SONY ソニー CF-1300 FM/AM カセット・テープ・レコーダー ”マイク イン チック1300”の紹介です。1970年、27,800円の製品です。SONY初のラジカセCFM-812から6ケ月遅れで発売された横置きのラジカセになります。当時のカセット・デッキは横置きが常識だったのを思い出しました。SONYの型番でCFと聞くと懐かしさがこみあげてきます。数々の名機を送り出したCFシリーズです。
1970年頃のラジオやオーディオ、音楽などを今日まで趣味としてやってきた身の回りのこと、体験したことをつづる日々のブログです。真空管ラジオ、トランジスタラジオなどの体験記、最近ではPCオーディオなどについてもご紹介していきます。
2023/09/04
SONY ソニー CF-1300 FM/AM カセット・テープ・レコーダー
2023/09/03
SANSUI サンスイ PM-880 真空管3バンド・レシーバー
SANSUI サンスイ PM-880 真空管3バンド・レシーバーの紹介です。1960年頃のモノラル・レシーバーになります。個人的に所有してFMモノラル・オーディオを 楽しんでいたレシーバーです。先日、FM放送を聞いていたら突然死です。全く音がでなくなりました。そのため、久しぶりに修理することになりました。
カバーを外すと真空管が13本あります。一番奥が出力段の6BQ5×2本で、意外といい音を聴かせてくれます。内部を覗くと電源トランスの漢字で”山水”の文字が目に入ります。電解コンデンサーなどに劣化の兆候がみられます。抵抗も変色して過電流の兆候がみられます。
回路図は上蓋の裏にあります。少し煤けていますが十分に読み取れそうです。写真を撮り拡大すれば修理に役立ちます。
各電圧を測ると電源回路からつながる抵抗500Ωからチューナー部への電圧が出ていません。上の写真右下の白いセメント抵抗500Ωが断線しています。 各箇所の電解コンデンサーなどが全般的に劣化して過電流が流れたようです。
劣化部品は全て交換することにました。交換後に電源を入れると消費電流は約1.0Aで正常のようです。
スピーカー1本を接続して試験をします。3バンドですがFM以外のMW、SWは使いません。FMだけヒヤリングします。モノラルは違和感のないボーカルが魅力です。意外とキレのある音を聴かせてくれます。私はモノラル・オーディオに安定感のある音を求めています。 基本はスピーカー1本が好みです。スピーカーは大きなものが良いですが、小型スピーカーであればONKYO D-202A以上のものが良いと思います。テスト用のYAMAHA NS-10MMTの超小型2way・スピーカー(世間の評価が低いスピーカーです)ですら、FM放送を楽しく聞かせてくれます。本来であればモノラル録音されたレコードをPM-880で鳴らせば理想的なのかもしれません。モノラル・オーディオは忘れ去れたジャンルなのかもしれません。PM-880は今でも十分通用する音質をもったレシーバーだと思います。
2023/08/13
Columbia コロンビア TFC-140 トランジスタ ホームラジオ
2023/08/03
GE ジェネラル・エレクトリック P1700AとP1704B ラジオ(マグネチックスピーカー)
GE ジェネラル・エレクトリック P1700AとP1704B ポケット・ラジオの紹介です。 1960年後半では珍しいマグネチックスピーカーを搭載した独特の音色のラジオです。AM放送の特性にあわせて、あえて低スペックのマグネチックスピーカーを搭載しているところが素晴らしいです。上の写真は左がP1700A,右がP1704Bです。写真ではわかりにくいですが、ラジオを手に取ってみると76×121×38mmのサイズは当時の国産ポケットラジオと比べてやや大きく分厚く感じるアメリカサイズです。
背面はスリットとイヤホン端子が見えます。背面パネルにP1700A、P1701Aの型番シールが見えますが、このラジオケースの色からP1700Aと判別できます。P1700Aは1966年頃の製品となります。トランジスタがメタキャンが使われていますのでP1704Bより古いトランジスタ・ラジオであることがわかります。
コの字型のマグネットと中央にある振動版から振動棒がコーンに接続されています。
真横から見た状態です。
マグネチック・スピーカーは高インピーダンスのためトランジスタ直結でスピーカーを駆動することができます。GE P1700A,P1704Bでは上の図のようにプシュプル回路との直結でスピーカーを動作させています。
2023/07/23
TRIO トリオ FX-6 真空管FMマルチ・ステレオ・チューナー(リレーF.Bvの修理)
TRIO トリオ FX-6 真空管FMマルチ・ステレオ・チューナーの紹介です。1964年、33,500 円の最上位機種になります。TRIOの真空管式チューナーの中でも一度は触ってみたい製品です。
ラジオ技術1964年7月号「トリオ FX-6 FMマルチステレオ・チューナー」に回路図や各機能および動作が詳しく解説されいます。
この機種の特徴は、自動選局、リミタ3段、ニュービスタ6CW4採用など当時の技術がつぎ込まれています。ニュ-ビスタ6CW4を採用していることから、真空管の終焉を迎えつつある時期の製品、もしくは真空管技術が成熟した時期の製品とも言えます。
