2022/02/16

SONY スレテオヘッドホンアダプター STA-50(スカイセンサーでFMステレオ)

 SONY STA-50と元箱

SONY スレテオヘッドホンアダプター STA-50は、スカイセンサーのオプションで定価4300円で販売されていました。当時のラジオにはMPX OUT端子を装備している機種が数多くあり、このMPX OUT端子にSTA-50を接続してFMステレオ放送を聞くことができました。オークションで"電源が入りません。ジャンク品です”と出品されているのを見て、また衝動買いをしてしまいました。STA-50は簡単なつくりなので電源が入らないなんて故障は想像できませんが、修理は簡単だと思い買ったしだいです。

改造で付加されたSONY STA-50の電源端子

届いたSTA-50は元箱付きで定価4300円の値札もあります。しかし、よく見ると"DC IN 4.5V"のテプラと外部電源ジャックを付加する改造をされたようです。使った人しかわからないと思いますがSTA-50に外部電源を接続したい気持ちは痛いほどわかります。毎日、FM放送を聞いていると単3電池3本ではすぐに電池が切れてしまいます。STA-50の後継機種にSTA-60があり単2電池3本で長時間使えるようになりましたが、外部電源にはかないません。当時、私も外部電源を付けようかと思いましたがFMステレオ放送をオーディオ・チューナーで聞くようになりSTA-50は使わなくなりました。元の所有者の方はスカイセンサーで毎晩FM放送を聞きたかったのだと思います。

症状:電源が入らない

ナショナル RF-858 GXワールドボーイのMPX OUTにSTA-50を接続してもイヤホンからは何も聞こえてきません。たしかに電源が入っていないように感じられます。

ナショナル RF-858とSONY STA-50を接続

分解して蓋を取るとDC INプラグのプラス(+)端子とMPX INのアース線の配線が2本完全に外れています。元に戻してハンダして試聴するとイヤホンから音がでるようになりました。

SONY STA-50の内部配線

次にSTEREO CHECK ボタンを押しますがランプが点灯しません。ランプにはむぎ球が使われていて両端をテスタで測るとステレオ時に電圧がでますが、むぎ球はかすかに光るだけです。使われているトランジスタが劣化してむぎ球を点灯できないようです。19kHzのステレオ信号を検出して電圧はでるので消費電力が大きいむぎ球からLEDへ変更して修理しました。

SONY STA-50のSTEREO CHECK

最後に手持ちのSONY ACアダプター 4.5Vと接続してSTA-50で聞いてみたところ、外部電源でノイズが乗るかと思ったのですが音質はクリアでちょっと意外でした。

SONY STA-50とACアダプター

STA-50を使いラジオでステレオ放送を聞くにはFM波の受信環境がよくなければノイズだらけで聞くに堪えないことになってしまいます。私のナショナル RF-858ではかなり無理があります。スカイセンサーなどのように受信性能が高く外部アンテナ端子があり安定した受信レベルを確保できる機種が最適なんです。STA-50のようなFMステレオアダプターは使う人のスキルが問われる製品です。使いこなしが意外と難しいです。今回は元の所有者の思い入れのある製品の修理でした。

2023.4.29追記:STA-50のセパレーションを測定してみました。35dB以上あり非常に良い数値に驚きました。

2022/02/15

ナショナル RE-725 ホームラジオ修理(隠れた名機)

 正面から見たナショナル RE-725

今回修理するラジオは、ナショナル RE-725 FM-AM 2-BAND 9トランジスタ 6ダイオード1969年(昭和44年)定価12500円のホームラジオです。ホームラジオの中でも個人的にとても気に入っている機種です。正面から見ると真空管ラジオと同じ配列のナショナルらしい堅実でシンプルなパネルで木製ボディーにメタリックで強調することで新しさを感じさせるデザインとなっています。本体は木製(合板)のしっかりした作りで化粧板を張り付けただけのホームラジオとは違い経年劣化ではがれたりしない良いつくりだと思います。ダイヤルスケールにはE10豆球のバックライトもあり夜間のイルミネーションはいいい雰囲気で、スピーカーパネルは直接スピーカーが見えない構造でホコリの侵入を防ぐ巧妙なつくりになっています。

