CLARION クラリオン HR-2000A 蓄音機型AM/FMラジオの紹介です。1988年発売で5000台限定の製品になります。本体とアンテナ線だけでプレートや元箱などはありませんでした。ラッパはネジで固定されていて見栄えだけです。音は本体前面のスピーカーからです。
金色のドラムがダイヤル目盛りで右のハンドルでチューニングする凝った作りです。
電源はAC100Vだけです。電池でもラジオが聞けたら便利だったのにと思います。裏面にアンテナ端子がでています。
外観はきれいですがジャンク品でラジオが鳴りません。早速、修理をします。本体を持ち上げると底板がブラブラして今にも外れそうです。底板のネジが4本が外れています。修理のため開けたのでしょう。底板を外すとプリント基板のアンテナが取り付けてあるのが見えます。上の写真のようにスピーカーと本体基板を取り外せば修理できるようになります。
上の図は、本体基板の主要部品の動きを把握するため配置図です。これだけの内容がわかれば、おおよその故障個所は特定できるようになります。
動作確認をします。電源ONにしてもスピーカーからは無音で全く反応がありません。試験用電源装置の電流計を見ても全く振れず通電していません。ACコンセント、電源トランスの順に通電確認します。ACコード両端で通電はないのですが、プリント基板上では通電しています。現象が不可解で故障個所が特定できません。電源トランスを取り外して切り分けることにします。
電源トランスのハンダを取り外し中にプリントパターン切断を発見しました。AC100V入力部分のプリントパターン断です。ラジオ本体を落としたりしたのでしょうか?珍しい故障です。断線箇所はジャンパー線で修理します。電源ONにするとスピーカーからノイズが出るようになり通電出来たようです。ラジオの試験ではAMは受信NG、FMは受信OKです。