)、NATURE(普通)、DYNAMIC(低音大)の3段階です。NF回路なので歪は常時低減された動作となります。

シャーシの裏面です。前々オーナーさんが修理に出したらしく主要な電解コンデンサとボリュームが交換されています。また、ボリュームが2連2軸から2連1軸に交換しています。劣化して同等品がなくやむ無く1軸に交換したのでしょう。バランスは調整出来ませんが実質使って問題ありませんでした。ただし、2軸用の片方のツマミがガタガタ空回りして傾いたボリュームは操作感が悪すぎます。2軸用ツマミを一体化して再実装しました。

故障修理のみで、その他の電解コンデンサやペーパーコンデンサは交換されていません。劣化の兆候が見られるので交換が必要です。

劣化部品は全て交換します。ここまで半日程度の作業で完了です。

修理後に電源を入れます。各電圧を測りますが正常です。トラッキングはズレていますがFMのステレオランプは正常に点灯します。左右のスピーカーから音が出てノイズもなく正常に動作しています。

 

30分程度、電源を入れたままにすると出力管の近く中央のブロック電解コンデンサ(写真では灰色の電解コンデンサ)が輻射でかなり熱くなります。構造的によくありません。6cm×10cmのアルミ板で製作した仕切り板を追加しました。

この状態で一度組み立て直してヒヤリングします。無調整のFM放送ですが左右に音が分離してステレオ感はあります。FM放送のチューニングがズレるとサッーとノイズが入りますので注意が必要です。豊かな中低音ですが少しこもって聞こえます。パワーは十分に余裕があり大音量で楽しむことができます。


交換前のネットワーク回路には0.1μFペーパーコンデンサ

 

交換後のネットワーク回路の0.1μFフィルムコンンデンサ

しかし、期待していた様な抜けの良い音がしません。音がこもり、やたら分厚い中低音と毛布をかぶせた様な高音です。レトロな音と言えばそれまでですがレトロすぎます。回路図を眺めているとツィーターに0.1μFのネットワーク用コンデンサが使われています。実際には0.1μFのペーパーコンデンサです。ネットワーク用としてはペーパーコンデンサは不向きなのでフィルムコンデンサと交換します。再度、ヒヤリングします。音質は激変します。澄んだ高音が聴こえるようになります。高域の影響でしょうか中低音域のダブついてこもった音がメリハリのある締まった音質に変化しました。昔、聴いたSE-6200Aの鮮やかな音が蘇ります。ネットワーク・コンデンサ0.1μFの交換は簡単で効果が高いです。 ただし、SE-6200AのOTL回路ではスピーカー端子やスピーカーフレームにも高電圧(240V~250V)がかかっていますのでAC100Vコンセントを抜いてから作業してください。

SE-6200Aはツィーターがウーファーより下に配置されています。和室で座って聴くことを想定していたのかもしれません。畳に座ってヒヤリングしてみます。上下の帯域が広がって聴こえます。やはり、畳に座った位置がベストポジションです。もしくは洋間でソファーに座ってやや離れた位置で聴くのがいいのかもしれません。OTL回路の音の特徴でしょうか。量感たっぷりの中低音にキラリと高音を添えた音が心地よく響きます。1960年代の家具調ステレオの修理は昔を思い出す懐かしい時間でした。
 
2024.8.24 追記:FMマルチ基板の改善
FMマルチ基板の劣化した電解コンデンサは全て交換しました。更にFMマルチの回路図を見ていると、使用するコンンデンサ種別が細かく指定されています。実際の基板と比較するとスチロールコンデンサがセラミックコンデンサに置き換わっています。コスト削減のためかと思います。FMマルチ基板のコンデンサを迂闊に変更するとマトリックス回路のバランスが崩れてしまいます。影響が少ないと思われるステレオ出力段のセラミックコンデンサを交換します。1000pF×2個と0.0047μF×2個を交換します。1000pF交換の影響でしょうかFM選局(Q)がシャープになりました。また、音質は薄いベールを1枚はがしたように音の透明度が向上します。
 