ナショナル RE-725のダイヤルパネル

背面には、FMアンテナの外部接続端子とMPX OUT端子がありFMステレオアダプターを接続してFMステレオ放送を楽しむ以外にもラジオ修理の切り分けに利用できてとても便利な端子です。

ナショナル RE-725の本体天井部にある回路図

RE-725の最大の特徴は真空管ラジオに近い内部の作りにあり、天井には回路図があり各段のトランジタには電圧まで記載されていて金属シャーシの下には糸まき詳細図があり真空管ラジオと同様に修理できるように配慮されています。ただし、修理には真空管ラジオと同様にシャーシを本体ケースから外す必要があり、ダイヤル針の糸を外すさないと本体ケースから取り出せませんので注意が必要です。

ナショナル RE-725の内部構成

全体の作りは、糸まきのダイヤル機構と金色の金属シャーシにラジオ基板、スピーカで構成されていて真空管ラジオのつくりに瓜二つでシャーシの固定の仕方も底面から4本の大型のネジで固定するところまでそっくりです。真空管ラジオのつくりを強く意識していて、ラジオはこうあるべきだと言わんばかり主張を感じさせます。真空管ラジオの技術者が今までの技術をつぎ込んでトランジスタラジオを製作したように思え、技術者が昔を懐かしむような哀愁さえ感じるラジオだと思っています。

症状:音が大音量でボリュームが効かない
故障の状態からカップリングコンデンサーの容量抜けだと判断しました。該当箇所の電解コンデンサーは電極の識別が+(プラス)表記の古い電解コンデンサーが採用されおり、これを交換するだけの簡単な故障修理で完了です。ただし、故障を予防するため電解コンデンサーはすべて交換したので永くラジオを使うことができると思います。また、受信感度は良くFM放送も1、2局はアンテナなしで試聴することができました。

修理したナショナル RE-725を背面から内部を見る

このRE-725は世間の評価は低いようですが、良い状態のものが今でも安価で入手できるので個人的にはおすすめのホームラジオだと思っています。

2022/02/09

HITACHI F-555 AM・FM 真空管ラジオ 修理(真空管ラジオでFM放送を楽しむ)

HITACHI F-555は昭和40年頃の製品で真空管ラジオとして最後の頃の製品だと思います。今回はジャンクですがFMが入る真空管ラジオの修理です。真空管ラジオでもFM放送が入る製品が個人的には好きなんです。F-555は5球スーパーラジオで17EW8,12AJ7,12BA6,12AV6,50C5で構成されています。12AJ7はあまり見慣れない球ですね。また、正面左上のFMの文字を強調したデザインが目を惹きます。

 正面から見たHITACHI F-555

最初の作業は回路図、部品配置図、糸かけ図の写真をとり、拡大印刷してから作業に入ります。今回のラジオには3つの図面すべてが残っていて、これらの図面類も私はコレクションにしています。回路図は鮮明で数値、単位、部品番号まで読み取ることができる非常にいい状態でした。

HITACHI F-555の写真を撮り拡大印刷した回路図、配置図、糸まき図
症状:電源入らず
背面パネルを外したところ、なんと運搬固定用のダンボールが入ったままでしかも焼け焦げていました。私も初めて見たのでビックリです。使っている最中によく燃えなかったものだと変なところで感心しました。このラジオは電源を入れるといつも焦げ臭かったと思います。販売するときに電気屋さんが外すの忘れたんでしょうね。
HITACHI F-555の内部から出てきた焼け焦げた運搬固定用のダンボール

修理を開始します。まずヒューズを確認すると見事に溶断していてガラス管に付着していて重症のようです。シャーシを裏返し部品を確認しますが焦げたり破損したところはなさそうです。しかし、いきなり電源入れる勇気はないのでひととおり部品交換してから様子を見ることにしました。

HITACHI F-555のブロック電解コンデンサをくり抜いて外側ケースを再利用する

まずは電源部のブロック電解コンデンサですが、見た目がいいので残したいのですが新しい電解コンデンサを取りつけるスペースがありません。仕方なくブロック電解コンデンサの中身をくり抜いて新しい電解コンデンサにはブロック電解コンデンサの外側ボディだけ被せて部品配置の雰囲気だけ残しました。真空管ラジオの電源部の電解コンデンサをむやみに大容量に交換すると、電源投入時の突入電流が大きくなり真空管を早く傷めるので注意が必要かと思います。更に経年劣化で絶縁不良になりやすいペーバーコンデンサはフィルムコンデンサに交換します。

