左サイドにはスイッチ付きボリュームとイヤホン端子、DC9V外部電源端子まで付いていました。ロッド・アンテナは折りたたんでラジオの高さを10cmになんとか収めたようです。
背面には昔のラジオに多くみられたFM-AM切り替えスイッチがあります。
NATIONAL PANASONIC のブランド文字があるので海外へ輸出もしていたのでしょうか。乾電池006P(9V)を使いますが、ナショナルハイトップと自社製品を記載しているのが面白いです。電気屋さんにナショナルハイトップの006Pくださいと言えばよかったのでしょうね。最後にMADE IN JAPANが当たり前だった懐かしい文字です。
電池交換には裏蓋を開ける必要があります。バリコンの両脇にはメタルのFETが見えるので初段はFETで好感度なのでしょう。メタルのゲルマニウム・トランジスタも見えるので昔のラジオだと一目瞭然ですね。小型IFTを採用して部品を高密度に実装できるように頑張ってます。
小いさくてもダイヤル針は糸掛け構造で巧妙に動かしてます。
このラジオは故障が少ないのですが、FM-AM切り替えスイッチの接触不良で使えなくなりました。スイッチをプリント基板から取り外します。スイッチの足が12本もあるので取り外しは大変です。スイッチを分解してコンタクトスプレーを綿棒に付けて接点を磨きます。接点に汚れが固着していて、実装したままスプレーしても接触不良は治りません。修理には分解清掃が必要です。
折角なのでボリュームも保護カバーを外してコンタクトスプレーを綿棒に付けて接点を磨きます。これでボリュームのガリは解消します。
簡単な分解修理でRF-620が復活しました。古さを感じさせない軽快な操作感です。丈夫なところはさすがナショナル製品です。この時代のラジオにはそれぞれ個性があり、見て触って楽しい製品が多いから好きです。ただラジオを見て昔が懐かしいだけではありません。当時のラジオ品質の高さを今になってしみじみ感じるからです。