2021/12/27

エース AR-205K2石レフレックスラジオ(はじめてのラジオ)

小学生のとき、近所のいつも行く模型屋さんのショーケースに飾ってあったラジオキットです。どうしても欲しくてお年玉で買ってもらった思い出深いラジオです。

昔つくったエース AR-205K

1966年(昭和41年)頃にラジオキットとして作成したAR-205K 2石レフレックスラジオ 推定55歳ぐらいでしょうか。小学3年生として初めて見るトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗など興味しんしんです。半田ごてを握って作成しようと思ったら抵抗には極性はあるの?基板にトランジスタを刺しても足の位置が裏表混同したりして何度も何度も苦労して確認したのを今でも覚えています。4時間くらいキットと格闘してようやく完成です。おそるおそるボリュームダイヤルを回してカッチと電源を入れるとザーというノイズ音。選局ダイヤルをまわすとラジオ放送が聞こえたときの感激は今でもわすれません。毎日、AR-205Kのプリント基板のトランジスタや抵抗、コンデンサー、トランスなど飽きもしないで眺めていました。部品ひとつひとうに電気という血が流れてラジオが動いているように感じたことを覚えています。 50年以上経った今の私には、残念ながら当時と同じ感動が湧いてきません。しかし、ラジオの体験に動かされた小学生は、やがてシステム・エンジニアになりました。

後日談ですが模型屋さんのおばさんが「君がラジオキット買ってくれたおかげで近所の友達がたくさん買いにきたよ」と教えてくれました。しばらくの間はラジオをそばに置いて撫でたり、さすったり、蓋を開けたりして眺める毎日です。別売の外付けの3段式ロッドアンテナも買いました。ラジオの沼にはまった少年です。
AR-205Kに話を戻します。

エース AR-205Kの内部を見る

中身を見るとトリマーもコアの調整もない無調整のラジオです。小学生には最適です。2石レフレックスラジオにスピーカーを搭載した欲張りなラジオです。ただし、受信感度は低く強電界地域での使用を前提としています。早い話が、昔はほとんどの自宅は木造家屋で受信できましたが鉄筋の建物などでは電波が弱くラジオを聞くことができません。オークションでAR-205Kを「ラジオが聞けません」と売っている人がいますが、たぶんマンションの室内で使えないので故障と勘違いしたのだと想像しています。50年以上経っても全然色あせない思い出のラジオの紹介でした。