HITACHI F-555のむき出しの新しい電解コンデンサ

HITACHI F-555の古いブロック電解コンデンサの外側ケースを被せる
ここまでやれば電源入れて確認してもいい思います。ただし、お手製の絶縁トランス(100VA)と電流計(1A)、ヒューズ(1A)、ACコンセントを付けた電源装置にラジオをつないでから電源を入れ試験をします。この電源装置には何度も危ないところを助けてもらったすぐれもので、真空管ラジオ修理を安全に作業するための必須アイテムです。電源装置は、テスト時の過電流ではヒューズがとび、1A以下でも0.3A以上流れることを瞬時に電流計で確認できるので真空管ラジオの最初の健康診断に使おうと思い製作しました。初期診断で数点の電圧測るのにもたもたしていては、過電流の場合は更に部品を痛めてしまいます。絶縁トランスも入っているのでトランスレスラジオで感電することもありませんのでかなり安全に作業できます。

HITACHI F-555に電源装置をつないで試験をする

部品交換したラジオの電源を入れると、0.3A付近で落ち着きましたので正常のようです。過電流はコンデンサ劣化が故障の原因と判り、あっさり治って拍子抜けです。ダイヤルをまわして選局するとAM,FMも受信感度が悪いので、それぞれ感度を調整して完成です。今回は、久しぶりの真空管ラジオでしたが特殊な故障原因もなく短時間で修理することができました。真空管ラジオのFM放送はノイズもなく良い音なので、今日はFMを聞きながら楽しい時間を過ごせそうです。

2022/01/28

SANYO 6C-055 6トランジスタラジオ修理(個性的なSANYOポケットラジオ)

SANYO 6C-055 6トランジスタラジオ 3900円です。1967年のSANYOのラジオ・カタログに6C-055が掲載されていました。SANYOのロゴから1961年(昭和36年)~1975年(昭和50年)だろうとは思っていましたが、1967年頃 の製品だとようやくわかりました。このSANYOのポータブルラジオはデザインも個性的でダイヤル目盛りを正面に見て右手で選局とボリュームを操作する他社では見ない珍しい斬新なデザインです。

前面から見たSANYO 6C-055はかっこいいデザインです

症状:音がでない。
まず6C-055のケースを観察すると大きな傷はなく比較的きれいな状態のラジオのようです。ラジオに電池を入れてスイッチをONにしても微かにプチッと音が聞こえますが無音状態です。あれこれ調べ、音が出ない原因は検波後の3段目増幅部のトランジスタ不良とわかりました。トランジスタを外してトランジスタテスタで測るとNG表示です。外から観察すると底面にひびが入りトランジスタの足がグラグラしていますのでトランジスタ内部での断線です。ラジオを修理しようと基板を外した作業中に一番角にあるトランジスタに強い力がかかり破損したものだと思います。

今回は故障したトランジスタ2SB185の代わりに規格が近い代替品2SB475を使用します。外観の違うトランジスタだと基板上で違和感がありますのでSANYOの古いトランジスタには少々細工をします。SANYO 2SB185と書かれた薄緑のカバーをカッターで切って取り外します。あまり見る機会はありませんがカバーを剥がしたトランジスタは銀色の筒で何も書かれていません。次にカバーを交換したトランジスタ2SC475にかぶせて少量のボンドで固定すると立派なSANYOのトランジスタに見えます。少々インチキくさいですが当時の雰囲気を残しておくにはいい方法だと思います。

SANYOゲルマニウム・トランジスタの薄緑色のカバーをはがした姿
薄緑色のカバーを交換した2SC475に被せるとSANYOの雰囲気になる 
再度、スイッチをONにして試聴してみますと今度はバリコンを回すとバリバリ音はしますがうまく選局できません。2つ目の故障はポリバリコンの破損です。写真でもわかると思いますがポリバリコン内部のポリプロピレンが破れてクシャクシャになっています。この6C-055ではよくある故障です。
SANYO 6C-055の内部が破損したポリバリコン

