2023/09/04

SONY ソニー CF-1300 FM/AM カセット・テープ・レコーダー

SONY ソニー CF-1300 FM/AM カセット・テープ・レコーダー ”マイク イン チック1300”の紹介です。1970年、27,800円の製品です。SONY初のラジカセCFM-812から6ケ月遅れで発売された横置きのラジカセになります。当時のカセット・デッキは横置きが常識だったのを思い出しました。SONYの型番でCFと聞くと懐かしさがこみあげてきます。数々の名機を送り出したCFシリーズです。 

 
キャリング・ハンドルが引き出せて持ち運びに便利です。そのまま、縦置きに保管することもできます。
 

本体の劣化は少ないですが、全体的に少しずつ劣化しています。最初に本体カバーを水洗いして埃を取ります。次に故障個所の確認です。ロッド・アンテナの先端なし、アンテナホールド破損しています。FM/AMの切り替えスイッチ接触不良、ボリュームのガリあり、テープレコーダー走行NGです。
まずは逆さまにして裏蓋を外します。

プリント基板やレコーダーのネジを外し、最後にスピーカーとマイクを取り外します。
カセット・レコーダーのゴムベルトを張り替えます。フライホイールを支える金物は真横のネジ2本で外すことができます。その他、電解コンデンサなどの劣化はみられませんので部品交換は不要です。
 次にラジオのFM/AMスイッチ、ボリュームの接触不良をコンタクト・スプレーをごく少量噴霧します。これで簡単に治ります。ラジオ基板は外側に露出しているのでトラッキング調整がしやすいです。
アンテナの先端は他のアンテナより移植しました。アンテナホールド破損はプラリペアで修理してみましたが短時間で再度破損したため、このままにします。

全体の動作を確認します。AM/FMのトラッキングもOKです。ボリュームやスイッチの接触不良もありません。カセット・テープのテストでは、アジマス調整が狂ったのか再生中にカセット位置をずらすと音が大きく再生できます。回転ムラを感じません。当時のカセットは横置きが安定していることを改めて実感します。テープ走行については、再生、早送り、巻き戻しなど力強く正常に回転します。モーターはいまだに健在のようです。しかしカセットは使いませんので未調整とします。
CF-1300はラジオとカセットを融合させていますが、すでに基本機能が完成された製品となっています。ソニーらしい斬新でスタイリッシュなデザインが心を引きます。CF-1300は製品開発のマイルストーン的な位置づけなのかもしれません。今でもデザインや操作性には何の違和感もなく快適です。CF-1300はラジカセが急速に進化してゆく70年代の予兆を感じさせる製品です。