PIONEER TX-15 真空管FM/AMチューナーの紹介です。1965年頃、31,800円の製品です。ダイヤルスケールの窓が大きく大胆で斬新なデザインです。
ダイヤル目盛りにステレオランプ、ビーム・インジケーター(マジックアイ)によりチューニングと受信レベルを知ることが出来ます。窓の横にはAGCスイッチがあります。
回路図はいろいろな雑誌に掲載されています。「電波実験 新ステレオ回路集」の回路図は2ページにわたり大きて見やすく部品配置図もあり修理にとても役に立ちます。
ここまではいつもの製品紹介です。外観は綺麗なのにやっかいな不具合や損傷のあるチューナーです。上の写真を見てください。MPX回路の中央T502、その左L502、L504が横倒しになって断線しています。コイルの損傷をくわしく調べましたが修理はできそうにありません。入手は困難な部品です。ジャンク品の保存部品からなんとか代替えできる部品を探して交換しました。
フライホイールと一体のダイヤルツマミの軸が折れています。しかたなく、ジャンク品から糸巻の位置の高さがあう部品を見つけて交換しました。交換作業は半日かかります。電源も入りません。電源回路の200Ω8Wの抵抗が焼き切れて断線です。劣化による過電流が原因かと思います。セメント抵抗に交換して電源が入るようになりました。内部は全体的に劣化が激しいです。劣化部品を全て交換します。各所の電圧を測定しますが、これもかなりズレているので抵抗で6か所ほど電圧調整しました。ハンダづけがあまく芋ハンダで接触不良が多いです。全て再度ハンダづけを施します。裸線の空中交差もありエンパイヤチューブなどで補修します。
この時点でためしに動作確認をします。受信はできますがステレオランプが点灯しません。
半固定抵抗VR502が不良でステレオランプが点灯しません。丁度良い抵抗値がなく高級なネジ止め付きのボリュームをセパレーションボリューム横のシャーシに取り付けました。また、セパレーションも不安定なのでボリュームを分解・清掃します。
上の写真が修理後の姿です。受信レベル、セパレーション、ステレオランプを調整します。しかし、80MHz付近で無音ですが受信レベルが上がりFM放送とバッティングしてFM放送が阻害されます。AGCも動作不良です。
最後にスイープジェネレータを入れて確認します。 10.7MHzのIF波形はきれいな波形でOKです。
Sカーブを確認しますがバランスが崩れています。検波回路のダイオードを交換します。