ただし、このポリバリコンは標準サイズ20mm角ではなく超小型の16mm角のものを使用しています。今では入手できない品物です。もう一つ壊れたポリバリコンがあれば分解して再構築できるのですが、ポリバリコンの再構築(修理)はAM用2連だと半日くらいかかってしまうので余程切羽詰まった状況でなければやりたくありません。あとはナショナルのポケットラジオR-166などから部品を拝借するしかないと思います。今回はたまたま手持ちの16mmポリバリコンがあったのでこれを使います。

入手困難な16mm角の超小型ポリバリコン

ポリバリコンを交換してようやく修理完了かと思ったら問題発生です。ポリバリコンの回転角が90度違いダイヤル目盛りがずれてしまいます。無理やり90度傾けてダイヤル目盛りの取り付けをしてようやく終了。

今度はピィーピィーガッーガッーとダイヤルを回しても選局できません。3つ目の故障は電解コンデンサーの容量抜けみたいなので交換します。交換後は発振は止まり選局できるようになりました。最後に受信感度を調整して終了です。

修理したSANYO 6C-055の基板を見る
今回のSANYO 6C-055には、故障個所が多く手こずりましたがようやく完成しました。小さなポケットラジオですが、当時のSANYOさんが新しい個性的な製品を生み出そうとする努力を実感できる修理でした。

2022/01/10

SONY RESERVE-12 DC TIMER T-19H 修理(スカイセンサーのタイマー時計)

T-19は、SONYのラジカセ CF-1900専用の別売タイマーです。カタログに録音・受信・停止が自動でできる、電池式タイマー(別売T-19 4900円)です。写真のタイマーは、SONYスカイセンサーのT-19H 6500円になります。全く同じ外観と中身で何故か型番と価格が違っています。

当時の私の日課は、隔週に発行されるFM Fanの番組表を見ながらCF-1900とT-19の組み合わせでカセットテープに留守録することでした。T-19のタイマーには大変お世話になったのですがタイマーの時刻設定の精度が悪く1~2分ずれるのか唯一の欠点でした。今、オークションなどで入手しようと思うと5000円以上もの高値がついて手が出ません。古いタイマーに5000円もかける気ないのでジャンク品で安く手に入れました。この写真がそのジャンク品です。

ジャンク品なので時刻設定用ツマミを接続プラグが欠損している
幸いなことに時計は動作しましたがジャンク品の名に恥じず、いろいろ壊れていて修理が必要になりました。症状:①TIMER SETのツマミなし、②裏ブタの爪が破損して固定できず、③CF-1900と接続するピンジャックなし。
TIMER SETのツマミは小型なので市販品では代用できそうにありませんので自作することにしました。材料は、水性ペンのキャップ、水性ペンの中空の芯、プラリペア(プラスチックの造形補修剤)の3つです。

T-19H 時刻設定用のツマミ部品
水性ペンのキャップを1cmほど切断してツマミとして利用します。次に水性ペンのインクの芯を先ほど切断したキャップとプラリペアのプラスチックで一体化させて作ります。私はラジオのツマミ職人ではないので写真のような出来栄えが限界です。

プラリペアを使ってツマミを完成させる

裏蓋のプラスチックの細長い爪が破損していてプラリペアでも補修できそうにありません。あきらめて黒のプラスチック製スペーサとネジで固定できるようにしました。最後に新しいピンジャックを取り付けて完成です。

T-19Hの裏蓋と接続プラクの修理完成

ジャンク品はツマミ一つあることでオリジナルのような雰囲気に生まれ変わりました。今回の修理で懐かしい製品がまたひとつ部屋に戻ってきました。

ツマミがついて元の雰囲気に戻ったT-19H

2022/01/09

Toshiba IC-70 GT RADIO 修理(電池フォルダの受け金具の製作)

東芝 IC-70 GT RADIO 1969年(昭和44年) 9400円の製品です。自宅でも使っていた懐かしい製品です。小型でスタイルも良く高性能なラジオだったと記憶しています。

