エーワイ電子さんは、個性的なオーディオ機器を製造販売しています。他では手に入らないアナログ電源やケーブル類もありますので、一度ホームページをご覧になったらいいかと思います。
1970年頃のラジオやオーディオ、音楽などを今日まで趣味としてやってきた身の回りのこと、体験したことをつづる日々のブログです。真空管ラジオ、トランジスタラジオなどの体験記、最近ではPCオーディオなどについてもご紹介していきます。
2021/12/29
エーワイ電子 アナログ電源
Topping D3 ヘッドフォンアンプ (オペアンプTHS4631へ交換)
いまさらですが、昔やったUSB DACのオペアンプ交換による改善についてご紹介します。PCオーディオを始めたのですが、正直USB DACを導入しても思ったような高音質を実現できていませんでした。
私が愛用しているのはUSB DACのヘッドホンアンプ Topping D3です。発売開始:2013年、販売価格:21,800円、スペックも192kHzまでの古い機種です。筐体のアルミ削り出し全面パネルやボリュームの感触はこの価格帯では得られないものです。しかし、肝心の音を左右するオペアンプにはOPA2134が採用されています。
Topping D3には写真のようにヘッドホン用とRCA用の2個のオペアンプ が使われていて、ソケットを付けオペアンプを交換できるようにしました。
エミライ製 USBノイズフィルター ES-OT4 (自作のケースに入れる)
本屋を歩いていると付録のあるStereo誌を見つけると気になって買わずにいられません。私だけでしょうか?いまさら感半端ないですが、Stereo 2015年1月号の特別付録:USBノイズフィルターのご紹介です。写真は付録のエミライ製 USBノイズフィルター ES-OT4 になります。ES-OT4は基板のみでケースがありません。
常時使えるように、写真のようなケースに入れてみました。このケースはアルミ製で前後はやわらかいプラスチックでUSBやランプの穴あけ加工がしやすいものです。
全面がPCと接続するUSBと電源ランプです。電源ランプは基板にLEDが元からありシャープペンシルの透明キャップをケースのランプカバーとして使ってみました。バスパワーで青く光って以外とかわいいです。背面はDACと接続するUSBと外部電源入力になります。電源切替のスライドスイッチは設定変更しないので安全のため隠してあります。2021/12/28
SONY CF-1500 修理(メインスイッチが戻って電源が入らない)
SONY CF-1500 発売日:昭和46年8月21日(1971年) 販売価格:33,800円 2021年で50歳のラジカセです。
SONY CF-1500は、大好きなSONY CF-1900と外観が似ていて気になっていたラジカセでした。
CF-1900と外観を比べると似た雰囲気ですよね。そして誘惑に勝てずオークションでまた買ってしまいました。現物のラジカセを見ると、年式が古い割に妙に本体に傷もなくきれいです。長年使われなかったじゃなく、致命的な故障があり使えなかった製品じゃないのかと不安がよぎります。 まずは動作確認。上部中央のメインスイッチを入れてラジオを聴こうとすると、メインスイッチが入りません!入れてもスイッチ戻ってくるので、ラジオも聞けないラジカセです。戻ってくることから、このトグルスイッチは普通のスイッチじゃないことがすぐにわかりました。
裏蓋を開けると案の定、スイッチと連動して白いプラスチック・レバーがカセットのメカと連動しています。おまけに、この製品の年代より古いマイナスのビスが転げ落ちてきました。誰かラジカセの中を触っています。何人か修理を試みて断念しては転売して私のとこまで流れてきた製品だと想像しています。
気を取り直して、本体からカセットとラジオを取り出そうとしますが、1時間格闘してようやく外せました。観察するとここにも触った痕跡として、テープカウンタのケース上部がすでに破損していて破片すらありません。
本題のメインスイッチはカセットメカ部分と連動しており、カセットの録音が終了するとテープがオートシャットオフしてメインスイッチもOFFになる構造のようです。ここからは、根気よくスイッチを動かして観察するしかありません。スイッチを入れても引っかかる感触がないのですが、運よく数回だけONにロックしかかったので原因がわかりました。
2021/12/27
サンヨー 6C-19B 6石スーパーラジオ(62年製のポケットラジオ修理)
もうラジオは買わないと思ったのですが、オークションでラジオ内部の写真をよくみると電解コンデンサーが見当たりません。珍しいので、誘惑に勝てずポッチと押して買ってしましました。調べてみると、サンヨー 6C-19B型 6石スーパー 三洋電機(株) 1962年 6,400円とこのとこです。
1962年(昭和37年)、電解コンデンサーの信頼性が低かったのかフィルムコンデンサーとコイルで回路を組んでいるようです。当時の電子回路でもコイルは極力使わない方向だったと思うのですが、信頼性重視もしくはコスト削減のためコイルを多用しているのか理由を知りたいものです。1つ言えることは、コイルを多用しているのでノイズには弱そうです。電解コンデンサーを使わなくてもコイルで同じ性能を実現させた当時の設計者にとっても現在のようなノイズだらけの生活空間はさすがに想像できなかったと思います。しかし、劣化しにくい部品で構成されているためか59年たっても部品交換もなく現役で活躍できるラジオだと思うとなんだかうれしい気持ちになります。ラジオを眺めていると勝手な妄想がとまりません。