 2024.8.25 追記:シャーシ本体の改善

TREBLE回路の47pF×2(赤いコンデンサ)に交換

30MP27グリッドのフィルムコンデンサ0.022μF×2
 
回路図を眺めながらアンプ本体で音質向上できそうな箇所を探しました。変更箇所は高音調整のTREBLE回路の47pF×2とOTL出力管30MP27グリッドの0.022μF×2です。どちらもセラミックコンデンサなので交換します。全体的に余分な音が消え音にスピード感(キレ)が出てきます。高音のツィーターは決して刺激的ではない綺麗で優しい音です。中低音が締ったことにより高音とのバランスが良くなりました。全体にホールの様な雰囲気の音がしますがSE-6200A固有の音だと思われます。この音で物足りなければMOODスイッチをDYNAMICにすれば高音、低音が強調された少し刺激のある音質になります。TONE回路による調整よりMOODスイッチは自然な音質で味わえます。 FMステレオ放送の音は帯域こそ狭いですが中低音に厚みがあり良い雰囲気で気持ちよく音楽を聴くことができます。
 
PHONO入力のフィルムコンデンサ1μF×2
 
シールド板を外すとPHONO入力のコンデンサが見えます。回路図とは異なり1μF×2のセラミックコンデンサがカップリングとして実装されていました。セラミックコンデンサでは音が悪いのでフィルムコンデサと交換します。レコードはFMステレオより更に引き締まった良質の音がします。全体的に静寂性が増したような印象を受け音量を上げてもうるさくなりません。レコードで聴いた印象は帯域は広く余分な色付けのない音がします。交換したコンデンサの影響が音に大きく影響したのかもしれません。もう少し低域に厚みがあればよいと思います。しかし、本機はクリスタル型ピックアップでRIAAカーブを補正するPhonoイコライザーがないので無理な要求かもしれません。
 
2024.8.31 CDプレーヤーの接続
SE-6200AでCDを再生したいと思います。入力端子としてはPhono用端子を使用します。接続には3pinコネクタ ~RCAプラグのコードを作成します。SE-6200AはOTL回路入口に2MΩ可変抵抗のハイ・インピーダンスになっています。CDプレーヤーをそのまま接続しても全く問題ありません。早速、CDプレーヤーを接続して再生します。音量は良好ですが厚みのあるドンシャリ気味の音質です。SE-6200Aでは帯域の広いCDよりFMステレオ放送の方がスッキリしたバランスの良い音かもしれません。
 
2024. 9.1CDプレーヤとSE-6200Aのインピーダンス
オーディオ機器はロー出しハイ入りのインピーダンスです。CDプレーヤーにはYAMAHA CDX-390を使用しています。このCDプレーヤーの出力レベルは、RCA OUT端子がオープン状態で1kHz正弦波で925mVp-pです。RCA OUT端子に並列に1MΩの可変抵抗を取り付け(アンプの入力インピーダンスの代用)出力レベルの変化をオシロスコープで確認してみました。1MΩでも925mVp-pで変化がありません。等価回路の動作どおりCDプレーヤーの出力インピーダンスより低い入力インピーダンスでなければ出力レベルに大きな変化はないようです。入力インピーダンスが変化しても電圧は一定で変化しないので出力インピーダンスの測定は断念しました。その代わり入力インピーダンスに相当する可変抵抗を除々に下げてゆくと6.7kΩ付近から電圧レベルの低下がみられました。このことからCDプレーヤーとの接続には、アンプの入力インピーダンスが10kΩ以上あれば十分であることがわかります。当然、ハイ・インピーダンスのSE-6200Aとの接続には何の支障もないことがわかりました。CDプレーヤーとSE-6200A間のインピーダンスの影響を受けていないか心配でしたが憂慮に終わったようです。この機器の組み合わせは出力レベルや波形の乱れもなく良好な接続形態でした。

2024.9.7 エージング
SE-6200AをCD再生で長時間エージングしてみました。長期間使われていなかったのでしょうか。鳴らせば鳴らすほど音の抜けがよくなります。交換したコンデンサやスピーカーのエージングで落ち着いたのか音のバランスも整ってきました。CDプレーヤーはドンシャリぎみな音でしたが、高音のキンキンした耳障りな音は大人しく繊細に変わります。中低音がダブつい出過ぎでしたがバランス良く締まった音になります。大音量で長時間鳴らすことが必要だったようです。昔の高級ステレオは丈夫です。古い製品だとあきらめずに大事に取り扱えば今でも十分通用する音楽を聴くことが出来ます。
 
2024.12.21 グランドループ・アイソレータ
CDプレーヤーで音楽を楽しんでいますが、CDプレーヤー本体を触ると電圧を感じます。かなりビリビリするので感触が嫌いです。精神衛生的に良くないので音楽が楽しめなくなります。
そこでFX-AUDIO GI-01J グランドループ・アイソレーターをSE-6200AとCDプレーヤーの間に入れることにしました。
CDプレーヤーを触っても電圧を感じないので大丈夫です。これでSE-6200Aに関する当面の不満は解消しました。