2022/02/09

HITACHI F-555 AM・FM 真空管ラジオ 修理(真空管ラジオでFM放送を楽しむ)

1.概要 

HITACHI F-555は昭和40年頃の製品で真空管ラジオとして最後の頃の製品だと思います。

今回はジャンクですがFMが入る真空管ラジオの修理です。真空管ラジオでもFM放送が入る製品が個人的には好きなんです。

F-555は5球スーパーラジオで17EW8,12AJ7,12BA6,12AV6,50C5で構成されています。12AJ7はあまり見慣れない球ですね。

また、正面左上のFMの文字を強調したデザインが目を惹きます。

正面から見たHITACHI F-555
HITACHI F-555

2.事前準備

最初の作業は回路図、部品配置図、糸かけ図の写真をとり、拡大印刷してから作業に入ります。今回のラジオには3つの図面すべてが残っていて、これらの図面類も私はコレクションにしています。回路図は鮮明で数値、単位、部品番号まで読み取ることができる非常にいい状態でした。

HITACHI F-555の写真を撮り拡大印刷した回路図、配置図、糸まき図
回路図等の整理

3.修理

3-1.故障状況 

ラジオの電源が入りません。
背面パネルを外したところ、なんと運搬固定用のダンボールが入ったままでしかも焼け焦げていました。私も初めて見たのでビックリです。使っている最中によく燃えなかったものだと変なところで感心しました。このラジオは電源を入れるといつも焦げ臭かったと思います。販売するときに電気屋さんが外すの忘れたんでしょうね。

HITACHI F-555の内部から出てきた焼け焦げた運搬固定用のダンボール
焦げた運搬固定用のダンボール

修理を開始します。まずヒューズを確認すると見事に溶断していてガラス管に付着していて重症のようです。シャーシを裏返し部品を確認しますが焦げたり破損したところはなさそうです。

2-2.事前修理 

しかし、いきなり電源入れる勇気はないのでひととおり部品交換してから様子を見ることにしました。

HITACHI F-555のブロック電解コンデンサをくり抜いて外側ケースを再利用する
ブロック電解コンデンサのケース再利用

まずは電源部のブロック電解コンデンサですが、見た目がいいので残したいのですが新しい電解コンデンサを取りつけるスペースがありません。仕方なくブロック電解コンデンサの中身をくり抜いて新しい電解コンデンサにはブロック電解コンデンサの外側ボディだけ被せて部品配置の雰囲気だけ残しました。

真空管ラジオの電源部の電解コンデンサをむやみに大容量に交換すると、電源投入時の突入電流が大きくなり真空管を早く傷めるので注意が必要かと思います。

更に経年劣化で絶縁不良になりやすいペーバーコンデンサはフィルムコンデンサに交換します。

HITACHI F-555のむき出しの新しい電解コンデンサ
新しい代用品のブロック電解コンデンサ

HITACHI F-555の古いブロック電解コンデンサの外側ケースを被せる
ブロック電解コンデンサのケース再利用

3.電源試験 

ここまでやれば電源入れて確認してもいい思います。

ただし、お手製の絶縁トランス(100VA)と電流計(1A)、ヒューズ(1A)、ACコンセントを付けた電源装置にラジオをつないでから電源を入れ試験をします。
この電源装置には何度も危ないところを助けてもらったすぐれもので、真空管ラジオ修理を安全に作業するための必須アイテムです。
電源装置は、テスト時の過電流ではヒューズがとび、1A以下でも0.3A以上流れることを瞬時に電流計で確認できるので真空管ラジオの最初の健康診断に使おうと思い製作しました。
初期診断で数点の電圧測るのにもたもたしていては、過電流の場合は更に部品を痛めてしまいます。絶縁トランスも入っているのでトランスレスラジオで感電することもありませんのでかなり安全に作業できます。

HITACHI F-555に電源装置をつないで試験をする
電源投入後0.3Aで安定

部品交換したラジオの電源を入れると、0.3A付近で落ち着きましたので正常のようです。

4.調整 

過電流はコンデンサ劣化が故障の原因と判り、あっさり治って拍子抜けです。ダイヤルをまわして選局するとAM,FMも受信感度が悪いので、それぞれ感度を調整して完成です。

5.まとめ 

今回は、久しぶりの真空管ラジオでしたが特殊な故障原因もなく短時間で修理することができました。真空管ラジオのFM放送はノイズもなく良い音なので、

今日はFMを聞きながら楽しい時間を過ごせそうです。