1.概要
| ナショナルRQ-402とストロボディスク |
2. 非接触型タコメーター
| SHIMPO DT-205B |
前回、修理したRQ-402やTC-220Lのテープ速度は非接触型タコメーター(SHIMPO DT-205B)で測定しています。通常、テープレコーダには使わない測定方法です。
| ゴム足に反射シールを貼る |
上の写真ではテープレコーダーのキャプタンの上に円筒形のゴム足を被せています。その円筒形のゴム足の上に反射シールを貼ります。
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| タコメーターで回線数を測定 |
テープレコーダーを回しながらキャプタンの円筒形にある反射シールにレーザー光を当てれば速度を簡単に測定できます。 最近は非接触型タコメーターも安価になり購入しやすくなっています。 タコメーターを使うにはキャプタンの回転数を事前に知る必要があります。 条件:RQ-402、テープ速度9.5cm/s、キャプタンの直径8mm、電源周波数50Hzとします。1秒あたりの回転数:8mm×3.14=25.13mm、3.78×60秒=227rpmとなります。 タコメーターで実測するとテープ速度9.5cm/sのとき226rpmと観測できました。
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3. ストロボディスクの製作
テープ速度を測定していて思い出したのがストロボディスクです。ストロボディスクはレコードプレーヤー用が一般的です。
3-1. ストロボディスク製品
テープレコーダー用 外付けストロボディスク 昭和43年 誠文堂新光社「テープ・レコードとテープ・プレーヤー」より抜粋 |
上の写真は昔の雑誌から抜き出したテープレコーダー用のものです。外付けできるテープレコーダー用ストロボディスクです。実際には見たこともないレアなものです。特別な機材も必要ないので便利そうです。シビアな精度を問わない日常のテープ速度の確認用には良いかもしれません。
3-2. ストロボディスの線数計算
早速、RQ-402用9.5cm/sのストロボディスクを作成してみます。 まず最初にストロボディスクの線数を計算します。227回転÷60÷100=0.03783...となり、0.03783...×360=13.62度です。1本の線の角度が13.62度ですから、360÷13.62=26.4本/回転となります。ストロボディスクの線数は整数化して26本または52本になります。
26本と整数化(0.4本数が減っていので回転は速くなる)したことでストロボディスクの誤差は以下のとおりです。計算上は26.4本、360÷26=3.846…、360÷26.4=3.636…、1線数あたりの角度差:3.846-3.636=0.21度、1回転の角度差:0.21×26=5.46度、誤差:5.46÷360×100=+1.52%となります。
3-3.ストロボディスクの描画
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| Inkscape(インクスケープ) |
ストロボディスクの線数は26本と52本で作成してみることにしました。しかしストロボディスク作成で26本の線を描くのに苦戦しました。イラストレータなどのドローソフトは持っていませんので中途半端な角度の描画には無理があります。 試行錯誤で見つけいたのがInkscape(インクスケープ)で無料の多機能ドローソフトです。何角形でも簡単に描画できるのでストロボディスク製作に最適です。
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| Inkscapeでストロボディスクを描画 |
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| 印刷したストロボディスク |
上の図では26本と52本のストロボディスクを3パターン作成しました。ただし歯車型は中央に白丸を後から編集して作成しています。上のテンプレートは「ヘラジカの資料室」からダウンロードできます。
3-4.アダブタ化
| 左:ゴム足加工前 中央:線数26本 右:線数52本 |
キャプタンに取り付けるため今回はゴム足を使いました。ゴム足の径が直径8mmキャプタンに丁度良く収まります。ストロボディスクのパターンを印刷してゴム足に糊付けします。
| ストロボディスクをキャプタンへ取り付け |
上の写真は26本のストロボディスクをRQ-402のキャプタンに取り付けた様子です。
3-4.スロトボライト
Douk Audio ストロボライト |
光源にはDouk Audio 50/60Hzストロボライトを使用しました。Douk Audioストロボライトは50Hzまたは60Hzの周波数で高輝度LEDを精密に点滅させるライトです。昔から使われていた電源周波数50Hzまたは60Hzにより点滅させるネオンランプや蛍光灯に変わる現代の製品です。このライトをストロボディスクに照らすことでストロボ効果を得ることができます。
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3-5.測定
速度がテープレコーダーの9.5cm/sに同期するとストロボディスクの模様が静止します。速度が遅いと模様が右に回転、速いと模様が左に回転します。26本の方が模様がハッキリと見やすいです。52本になるとパターンが薄く見えにくいです。これ以上の線数は実用的ではないかと思います。
| ストロボディスクの模様が静止して見える |
4.あとがき
テープレコーダー用のストロボディスクの製作は思っていたより苦労しました。 ストロボディスクのパターン作成にはInkscape、ストロボライトにはDouk Audioの製品に助けてもらいました。昔だったら自作でストロボディスクのパターン作成は無理だと思います。レトロなデープレコーダーの速度測定は新しい技術に助けてもらった形でようやく完成しました。
| スロトボディスクを装着した様子 |
家庭用モノラルオープンテープレコーダー用にストロボディスクを1個作成してみてはいかがでしょうか。愛機のテープ速度が正しいのか簡単に確認できるかと思います。
5. 蛍光灯とネオンランプ(2025.1.5 追記)
ストロボライトはDouk Audio製品などを購入しなくても昔ながらの方法があります。
| 小型蛍光灯をストロボライトとして使用 |
| 電源タップのネオンランプをストロボライトとして使用 |
2つめの方法はネオンランプをストロボライトとして使用します。家にネオンランプなんかないと思いがちですが、どこのご家庭にもあるテーブルタップのスイッチ照明に使われています。ネオンランプはランプ切れがなくランプ交換不要という特徴を生かしてスイッチ内のランプに使われています。上の写真ではテーブルタップのスイッチ照明でディスクを照らして模様が静止している様子です。
Douk Audioのストロボライト、蛍光灯、ネオンランプのどれと比較しても同じ速度でディスク模様が静止して見えます。Douk Audio製品も昔ながらの方法も同じ結果となりました。
ご家庭にある身近な製品をストロボライトとして使ってみてはいかかでしょうか。
6.参考リンク(2026.1.30 追記)
修理後のRQ-402は、テープ速度が適正であるかを確認する手段がありません。
本記事は、前編「RQ-402 ゴールドメカA(エース)」の修理内容を前提としていますので、あわせてお読みいただければと思います。