垢ぬけたデザインの東芝 IC-70

症状:電源が入らない:IC-70の蓋を開けてみます。

東芝 IC-70の蓋を開け内部を見る

長い間電池を入れたままにしていたのか、電池フォルダーのプラス側・受け金具が写真のように厚みのある緑青(ろくしょう)でおおわれていました。これでは通電できません。外部から6Vを直接つないでみるとラジオは元気よく鳴りましたので、受け金具がサビて通電できなかったことが故障原因です。

東芝 IC-70の電池フォルダーの受け金具が青い緑青で覆われている
 緑青の落とし方はネットでたくさん紹介されていますので調べてみてください。しかし、ラジオの金具のサビを落としてもしばらくするとまた通電しなくなりラジオを楽しむどころではなくなることがよくあります。
 今回は電池フォルダーの受け金具を交換してみたいと思います。まず、この製品の受け金具は独自の形状で他のラジオにはありませんので流用部品は手にはいりませんので、受け金具を自作することにしました。この受け金具の形状は100V電源プラグの受け側に似ていたことから電源プラグの金具を加工して作成します。110円で買った電源プラグは、電気系統の金具で電極を挟み込む形状でしかもビスで固定できる穴まで開いていますので材料としては理想的です。
東芝 IC-70の受け金具の材料になる電源プラグ

1時間ほど作業して写真のような受け金具が完成しました。元のラジオの金具より肉厚の金属で立派に見えます。

完成した東芝 IC-70電池フォルダーの受け金具

東芝 IC-70に作成した受け金具を装着する

最後に電池フォルダーを脱着を繰り返して金具のはさみ具合を調整をします。

東芝 IC-70の電池フォルダーと受け金具の接続を調整する
この自作の受け金具に交換してから通電トラブルは皆無になりIC-70を快適に利用しています。

2022/01/08

コロンビア T-96 6トランジタラジオ(ポケットラジオの修理で一休み)

COLUMBIA T-96 6トランジタラジオ 1970年(昭和45年)、3200円の製品です。この製品もかなり古く、ゲルマニウム・トランジスタを使っています。

オーソドックスなデザインのCOLUMBIA T-96

症状:電源を入れるとノイズがあり受信できない。本体スピーカーカバー右横に凹み傷あり。T-96の電源を入れると、大きな音でピィー、ガッーなどのノイズ音しかでません。そこで、選局ダイヤルをまわしてみると数か所の特定の位置で大きなノイズ音になります。これはラジオが発振しているときの現象です。電解コンデンサーの容量が抜けて発振したようです。基板を詳しく見ると、すでに電解コンデンサー1個が交換されていることに気づきました。過去にも同様の故障があったのでしょうか?また、ボリュームの丸い保護カバーがバラバラに破損しています。ボリュームを外した形跡もありませんのでラジオを落としたりして破損したのだと思います。

COLUMBIA T-96の内部ではボリュームの保護板が破損していた
まず最初に電解コンデンサーをすべて交換します。交換により、発振はなくなり正常にラジオが聞けるようになりました。次にボリュームに綿棒でコンタクトスプレーをつけてみがきます。ボリュームの保護カバーは他から移植しました。修理後は以下の写真になります。

COLUMBIA T-96の電解コンデンサ交換後の基板を見る

修理が完成まじかのCOLUMBIA T-96

次にスピーカーカバー右横に凹みの修理です。

COLUMBIA T-96の凹んだ四角いアルミのスピーカーカバー

スピーカーカバーの枠とカバー(穴あきアルミ板)を本体から慎重に取り外します。カバーの枠の内側から押して変形箇所を少しづつ元に戻す作業をします。アルミ板も傷がつかないように布や厚手のウェットティシュなどを使って工具で修理します。ラジオ本体に戻す時には、修理面を下にして取り付ければ傷が目立ちません。

修理してきれいになったCOLUMBIA T-96のスピーカーカバー

元の姿に修復できました。ポケットラジオの手軽な修理で息抜きして次の修理に取りかかりたいと思います。

2022/01/03

FMステレオチューナー 修理(ガラス管ヒューズ型電球の自作)