まずは、”鳴らないので普段つかいはできません”とのことなので蓋を開けて確認です。
電池ボックスのスプリングのサビがひどく、これでは通電しないので4.5Vを外付けでつないでみます。運よく故障個所はなく、このラジオは生きてました。生きているとわかれば修理作業です。
①トランスの修理:トランスのサビはひどい状態なので、トランスを基盤から取り外します。地金が出てくるまでサビを落として最後に紙やすりで仕上げ。塗装には我が家の車のカラーペイントを使います。サビ止め効果のある塗料で、筆までついていてとっても便利です。塗装により、少しは見れる状態になりました。
②スピーカー:基板の裏側のスピーカー部分にサビが出ているので、電池の液漏れでもあったのでしょうか。これも同様に、丹念に地金が出てくるまでサビを落として最後に紙やすりで仕上げ。サビ止め効果のある塗料を塗れば、今後サビの心配はありません。
③電池ボックスのスプリング交換:壊れたラジオの電池ボックスのスプリングを修理部品に使いますが2か所交換が必要でした。
④イヤホン端子:イヤホン端子にはイヤホンを刺したときにスピーカーが切れる接点があります。音が出ないラジオの原因で、イヤホン端子の接触不良も多く見てきました。接点には、お約束のCRCのコンタクトスプレー(接点復活剤)をごく少量塗ればOKです。CRC 5-56ではありません。プラスチックを傷めないコンタクトスプレーを使います。
⑤ボリュームの清掃:このタイプのボリュームは、つまみを外し茶色の薄いカバーを慎重に取り外します。綿棒にCRCのコンタクトスプレー(接点復活剤)をつけて抵抗をこすって清掃します。
⑥ケースの洗浄:ラジオのケースは石鹸で水洗いします。ケースを洗うとラジオを持った時の手や指の感触がぜんぜん違うんです。
修理作業が終わったので、1度鳴らしてみます。
エース ラジオの前期と後期(搭載しているトランジスタの見分け方)
Aceラジオには前期と後期の製品があります。(私が勝手に前期・後期と呼んでいます)
1つはメタルキャンのゲルマニウム・トランジスタを搭載した機種(前期)もう一つは樹脂製のモールドタイプのシリコン・トランジスタを搭載し機種(後期)です。
① トランジスタの形状から見分ける
シルバーのゲルマニウム・トランジスタ(上側の機種)と黒い樹脂のシリコン・トランジスタ(下側の機種)は裏蓋を開ければ一目瞭然です。
②Aceの文字から見分ける
エース AR-205K2石レフレックスラジオ(はじめてのラジオ)
小学生のとき、近所のいつも行く模型屋さんのショーケースに飾ってあったラジオキットです。どうしても欲しくてお年玉で買ってもらった思い出深いラジオです。
1966年(昭和41年)頃にラジオキットとして作成したAR-205K 2石レフレックスラジオ 推定55歳ぐらいでしょうか。小学3年生として初めて見るトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗など興味しんしんです。半田ごてを握って作成しようと思ったら抵抗には極性はあるの?基板にトランジスタを刺しても足の位置が裏表混同したりして何度も何度も苦労して確認したのを今でも覚えています。4時間くらいキットと格闘してようやく完成です。おそるおそるボリュームダイヤルを回してカッチと電源を入れるとザーというノイズ音。選局ダイヤルをまわすとラジオ放送が聞こえたときの感激は今でもわすれません。毎日、AR-205Kのプリント基板のトランジスタや抵抗、コンデンサー、トランスなど飽きもしないで眺めていました。部品ひとつひとうに電気という血が流れてラジオが動いているように感じたことを覚えています。 50年以上経った今の私には、残念ながら当時と同じ感動が湧いてきません。しかし、ラジオの体験に動かされた小学生は、やがてシステム・エンジニアになりました。
後日談ですが模型屋さんのおばさんが「君がラジオキット買ってくれたおかげで近所の友達がたくさん買いにきたよ」と教えてくれました。しばらくの間はラジオをそばに置いて撫でたり、さすったり、蓋を開けたりして眺める毎日です。別売の外付けの3段式ロッドアンテナも買いました。ラジオの沼にはまった少年です。
AR-205Kに話を戻します。
中身を見るとトリマーもコアの調整もない無調整のラジオです。小学生には最適です。2石レフレックスラジオにスピーカーを搭載した欲張りなラジオです。ただし、受信感度は低く強電界地域での使用を前提としています。早い話が、昔はほとんどの自宅は木造家屋で受信できましたが鉄筋の建物などでは電波が弱くラジオを聞くことができません。オークションでAR-205Kを「ラジオが聞けません」と売っている人がいますが、たぶんマンションの室内で使えないので故障と勘違いしたのだと想像しています。50年以上経っても全然色あせない思い出のラジオの紹介でした。