Technics テクニクス SA-5200 FM/AMステレオレシーバーの紹介です。1973年頃、47,800円のレシーバーです。テクニクスのレシーバーはあまり出回っていませんが以前より興味があり入手しました。ダイヤルスケールの照明が美しいパネルデザインのレシーバーです。このレシーバーは重く8kgもあり物量が投入されいるようで期待がもてます。
背面パネルを見るとFMアンテナ端子(600Ω/75Ω)、フェライトアンテナ、外部入力、テープ端子、スピーカ端子、スピーカヒューズが配置されています。
カバーを開けて目に入るのがPanasonicの薄紫色の大量電解コンデンサ2200μF×2本です。大型のフライホイールによりダイヤル選局時の操作感は非常にいいです。FMの初段は4本足のFET 2SK39-Q、FM:3連/AM:2連ですがバリコンにカバーがあるものは珍しいです。この頃にはFM MPX用ICが使われ始めていてAN211が実装されています。パワートランジスタは2SD390を採用しています。
最初に故障箇所はないか目視で確認します。FMチューナー基板の電解コンデンサのカバーが熱で変形しています。1973年の製品なので劣化部品は全て交換します。劣化部品の交換後は機能を確認します。左右のスピーカーからの音は正常でノイズもありません。FMやAMも正常に受信できます。
メーターランプとダイヤル針のランプが切れていました。メーターのランプ交換は簡単ですがダイヤル針のランプは分解修理が必要です。ダイヤル針のムギ球を取り外します。ムギ球を実測して直径3mm、ムギ球のリード線で電圧が5.2Vです。リード線付き6V、直径3mmのムギ球を用意してダイヤル針に装着すれば修理は完了です。電源を入れるとブルーのダイヤルスケールに針がオレンジ色に輝く美しい照明が復活しました。
一聴してわかるのは余裕のある豊かな低音が魅力のレシーバーです。 FMステレオ放送のS/Nは良好で澄み切った音楽を聞かせてくれるのは特筆すべき点です。ジャンルを選ばず、どんな音楽でも瑞々しく表現してくれます。Technicsというのオーディオ・ブランドに相応しい高い性能と優秀な音質のレシーバーだと思います。