TRIO FMステレオチューナー KT-5500の故障で一番多いのはガラス管ヒューズ型電球が切れることだと思います。

TRIO KT-5500の美しいパネル照明

焼き切れたガ ラス管ヒューズ型電球です。 

焼き切れて黒くなったガラス管ヒューズ電球

一般に市販されていますが1個1000円と高すぎますし必要とする電圧もありません。そこで、KT-5500向けにLEDを使ったガラス管ヒューズ型電球を自作してみました。材料は、LED PARADISEエルパラから購入しました。ガラス管ヒューズ型電球を10個作成できる部品表で約2500円ほどになります。
材料一覧:5060 3chip電球色LED LP-5060H343W-3 10個セット×2 、チップ抵抗 1/4W 240Ω   10個セット×2 、T6.3バニティーランプ用両口金 10個セット×1 、T6.3バニティーランプ 5060 2LED基板 10枚セット×1
自作することにより必要な電圧や好きな色を選択できるのが魅力です。

完成したLEDガラス管ヒューズ電球
完成したLEDのガラス管ヒューズ型電球です。

TRIO KT-5500にLED電球を装着した様子

KT-5500への実装写真です。 

LED電球でよみがえったTRIO KT-5500の照明

新しいLEDによる素晴らしい照明でKT-5500が生き返ったのをご覧ください。お手持ちの古いオーディオ機器にLEDによるガラス管ヒューズ型電球を自作してみてはいかがでしょうか。

2025.1.5

従来のガラス管ヒューズ電球はAliExpressで購入できます。写真をみていただければわかるとおり、LED照明の色合いや輝度は絶妙に良い出来です。従来の暖色をのこしながら、すこしクリアで現代的な雰囲気を少しもった雰囲気が感じられます。古い機器を確実にアップグレードする最適解かと思います。

2022/01/02

PIONEER TX-50 AM/FMチューナー(ステレオ・ランプの修理)

 PIONEER TX-50 FM/AMチューナー 1969年 24,000円、プリメインアンプSA-50とペアになる製品です。この後発売されるTX-50Aは垢ぬけたイメージですが、私はTX-50の何となく哀愁を帯びたレトロなパネルが好きです。

レトロなデザインのPIONEER TX-50

PIONEER TX-50は海外ではTX-500の型番で発売されていました。写真はTX-500の回路図になります。電圧仕様により、いろいろなTUNER UNITがあるようですが回路そのものは同じなのでこれを修理の参考資料にしています。

症状:ステレオランプが点灯しない:ステレオランプが点灯しないのでLEDが切れていないかを確認します。LEDはOKなので、次に19kHz パイロット信号検出用の同調コイルを回してみます。同調コイルを回してもステレオランプ点灯しません。同調回路で19kHz パイロット信号を検出できないようです。

PIONEER TX-50の内部を見る
 ここで私は大変な失敗をしました。同調回路のコイルとコンデンサを基盤から取り外して確認しようとしました。あろうことか、同調コイルのリード線のはんだの残りで基板に引かかりリード線ごと破損してコイルを断線させてしまいました。修理どころかステレオランプ点灯は絶望的な状況です。普通は同調コイルの部品交換ですが、この時代に可変コイル20mHなんて売っている気がしません。今時、同調コイルを使う人がいるとしてもFMラジオを自作する数少ない貴重な技術者だけです。ネット通販で探しますがやっぱり見つかりません。修理は絶望的です。修理を諦めてから数日たって、もしかしたらと思うのは川崎や横浜ににあるサトー電気です。他のお店では見つからない古いラジオ部品を多く取り扱っています。ホームページがあるので部品を探すと奇跡的に20mHの同調コイルが販売されてました。20mH大量入荷?と書いてあります。誰が使うのか疑問ですが交換部品が見つかり早速注文しました。
パイロット信号を検出するための20mH同調コイル

 これが20mHの同調コイルです。

PIONEER TX-50の20mH同調コイルを交換

 チューナー基板に実装します。手前左側が交換した同調コイルです。同調コイルを回しますがやっぱりステレオランプが点灯しません。うまく19kHzに同調できないようです。

コンデンサを追加した様子

 そこで、同調周波数を再計算してコイルではなくコンデンサ側の容量を220pfほど増やしてみました。再度、同調コイルを回すとステレオランプ点灯するようになり成功です。最初からコンデンサ追加で様子をみればよかったとしきりに反省しています。

 今回は自分のミスで冷や汗をかく事態に陥り、たまたま見つかった部品に助けてもらった修理でした。