2023/02/01

Pioneer パイオニア SX-414 FM/AMレシーバー

 Pioneer パイオニア SX-414 FM/AMレシーバーの紹介です。1972年発売、39,800円の製品になります。シルバーメタリックを基調としてダイヤルスケールには黒を背景とした青い照明の文字が印象的で美しいパネルデザインです。フロントバネルの両端は無垢の木材はウッドケースに収納されレシーバーの高級感を引き立てています。SXシリーズの最下位グレードですがシンプルな機能と量感ある音質が魅力のレシーバーです。

背面はアンテナ端子、アンテナバー、スピーカー端子(T型)、RCA入出力端子などが配置されています。

SX-414の後ろ側のプリント基板がチューナー部(AMとFM)、前側のプリント基板がプリアンプとパワーアンプなどになります。1972年のレシーバーですから電解コンデンサは全て交換します。部品交換によりレシーバーの動作は安定して長期の利用ができるようになります。この段階で電源を入れFM放送を聞いてみます。左右から音はでますのでチューナー部、プリアンプ、パワーアンプは正常なようです。一聴してこのレシーバーは音がいいです。しかし、音の出かたが単調でステレオではないようです。後でFMチューナー部の調整します。

次にPhono端子とAUX端子から入力して試験をします。音は正常ですが接触が悪く不安定です。利用頻度が多かったのかピンジャックの中心にあるフォーク状の金物の接触不良が原因でした。そのため上の写真のようにピンジャックを交換しました。

修理は終わり最後にチューナー部の調整をします。受信感度、セパレーション、レベルメーターの振れ幅などを調整します。調整後のレシーバーは本当にいい音がします。上下の帯域のバランスも良好で音に厚みもあります。

音質がいいので更に改善したくなります。電源部の大容量電解コンデンサ2200μFを4700μFに交換します。

交換することで全体の靄が晴れて音の輪郭がハッキリと聴こえてきました。高音の出かたにはまだ少し粗さが感じられます。レシーバーによっては低音が出ない機種が数多くあります。TONE回路やラウドネスを使えば、それなりに低音を出せますが音は不自然になります。SX-414は最初から量感がいっぱいの中音〜低音を聴かせてくれます。この機種の本来持っている音質なのでしょう。ジャンルを選ばずに音楽を楽しむことが出来ます。SX-414は最下位グレードですが完成されたレシーバーアンプです。シンプルな機能と良好な音質を持つお勧めのレシーバーかと思います。