内部回路を覗いてみます。ブロック電解コンデンサーの液漏れ、電源回路B3出力の1KΩ抵抗の焼損、電解コンデンサーは全て発熱による被覆の捲れを見ることができます。
修理のため劣化部品を全て交換します。通電試験をしてみます。0.8Aで安定しました。正しく部品交換できたようです。
試しにFMを受信してみます。受信できますがRchのテスト用正弦波の出力波形が極端に小さいようです。故障個所は出力回路の12AX7不良でした。真空管を交換して正常に波形が出力されるようになりました。
次に各機能の動作を確認します。ステレオ、モノラルへの自動切換が動作しません。原因はリレーが動作しないためで、リレーのコイル断線です。富士通製 F.Bv.153b 01/101 5300-16000 0.04Culが採用されています。今では入手困難なリレーです。このリレーのコイル断線は致命的で修理に絶望した方も多いと思います。ネットを見ると電気的に互換性のある富士通製 F.Bv.151b 01/101 5300-16000 0.04Cul(上の写真の左側)が入手可能のようです。2つのリレーの外観を比較すると端子の配置が異なっています。これではFX-6のリレー・ソケットに装着できません。
苦肉の策として、F.Bv.151bとF.Bv.153bの部品を組み合わせてFX-6用のリレー153bを修理します。上の写真はF.Bv.151bのネジを外して分解した様子です。151bのコイル(コイル固定金物を含む)を153bに移植します。上の写真が151bのコイルを移植したリレーになります。但しコイルからの端子は自作する必要があります。
この修理方法の欠点は、151bのコイル固定金物が大きくて保護カバーが装着できないことです。しかたなく、プラスチック・カバーをコの字型に加工して最後に熱収縮チューブを被せて完成させます。写真の出来栄えが不器用な私の限界です。
修理したF.Bv.153bをソケットに実装した様子です。これでリレーは動作するようになりました。しかし、セレクタでAUTOMATICにしてもSTEREOやMONOに自動でうまく切り替わりません。原因は2か所あり、①VR2(1MΩ)の回路配置が異なる、②VR2が破損していて抵抗値が変化しない状態となっていました。新しいVR2を回路図どおり配置しなおして、再調整するとAUTOMATICが正常に動作するようになりました。
音出し試験では、ステレオ時に音が歪みます。調整では解決できそうにありません。MPX部への電源B1が6AU6で150V(回路図では130V)、バイアス8V(回路図では15V)と差異があるのが原因のようです。周辺の抵抗を交換して規定の電圧値にします。修理後に再調整して音の歪は解消しました。
最後にヒヤリングしてみます。電源を入れてから安定するまで少し時間(2-3分程度)がかかるようです。音質は上下の帯域も広く量感や奥行も感じられ高級機らしい良くできたチューナーです。
今回のFX-6は修理に手間がかかり調整も比較的むずかしい製品だったと思います。リレーの修理など、いろいろ遊べる製品なので一度修理にチャレンジしてみてはいかかでしょうか。
2023/07/02
大阪音響㈱ ONKYO オンキヨー 12LF-200J 12石FM-AMハイファイ・ホームラジオ
大阪音響㈱( ONKYO オンキヨー) 12LF-200J 12石FM-AMハイファイ・ホームラジオ の紹介です。1968年頃のホームラジオになります。古いトランジスタ式のホームラジオですが、現在でも違和感がないスッキリとした垢抜けたデザインです。
ホームラジオの背面ですが、中央にFM用リードアンテナ、左上にPHONO端子とREC端子が用意されています。
電源は乾電池×5本またはAC100Vの2電源です。ラジオとは思えいないグレードの高そうなスピーカーが実装されています。音質重視でしょうか。また、このラジオには本来あるはずの背面パネルの吸音材と電池カバーがありませんでした。
古いホームラジオは埃や汚れがすごいため分解して水洗いをします。このラジオの化粧板は剝がれやすいため補修が大変でした。清掃したラジオ本体の様子です。きれいになりました。
このラジオは放送を受信できません。細かく故障箇所を調べてもいいのですが、最初は劣化部品を全て交換してみます。 上のプリント基板がFM-AM回路、下がアンプ回路になります。見た限りでは大きな損傷はないように思えます。部品交換後、再度組み立てて試験をします。電源を入れると、FMとAMで放送が聞こえるようになりました。ただし、故障ではありませんが電源ON時に毎回バリバリと大きな音が出るのがいただけません。受信した放送の音量は小さくノイズも酷いので受信感度などを調整します。トラッキングもズレていました。調整後、ヒヤリングすると受信感度は可もなく不可もなくの普通です。FMは外部アンテナ接続ではないので、電波が弱い放送局はノイズが気になります。AFCの動作の効きく範囲が狭すぎるように感じました。60年代のトランジスタ式の木製ホームラジオは珍しいと思います。この年代のラジオ製品はアメリカ製のデザインに似せた機種が多いのですが、12LF-200J は日本製らしいデザインで好感がもてます。ありそうで以外と似たデザインは見当たらないラジオかと思います。多く出回っている木製ホームラジオとは一線を引きたい製品です。