サンコー電子株式会社のSMP-70型(高性能FMマルチプレックス・アダプター・ユニット)の紹介です。50年ぐらい昔に秋葉原のお店でガラスのショーウンドウに並べてありました。当時、AM/FMチューナーを機能ごとにプリント基板化されている箱を見てもサッパリ何に使うのか理解できませんでした。おぼえているのは全ての基板を組み合わせるとAM/FMチューナーが完成するらしいとの事だけです。今回、ご紹介するSMP-70はトランジスタ式のFM-MPXの完成基板になります。最近、サンコー電子の製品はネットでは殆ど見ることはありません。しかも基板、ビス、ランプ、説明書が全てそろった未開封品です。
FMアダプターの製作には、ケース、トランス、スイッチ、電源ランプ、ヒューズホルダー、ラグ板、電解コンデンサ、整流用ダイオード、抵抗などを用意します。ケース、トランス以外は全て手持ちの部品で間に合わせました。
おおまかに部品のレイアウトを決めます。次に穴あけ作業をすれば部品の取り付け作業に進むことができます。
部品の取り付けが終わり配線すれば完成です。ステレオ・ランプは電球からLEDへ変更しました。 電源スイッチをONにすると電源部の出力はDC12Vで正常のようです。早速、FMチューナーのMPX OUTとFMアダプターを接続してみます。FMアダプターの左右の出力にモニターを接続してFMステレオ音声の確認をします。正常にFMステレオがモニターできました。
FMアダプターの音声出力を上げるためには出力回路を組みなおす必要があります。今回はSONONIA プリアンプ ne5532の完成品を使用することにしました。Amazonで注文して中国から約12日で品物は到着しました。価格は860円、大きさは36.5mm×35.2mmの超小型で、動作電圧の範囲は広くDC12V~30Vで使用できます。
プリアンプ ne5532を配線経路に沿って出力回路として組み込みます。改良したFMアダプターをLV-103と接続しても前回のような不具合は発生しません。FMアダプターの音声レベルは改善されLV-103でFMステレオ放送を良好に聴くことができます。音質ですがSONY ST-SA50ESより帯域が狭くやや音がこもった印象を受けますが十分良い音です。ようやくトランジスター式のFMアダプターが完成しました。
今回を含め製作したFMアダプターは2台目になります。左が今回のサンコー電子:トランジスター式SMP-70です。右はスター:真空管式MU-34になります。FMアダプターはモノラル真空管チューナーのテスト用として使用する予定です。趣味として管式FMアダプターTRIO AD-5を使っていますがトランジスター式とは音の出方が異なります。双方のアダプターによるFM放送の音質を比べて楽しめるものと期待してます。今回は50年経ってようやく実現したFMアダプターの製作でした。
2024.4.26
SONONIA プリアンプ ne5532は、動作は安定しているのですが帯域が狭く不満に思っていました。そのため、オペアンプ搭載型のプリアンプ基板と交換してみました。
標準搭載のオペアンプはNE5532Pです。高価ではありませんが音質には定評のあるオペアンプです。ソケット付のプリント基板なので、オペアンプのアップグレード可能なところがうれしいところです。
大きさは5㎝×4㎝で、電源12V~35Vで扱いやすい小型プリアンプです。場所がないので、2階建てで設置しました。コネクタ接続なので工作が簡単にできます。ただし、電源用のケーブルが付属していなかったので、手持ちのコネクタと交換して作業を進めました。
作業は30分程度で終了です。SONY SA50ESのチューナーと接続してみます。思ったとおり、こちらのほうが帯域は広く聞こえていい音がします。動作はとても安定していて十分に実用になることがわかります。今後はオペアンプを差し替えて音質をヒヤリングしてみたいと思います。